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保護者「朝から38度あったんですけどね」教師が絶句…数日後、“悲惨すぎる教室の光景”に「今でも忘れられません」

  • 2025.11.12
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

インフルエンザが全国的に大流行していますね。教員時代も、この時期は特に感染対策に気を付けて過ごしていたものです。

今回は、実際にあった「熱があるのに登校してきた子ども」のエピソードを通して、子どもを第一に考える社会のあり方についてお話ししたいと思います。

3学期の始まりの朝、異変に気付く

3学期が始まって最初の朝。

私は教室で子どもたちを待ち、一人ひとりに声をかけていました。

「先生、○○に旅行に行ったよ〜!」
「宿題、昨日全部終わらせた!」

楽しそうに話しかけてくる子どもたちの姿に、また頑張ろうと思える瞬間でした。

と、その中に一人だけ様子がおかしい子がいました。Sくんです。

席に着くなりぐったりとして、机に突っ伏しています。いつもは元気いっぱいの子なので、どう見ても体調が悪そうでした。

おでこを触るとそこまで熱は高くないようなので、とりあえず様子を見ることに。

しかし、1時間目の始業式が終わった後もまだ具合が悪そうだったため、体温計で測ってみると、なんと「38.9℃」の数字。

私は慌てて保護者の職場に連絡を入れました。電話口の向こうから返ってきたのは、少し申し訳なさそうな声。

「ああ〜、やっぱりですか。朝から38度あったんですけどね〜

その一言に、思わず言葉を失いました。

どうやら朝の時点で熱があるのを知っていながら、解熱剤を飲ませて登校させたようでした。

保健室で横になるSくんに「今日は頑張って学校に来たんだね」と声をかけると、小さくうなずきました。

その痛々しい姿が、今でも忘れられません。

週明けに広がった感染、そして学級閉鎖

Sくんはお迎えに来てもらい、その日は早退しました。

しかし、さらなる問題が起こったのは翌週です。

朝から鳴りやまない職員室の電話は、すべて私の学級の保護者の方からでした。

あっという間に10人以上が発熱で欠席が確定。

朝のうちに管理職と相談し、3学期早々「学級閉鎖」をすることが決定したのです。

特筆すべきは、発熱した子どもたちのほとんどがSくんの席の周囲の子だったこと。これは、明らかにSくんからもらったなぁ……と、思わずため息をついてしまいました。

当のSくんはというと、インフルエンザで欠席との連絡。

その感染力のすさまじさを改めて実感しました。

金曜日の朝、Sくんが無理をせずお休みできていたら…。そう痛感した出来事でした。

子どもを第一に考えられる社会であってほしい

この出来事で改めて感じたのは、「子どもを第一に考える社会であってほしい」という願いです。

これは、誰かを責めたいわけではありません。

仕事を休めない背景には、厳しい職場環境や人手不足、同僚の目が気になるなど、さまざまな要因があります。Sくんの保護者の方も、「朝から休むより、職場に電話がかかってきた方が休みやすい」と思ったのかもしれません。

けれど私は、酷い顔色でとぼとぼと登校してきたSくんの姿が忘れられないのです。

きっとSくんも、「お父さんお母さんを困らせたくない」と思っていたのでしょう。

熱のある子どもに無理をさせてまで親を働かせる社会が、果たしていいものなのでしょうか。

我が子が病気のときは、しっかり回復に努められるようにしてほしい。

そして、働く保護者が子どものために休むことは「迷惑」ではなく、「大切なこと」「当たり前のこと」として受け止められる職場環境であってほしいのです。

共働きが当たり前になった今だからこそ、「子どものために休める社会」を、大人たちが本気でつくっていく必要があるのだと思います。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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