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『老後破産を避けるために』手放す勇気が必要な“支出”とは?

  • 2025.11.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

老後の生活を安心して過ごすためには、収入だけでなく支出の管理も重要ですよね。年金や貯蓄だけでは不安…と思っている方も多いでしょう。老後破産を避けるためには「手放す勇気」が必要な意外な支出が存在しています。どのような支出が老後の家計を圧迫しているのか、今回は盲点になりがちなポイントを掘り下げていきます。

見過ごしがちな“隠れ支出”とは?

老後の家計管理で気をつけたいのは、生活必需品以外のささいな支出です。特に「毎月少しずつかかる支出」が蓄積すると無視できない額になります。老後は収入が限られるため、小さな支出の積み重ねが生活を圧迫しやすいのです。たとえば、携帯電話の高額な通信費や、不必要なサブスクリプションサービス、趣味関連の出費などが代表例です。

これらの“意外な支出”は、生活の利便性や楽しみを支えているだけに、見直しに抵抗感があるかもしれません。しかし、たとえば使っていないサブスクリプションを解約する、通信プランをシンプルなものに変更するなど、工夫次第で支出を抑制することができます。

また、車の維持費も意外な負担となりがちです。車を所有し続けることは便利ですが、保険料や自動車税、駐車場代などの固定費が毎年発生します。公共交通機関の利用やカーシェアリングなど他の移動手段に切り替えることで、これらの支出を削減できるケースもあります。

実は多い?老後に増えがちな支出とは

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康維持のための出費も無視できません。医療費の自己負担は増加傾向にあり、健康食品やサプリメント、ジム通いなどの支出が増えるケースもあります。これらは必需品と言える場合もありますが、過剰なサービス利用や高額な商品購入は家計を圧迫する可能性も。計画的な支出管理が望ましいでしょう。

さらに、冠婚葬祭や身内の支援などの臨時費用も老後の家計に影響します。若い頃よりも人的なサポートが必要になる場面が増えるため、生活費以外の支出が膨らむことも珍しくありません。このような出費も事前に把握しておくことで、老後の備えにつながります。

一方で、交際費や趣味の出費を楽しむこともQOL(生活の質)向上には大切です。適度な交流は、心の健康に良い影響をもたらし、生きがいにつながっていきます。交際費や趣味の出費は、完全に削減するのではなく、無理のない範囲で見直すことがポイントです。

支出の見直しは暮らしの質を高めるチャンス

老後破産を防ぐためには「どの支出を優先し、どの支出を減らすか」を見極めることが重要です。生きがいを感じられる支出は残しながら、無駄遣いと感じる部分を「手放す勇気」がカギになるでしょう。

また、家族や専門家と相談しながら支出の取捨選択を進めるのも良いでしょう。自分ひとりで抱え込まず、必要に応じてサポートを得ることが高齢期の安心につながると言われています。支出の見直しは決して苦しいものではなく、暮らしの質を維持しつつ、安心して長く生活するための工夫です。

老後をより充実したものにするため、まずは“身近な支出”から見直してみるのも良いかもしれません。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。