『お金がないのに浪費してしまう家庭』が無意識に続けている…“３つの甘え”とは？

2025.11.10

お金が足りないのに、ついつい浪費してしまう…この悩み、実は多くの家庭で起きています。収入に見合った生活をしようと思っていても、気づけば無駄遣いがかさみ、貯金もなかなか増えない。なぜそんな状況が繰り返されてしまうのでしょうか？今回の記事では、そんな家庭が無意識のうちに続けている「3つの甘え」にスポットを当ててみます。

自分や家族の行動を振り返りながら、浪費の背景を探ってみませんか？

浪費を生む「3つの甘え」とは？

「お金がない」と感じているのに買い物や外食、趣味にお金を使ってしまう理由は複雑ですが、無意識レベルでの甘えが関係している場合が多いです。具体的な例をみてみましょう。

「今を楽しみたい甘え」：将来の不安よりも、現在の快楽や満足感を優先しがち。節約しなきゃと思いながらも「たまのご褒美だし」「今しかない楽しみ」と自分を甘やかしてしまいます。
「他者との比較による甘え」：周りの友人や知人が使っているのを見て、「自分だけ我慢しているのは嫌」「見栄を張りたい」という気持ちが芽生え、結果的に無駄遣いを増やす要因に。生活レベルを維持したい心理です。
「責任転嫁の甘え」：自分の浪費を「給料が低いから」「家計が苦しいから」と外部環境のせいにしてしまいがち。これにより無意識に浪費行動を正当化し、改善の一歩を踏み出せないことがあります。

こうした甘えは、決してネガティブな人間性の問題ではなく、「辛さから逃げるための心理的防衛反応」が関係している場合もあります。余裕のない暮らしに対するストレスが消費行動に影響しているという場合もあるのです。

心がラクになる？浪費と向き合う対処法

浪費が止まらないと感じたとき、まず「自分を責める」のではなく、今回紹介した「3つの甘え」が自分の心のどこかに潜んでいないかに気づくことが大切です。この理解があれば、感情的な消費を減らし、家計管理に前向きになりやすくなります。

「予算をきちんと決める」：楽しみをゼロにするのではなく、予算を決めて計画的に楽しむ方法を取り入れる。例えば月の娯楽費を決めて、それ以上は使わないルールを家族で話し合うのも効果的です。
「生活の基準を見直す」：自分たちの幸せ基準を見直す。周囲の生活スタイルに惑わされず、自分たちに合った価値観を大切にする心のトレーニングが役立つと言われています。
「収支をきちんと把握する」：家計の現状を冷静に把握し、自分が改善できる部分を少しずつ見つけること。家計簿をつける、専門家のアドバイスを参考にするなど、行動ベースの工夫が気持ちの切り替えにつながります。

何より、自分や家族を責めず、支出と生活の質の良いバランスを見つけていくことが理想的なアプローチと言えそうです。

お金とのバランスの良い付き合い方を目指そう！

「お金がないのに浪費してしまう家庭」に共通するのは、無意識のうちに自分自身や周囲に甘えが存在していること。それは誰もが持ちうる自然な心理でもあります。大切なのは、その甘えを認めたうえでどのように付き合い、行動を変えていくかです。

今回紹介した「3つの甘え」を知ることは、浪費の理由を客観視する第一歩となります。これを踏まえた上で、無理のない楽しみ方や家計の見直しを繰り返しながら、着実にお金との付き合い方を整えることができれば、精神的にも経済的にもゆとりを生みやすくなるでしょう。ぜひ実践してみてください。

監修者：中川佳人（なかがわよしと）

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。