1. トップ
  2. 「県が11億融資も3回破産の“誤算”」営業中スーパーの真横が『立入禁止の廃墟』…目撃された“異様な光景”の真相

「県が11億融資も3回破産の“誤算”」営業中スーパーの真横が『立入禁止の廃墟』…目撃された“異様な光景”の真相

  • 2025.11.12

1993年、地域の期待を背負って開業した茨城県土浦市の商業施設「さん・あぴお」。しかし、現在、施設の一部を所有していた組合の破産により、専門店がほとんど閉鎖。営業を続けるスーパーのすぐ隣が「立入禁止」という、異様な空間と化しています。

一体何が起きているのか?

都市開発や商業施設の情報を発信するYouTuber・だいまつさんに、実際に土浦を歩いて感じたこと、そして半分が閉鎖された商業施設の実態と、この場所が持つ可能性についてお話を伺いました。

営業スーパーの隣は「廃墟」

---営業中のスーパーと、備品が残る廃墟エリアが同居する、非常に異様な空間でした。だいまつさんが現地で肌で感じた、この建物の「最も違和感に感じた点」は、どのような部分でしたか?

「備品が残されたまま廃墟状態で放置されている理由に奇妙さ・闇深さを感じました」

---その理由とはなんでしょうか。

「私の調べによると、現在、閉鎖エリアを所有しているのは茨城県の不動産会社なんです。ですが、一度も商業施設の運営・管理をしたことがない会社でした。そして現在閉鎖されているエリアが営業再開される予定もないようです」

---活用する予定がないのに買い取った?一体どういうことなのでしょうか。

「破産した組合から買い取った茨城県の不動産会社は、そもそもこの施設を商業施設として活用する気がないと感じています。

おそらく、今も営業を続けているスーパー側の閉店を待って、閉店したら物流倉庫などに建て替えたいのかなと。そういった意図で買い取ったのではないかと推測しています」

確かに、「さん・あぴお」の周辺は物流センターなども点在するエリア。商業施設として再生させるよりも、更地にして物流拠点とするほうが「合理的」と判断した可能性はあるかもしれません。

なぜ3回も破産?

---動画では「県が11億円も融資」したにも関わらず、運営が3回も破産しています。大型施設との競争以前に、この計画が抱えていた最大の誤算はなんでしょうか?だいまつさんの分析をお聞かせください。

「県が11億円も融資して、開業年の1993年から組合破産の2022年までに6億円を返済できていた状況でした。開業当時は周辺に大型施設がなく勢いがあり、今よりは借金の返済は容易だったと思います。

しかし、近年は修繕費などもかかってくる。その中で、大型とも言えない商業施設で11億円の返済はそもそも無謀だったのではと感じます」

---開業から30年経てば、大規模修繕も必要になりますよね。

「この施設が衰退した1番の理由は、近隣にイオンモール土浦が開業したことだと感じています。ですが、仮にイオンが開業しなかったとしても、結局は11億円の返済によって財務状況は厳しかったのではないでしょうか」

バブル期の過大な計画が、時代の変化に対応しきれず、ついに立ち行かなくなった。それがこの施設の「失敗の本質」だったのかもしれません。

平成レトロが鍵に?

---もしだいまつさんが、今も営業を続けるスーパーを活かしつつ、この建物を「未来の資産」として再生させるとしたら、どのような活用法やアイデアが考えられますか?

「あくまで仮の話ですが、スーパーが営業し続け、廃墟部分を持つ茨城の不動産会社が活用策を練ることにした、と仮定するならば…。あの広い空間を活かして、巨大なアミューズメント施設を入居させるのが良いのかなと思います」

---具体的にはどのような施設でしょうか?

「例えば『ラウンドワン』は茨城県内にありませんし(2025年11月時点の情報)、アミューズメント施設が土浦周辺に少ないため、復活の可能性はあるかもしれません。

---確かに、一定の需要がありそうですね。

「何より、この施設は開業時から大きな手が加えられておらず、『平成レトロ』好きな方にはたまらない施設となっています。そういった要素も活かしたアミューズメント施設であればもっと面白くなるかなと思います」

---「古い」を「レトロ」という価値に変える素敵なアイデアですね。

負の遺産か新たな価値か

現実的には、だいまつさんが推測するように「解体」の道を待っているだけかもしれません。しかし、このような施設を「負の遺産」としてただ壊すのか、「時代の証人」として別の価値を見出すのか。

だいまつさんの話は、私たちに「身近な街のありかた」について考える、よいきっかけを与えてくれそうです。



動画:【怖すぎる】何故か県が11億も融資した商業施設が闇深すぎた…これまでに運営が3回も破産してオワコン「さん・あぴお」

取材協力:だいまつさん『だいまつのどこでも探検隊
都市開発や商業施設、バブル遺産などの情報をYouTubeで発信。独自の視点で街の変化や歴史を伝えている。
・X:だいまつ(@Daimatsu__
・Instagram:だいまつ(daimatsu___
・TikTok:だいまつのどこでも探検隊(daimatsu_

参考:土浦商工会議所「土浦市の商業」(https://www.tcci.jp/cms/wp-content/uploads/2024/04/1fc3d1e23c614e1cdc56889cc1c79a3b.pdf


【エピソード募集】あなたの"衝撃&スカッと"体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK】