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“おしり”が魅力「ポムポムプリン」“ファミマ的”庶民派最強論…VS優雅な王道キャラ「シナモロール」の対比

  • 2025.10.15

SNS時代と相性抜群「ポムポムプリン」“ぐうたら論”

「ポムポムプリン」公式Xより引用
「ポムポムプリン」公式Xより引用

サンリオキャラクター大賞で、長年トップを争ってきた「シナモロール」と「ポムポムプリン」。2025年の大賞では、2024年までで5連覇を達成した「シナモロール」を見事に追い抜き、プリンが1位の座に君臨しました。

その人気は絶大ですが、ふたりの立ち居振る舞いを比べてみると、その「格差」に驚かされます。

空飛ぶ子犬「シナモロール」がエレガントでロイヤルな印象を保つのに対し、「ポムポムプリン」は自宅でのんびり過ごすのが趣味で、時にお尻の“アノ部分”まで見せてしまう、あまりにも砕けた立ち居振る舞いが目立ちます。なぜ「ポムポムプリン」は、このカジュアルさでサンリオのトップに選ばれたのか――。

ポムポムプリンの最大のチャームポイントであり、その“砕けた印象”の象徴が、お尻の穴のように見える部分です。キャラクターの公式な設定では「おしりのしるし」という名称になっています。ファンからは「プリンくんといえば、あのかわいらしいおしり」という認識が定着しており、その無防備さが親近感につながっています。さらに、誰もが“ありたい自分”を演出しがちなSNSにおいて、「がんばらなくていい」という共感性の高いメッセージとして機能します。ユーザーは、完璧な王道を貫くシナモロールに憧れを抱く一方で、“等身大のポムポムプリン”に自分を重ね合わせ、深い親愛の情を抱くのです。ポムポムプリンの魅力は、現代のSNSやデジタル社会が求める要素と見事に合致していると言っても過言ではないでしょう。

キャラクターのイメージは、コラボレーションする企業や商品にも色濃く反映されます。ポムポムプリン=親しみやすい存在感から、ファミリーマートの看板スイーツ「スフレ・プリン」とコラボするなど、身近で庶民的な(しかしおいしい)スイーツとの親和性が非常に高い傾向にあります。

この構図は、コンビニのイメージに例えるならば、国内でいちばんの店舗数を誇り王道でロイヤルなイメージが強い「セブン‐イレブン」と、独自商品を多数展開しながらも親しみやすい立ち位置の「ファミリーマート」といった対比にも似ています。対して、近年連覇を重ねていたシナモロールは、雲の上を飛ぶ優雅な立ち居振る舞いや、フリルをあしらったグッズ展開など、エリート感が強めな印象です。

かつてのキャラクターは「完璧なアイドル」や「お姫様」であることが求められましたが、多様性が重視される現代では、「隙」や「親近感」こそが魅力となります。ぐうたらする姿を大々的に披露するポムポムプリンの砕けた立ち居振る舞いは、がんばりすぎることに疲れた現代人に深い安心感を与えていると言えます。

ポムポムプリンが持つ、ロイヤルなトップキャラらしからぬ“砕けた印象”は、彼の弱さや人間味(犬だけど)を引き立て、ファンとの間に強固な「共感」と「親愛」を生み出しています。サンリオのトップ戦線は“完璧な憧れ”のシナモロールと、“等身大の親近感”ポムポムプリンという、対照的な魅力の二大巨頭によって支えられているように感じます。

(【Sally(ᵔᴥᵔ)】ライター兼イラストレーター)

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