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“お酒に強い人”ほど健康リスクが高かった…内科医が警告「見えない危険」とは?

  • 2025.10.16

「飲める=安全」という誤解を解く必要性

「飲める=安全」という誤解を解く必要性
「飲める=安全」という誤解を解く必要性

「お酒に強いから大丈夫」と思っている人に、衝撃的な調査結果が明らかになりました。「自然食研」が実施した「お酒に強い人・弱い人の飲酒習慣と飲酒後のケア」に関する調査の結果を参照して紹介していきます。調査は2025年10月3日〜6日、1067人(飲酒する20〜60代、内科医522人を含む)を対象に行われたものです。

週1回以上飲酒する20〜60代の男女545人を対象とした調査では、約6割の人が自分を「お酒に強い」と認識していることがわかりました。実際、二日酔いに「全くならない」と答えた人は約4割に上ります。お酒を飲んだ際の体の反応で最も多かったのは「顔が赤くなる」30.5%で、続いて「強い眠気」17.8%、「頭がボーッとする」9.0%となりました。これらの反応は、アルコール代謝の過程で生じるアセトアルデヒドの影響によるものと考えられています。興味深いのは、「お酒に強い人ほど健康への影響は少ない」と考える人は約3割にとどまり、約7割の人が慎重な見方をしていることです。「肝臓への負担」や「耐性と健康は無関係」といった医学的視点を持つ人も多く見られました。

一方、内科医522人への調査では、より深刻な実態が浮かび上がりました。「飲酒による健康トラブルについて、臨床の現場で多いのは」という質問に対し、45.6%の医師が「お酒に強い人の健康トラブル」と回答したのです。お酒の強さを決定づける大きな要素については、68.6%の医師が「遺伝的要素」を挙げました。これは、ALDH2やADH1Bなどアルコール代謝酵素の多型による体質的な違いを意味します。続いて「年齢」40.8%、「性別」40.2%が挙げられています。

特に注目すべきは、お酒に強い人が見落としがちな健康リスクです。内科医が挙げた上位項目では、「認知症リスクの上昇」42.2%、「免疫力低下による感染症リスクの増加」37.2%、「うつ病や不安障害などのメンタル不調」36.4%、「睡眠の質低下や日中の集中力・作業効率の低下」33.1%でした。これらは短期的には自覚しにくい症状ばかりで、長期的・蓄積的に現れる影響であることが特徴です。

お酒に強い人が健康を過信してしまう原因として、医師が最も多く挙げたのは「若いうちは大丈夫だと思ってしまうから」47.5%でした。続いて「飲酒後も普段通りに生活できるから」44.4%、「自覚症状が出にくいから」39.1%となっています。これらの回答からは、お酒に強い人特有の「体感的な安心感」が健康リスクの見落としにつながっている構造が見えてきます。体調の変化を感じにくいことで、かえって体内に負担が蓄積している可能性があるのです。

こうした実態を踏まえ、「お酒に強い人も飲酒後のケアをすべきだと思うか」という質問に対し、内科医の約9割が肯定的に回答しました。内訳は「とてもそう思う」48.1%、「ややそう思う」46.4%となっています。アルコール耐性の有無にかかわらず、飲酒後の健康管理は欠かせないというのが医師の共通認識であることがわかります。アセトアルデヒドの分解を助ける成分の摂取や、肝臓を労わるための休息など、日常的なケアの重要性が指摘されています。

今回の調査結果は、お酒に強い人ほど陥りやすい健康への過信という落とし穴を浮き彫りにしました。遺伝的にアルコール分解能力が高くても、健康リスクがないわけではありません。むしろ、体の変化を感じにくい分、飲酒量の増加や休息不足を軽視しやすく、慢性的な負担を招く恐れがあります。

「若いうちは大丈夫」「飲んでも変わらない」といった過信の背景には、自覚症状が出にくい体質や、肝臓の不調が目に見えないという構造的問題があります。お酒の強さに関係なく、適量と休息、そして日常的なケアを意識することが、健康的にお酒と付き合うための第一歩といえるでしょう。

(LASISA編集部)

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