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「本物の警察署の番号なのに…」現金250万円が騙し取られた“真相”。11月には通信会社が謝罪の事態にも発展

  • 2025.11.28
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

スマホに突然、警察署と同じ番号から着信があったら、ドキッとしてしまう方も多いはず。「もしや何かあったのかな」と、不安や心配にもなるでしょう。

ところが最近、この“信頼できるはず”の番号を使った詐欺が相次いでいるのです。2025年11月に、東京都内の通信会社が「自社が提供する電話番号が偽装されていた」と公表しました。

警察署と同じ電話番号に偽装されていた

2025年11月、東京都内の通信会社「株式会社アイ・ピー・エス・プロ」が「警察署等と同じ電話番号からお電話を受けられた方へ」というお知らせを公式Webサイトで発表しました。

それによると、同社が提供する電話番号が、2025年2月8日から3月14日までの期間、発信者番号を警察署等と同じ電話番号に偽装されて使用されていたとのこと。

同社は謝罪するとともに、問い合わせ窓口を設置しました。この期間に警察署等と同じ電話番号から電話を受けた人がいれば、同社まで連絡するよう呼びかけています。

巧妙な手口に警察庁も注意喚起

警察庁も公式WebサイトやSNSで注意喚起しており、実際にあった事例をのぞいてみると、手口の巧妙さが浮き彫りとなっています。

まず、被害にあった人の携帯電話に、愛知県警察本部の代表電話番号(052-951-1611)から電話があり、警察官を名乗る人物から「あなた名義の口座が不正に開設されており、あなたも資金洗浄事件の容疑者になっている」等と言われました。

その後SNSのビデオ通話等で、警察官をかたる男から顔写真付きの警察手帳を示されたうえ、「一度お金を全て振り込んでもらい、資金調査を行う必要がある」等と言われたため、指示された口座にインターネットバンキングで現金250万円を振り込んだということです。

そして、最初に着信表示されていた愛知県警察本部の代表電話番号に電話をしたところ、詐欺であることが判明しました。

番号が本物の警察署のものに見えるだけで、つい信じてしまう心理を突かれたケースだと考えられます。

このような手口に騙されないために、警察庁が推奨しているのはとてもシンプルなこと。

  • いったん電話を切って必ず「#9110(警察相談ダイヤル)」へ電話する
  • 相手が伝えてくる番号には決して折り返さない

また、警察が電話で「捜査対象となっている」などと伝えたり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりすることも決してありません、と強く訴えています。

「警察を名乗る電話」に疑いを

スマホに表示される番号は、正しい情報のように見えても、実は偽装できてしまう時代。「警察署の番号だから大丈夫」と思い込まず、慎重になることが自分を守る第一歩です。

特に、身近に高齢の家族がいる場合は、このニュースをきっかけに「警察を名乗る電話は、いったん切る」というルールを共有しておくのもおすすめです。

落ち着いて確認するだけで、さまざまな詐欺から身を守ることができます。忙しい毎日のなかでも、ちょっとした“違和感”を大切にしていきましょう。


参考:
警察署等と同じ電話番号からお電話を受けられた方へ(株式会社アイ・ピー・エス・プロ)
警察に偽装した電話番号に注意!(警察庁)


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