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世帯年収600万で「5,000万の3LDK」を購入→3年後、30代夫婦を襲った想定外の“トリプルパンチ”

  • 2026.3.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。宅地建物取引士として10年以上の現場経験を持つ、不動産ライターのT.Sです。

マイホームを購入する際、月々のローン返済額を「今の家賃と変わらないから大丈夫」と判断する方は多いのではないでしょうか。しかし将来のライフスタイルの変化や維持費の増加を見落とすと、思わぬ落とし穴にはまるリスクがあります。

今回は銀行の審査結果を過信してマンションを購入し、日々の生活が行き詰まってしまった夫婦のエピソードを紹介します。

「家賃と同じなら払える」5,000万円のフルローン契約

都内郊外で賃貸暮らしをしていた30代後半のAさん夫婦は、新築マンションの購入を検討していました。夫の年収は450万円で、妻のパート収入150万円と合わせた世帯年収は600万円です。

子どもは幼稚園児と乳児の2人で、これからの教育費に備える時期でした。Aさん夫婦が気に入ったのは価格5,000万円の3LDK物件です。営業担当者から「今の超低金利ならお二人の合算年収で5,000万円まで借りられますよ」と言われ、頭金なしのフルローンを組みます。

年収の8倍を超えるかなり攻めた借入額であり、審査に通ること自体がやや特殊なケースでした。しかしAさん夫婦はネット銀行の変動金利を利用し、管理費などを含めても月の支払いが約15万円に収まるため、「家賃と駐車場代の合計と変わらない」と楽観視していたのです。

立て続けに起きたトリプルパンチ。支出増と金利上昇

入居から3年後、Aさん夫婦の生活に暗雲が垂れ込めます。まず管理組合の総会決議を経てマンションの修繕積立金(将来の修繕に備えて毎月積み立てるお金)の大幅な見直しが行われ、月額約1万円の負担増となりました。

さらに長男が小学校に入学し、民間学童や習い事で月2万円の支出が増えます。追い打ちをかけるように日銀の利上げが発表され、変動金利が上昇したのです。

利用していたネット銀行には一般的な銀行にある5年ルール(金利が上がっても5年間は毎月の返済額が変わらない仕組み)がありません。そのため次の金利見直し時から、返済額が数千円アップしてしまいます。

ローンと管理費に教育費の増加が重なり、毎月の固定費が約3.5万円も膨れ上がりました。手取り月収約35万円に対する固定費の割合が高すぎ、家計のゆとりがほとんどなくなってしまったのです。

銀行の限度額は安全圏ではない。適正予算の見極めを

銀行の審査に通ったからといって、それが無理なく返せる額とは限りません。銀行は現在の年収における返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)と物件の担保価値で融資の上限を決めているだけで、今後の教育費までは考慮してくれないのです。

実務的な安全ラインは、借入額を世帯年収の5倍から6倍程度に収めるのが一つの目安となります。変動金利は総返済額を抑えやすいというメリットもありますが、商品によっては金利上昇時に毎月の返済額がすぐに変動するため注意が必要です。

目先の金利の低さだけでなく、上昇時のルールも必ず確認して選ぶことをおすすめします。現在の低金利と教育費がかからない状態だけを前提にせず、将来の負担増を見据えた資金計画を立ててみてください。


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