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『ボーナスがでるから』と安心しないで…お金のプロが教える“買ってはいけないもの”とは?

  • 2025.11.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ボーナスが出ると「今年はちょっと贅沢しようかな!」とワクワクするもの。でも、うれしい気持ちのあまり“今だけ”の感情で買い物をすると、後々後悔することも少なくありません。せっかくのボーナスだからこそ、賢く使いたいですよね。

今回は、お金のプロが「ボーナスが出るから」と安心して買ってはいけない、いわゆる“買い物の落とし穴”について解説します。

ボーナスで避けたい!買って後悔しやすいものとは?

ボーナス支給後は普段より余裕が生まれる分、どうしても気が大きくなりがちです。そのようなとき、購入してしまうと失敗しやすいものにはどのようなものがあるのでしょうか?

高額な家電やガジェット
流行りの最新機種や高級ブランドの電化製品は、一見お得で魅力的に見えますが、使いこなせなかったり、モデルチェンジが早かったりで価値がすぐ下がることがあります。

ブランド品のファッションアイテム
一度買うと満足してしまい、その後に使い道がなくなったり、タンスの肥やしになりやすい傾向があります。特に自分の好みやライフスタイルに合わないものは注意が必要です。

高額な趣味・娯楽関連のグッズ
趣味にのめり込むのは良いことですが、例えば急に興味が湧いて高い楽器やスポーツ用品を買ったものの、結局長続きしなかった場合、その出費はムダになりかねません。

これらは一例ですが、共通して言えるのは「支出の後の満足感が長続きしにくいもの」であることです。せっかくのボーナスを使うなら「価値が長く続くか」という視点を大切にしたいですね。

なぜボーナスでの「余裕買い」が落とし穴になるのか?

ボーナスで失敗しやすい買い物には背景があります。ひとつは「心理的な浮かれ」。普段は節約モードの人も、ボーナスが入ると「ちょっとぐらい使ってもいいだろう」と気が緩みやすいのです。この心理が冷静な判断を鈍らせます。

また、ボーナスは基本的に「臨時収入」扱いで、手取りの一部とは違う特別感が伴います。そのため「普段の給料では買わない高価なものを買っても大丈夫」という思い込みが生まれやすいのです。

しかし、家計全体の負担や将来の計画を無視して使うと、次の給料日までの生活に影響が出たり、貯蓄計画が狂ったりするリスクも考えられます。特に、消費者金融からの借入やクレジットカードのリボ払いで補うのは金利負担が膨らむ可能性があるため避けたいところです。

経済的に余裕がある時だからこそ、「今だけの感情で買わない」ことが大切です。

賢くボーナスを活用するためにできること

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、ボーナスで後悔しないためにどのような工夫ができるのでしょうか?

優先順位を決めて予算を分ける
まず「貯蓄」「生活費の補填」「自己投資」「娯楽や趣味」など、項目ごとに予算配分を考えましょう。これにより、使いすぎを防ぎやすくなります。

買う前に1日考える習慣
衝動的な買い物を抑えるために、購入予定の商品は少なくとも1日は保留して考え直すのがよいとされています。冷静な判断がしやすくなります。

自分のための投資を検討する
資格取得などの自己投資や、老後資金のための積立投資など、長期的な視点でお金を使う方法もあります。

価値のある体験に使う
旅行や習い事、家族や友人と過ごす時間にお金を使うことは、物品を買うより長く心に残りやすいと言われています。

こうした意識が、ボーナスを豊かな生活のために活用するポイントになります。

一歩立ち止まって考えてみよう

ボーナスは、頑張った自分へのご褒美のチャンスでもあります。しかし、喜びに任せて「つい買ってしまった」結果が、翌月の家計を圧迫してしまうこともしばしばです。お金のプロの視点から見ると、高額で流行り廃りの早いものや、長く使わない可能性が高いものには慎重になるのが賢明と言えます。

大切なのは「買う前の自分の気持ちや生活全体を見直すこと」。ボーナスの使い方を工夫すれば、後々の安心感や満足感が大きく変わってきます。特に、貯蓄や投資など未来のためにお金を振り分けることが、長く実りあるお金の使い方を支えてくれるはずです。少し立ち止まって賢い選択をしてみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。