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『老後に持っておくべきもの、手放していいもの』…後悔しないための判断基準とは?

  • 2025.11.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

老後はさまざまなものを整理するタイミングでもあります。お金や不動産、日用品など、それらは多岐にわたります。しかし、何を持ち続けて、何を手放せば良いのか迷う方も多いでしょう。

今回は、老後の持ち物について「後悔しないための判断基準」に焦点を当て、どんな視点で選んでいくべきなのか探っていきます。

価値観が変わる老後だからこそ押さえたい「持っておくべきもの」とは?

老後の生活は身体の状態やライフスタイル、趣味、社交といった面で変化が生じやすく、持ち物に対する価値感も変わります。まずは「何が今後も自分の生活にプラスになるのか?」を基準に考えることが大切です。空間の物理的な広さや身の回りの環境に合わせて本当に必要なものだけを選ぶことが、ストレスの軽減にもつながります。

たとえば、健康管理のサポートになるものや、自分の趣味を充実させるグッズは持っておく価値があるでしょう。また家族や友人との思い出の品は、精神的な支えになり得ることも。一方で、高価な家具や使用頻度が少ない家電、使用しなくなった書籍や衣類は場所を取るだけで生活の質を下げることがあり、注意が必要です。

「生活を豊かにして心地よさを感じられるかどうか」という点で判断すると分かりやすいでしょう。

「手放すもの」と「残すもの」を判断する基準は?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

持ち物の見直しは抽象的な話だけでなく具体的にイメージすると分かりやすいでしょう。たとえば、趣味の道具でも「頻繁に使うもの」と「ずっと箱に入れてあるだけのもの」では価値が異なります。

持つものと手放すものを決める上で最も重要なのは「自分の生活設計に合っているか」という視点です。生活の質を向上させるものを優先的に残し、負担になるものは手放すバランス感覚が大切です。

判断基準の例として、以下の5つが挙げられます。

  • 使う頻度が高いものか
  • 心の豊かさにつながるものか
  • 生活の快適さや楽しさを増やすものか
  • 保管や維持のコストが大きくないか
  • 安全面に問題がないか

これらを踏まえ、時には家族と話し合いながら、手放すものと残すものを決めていきましょう。

特に老後は移動や掃除の負担が増えることも多いため、できるだけ持ち物を軽く、シンプルにしておくことが望ましいです。家具の中でも座り心地がいい椅子などは残す価値がある一方、体の衰えや姿勢に合わないものは生活の邪魔になりそうです。

また、思い出の詰まった写真や手紙は捨てがたい一方で「もう見ないだろう」と感じるものはデジタル化して保管する方法があります。こうした工夫をすることで徐々にものを減らしつつ、精神的な充足感を保てるケースが多いと言えます。

その他にも、老後の生活に不要な保険やサブスクを見直したり、使っていないスマホやタブレットの解約を検討すると良いでしょう。

未来の自分を見据えて手放せるものの選択を

老後を見越した持ち物の整理は、ただ物を減らすだけではなく、自分自身の今とこれからの生活にフォーカスする作業でもあります。単に品物を少なくすれば良いということではなく、本当に必要なものを見極めて残すことが大切です。

また、健康や趣味、人付き合いなど変わりゆく生活環境に合わせて柔軟に持ち物を見直す習慣を持てば、老後の生活の質をより高めていけます。豊かな老後に向けて、持つべきものと手放すもののバランスをゆっくり考えてみましょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。