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海のない札幌に新種のクジラがいた!発見者が「これは背骨だ」とわかった理由とは

  • 2025.10.11

900万年前の札幌にいたサッポロクジラ。
偶然、化石として発見されその存在が明らかになりました。

化石の発見から17年、これが「新種」のセミクジラ科の一種だと判明しました。
発見者と研究者がたどった軌跡を紹介します。

すぐに「骨だ」と確信 そのワケは

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札幌市南区の小金湯。
クジラの化石は、私たちに身近な豊平川で見つかりました。
発見者は森和久さんです。

「最初に見つけたのはこの辺、ふと目につき『これなんだ?』と」

森和久さんは2008年の10月、紅葉を撮影しようと散歩していたとき、足元の岩のようなものに目が止まりました。

普通の人なら通り過ぎてしまいそうですが、森さんはすぐに「骨だ」と確信したといいます。

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森和久さん撮影(2008年)

「そろった形の石が並んでいてそこに背骨が5個見えた。『これは動物の骨だ』と」

森さんが見分けることができたワケはその職業にありました。

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DMAT時代の森さん(2009年)

実は森さんは札幌医大の災害派遣医療チーム「DMAT」の初代隊員も務めた救急医。
現在は、札幌市厚別区で新さっぽろ豊和会病院の理事長をしています。

「解剖の勉強があって骨のスケッチがあった。そのときの記憶があり『これはろっ骨だ』と直感した」

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森さんは化石を掘り出すと、すぐに札幌市博物館活動センターに持ち込みました。

「自分が持ってきた骨を見せると『これ大変だね、本物だね』と」## 続々と姿を現し…

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発掘作業(2008年)

発掘作業が始まると、土の中から、化石が続々と姿を現しました。
背骨や指、そして頭部…。

4年にわたる発掘で、全身の7割ほどの化石が掘り出され、17年にもわたる研究の結果、新種のセミクジラの一種だと判明しました。

名前は「メガベリーナ・サッポロエンシス」、和名は「サッポロクジラ」に決まりました。

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札幌市博物館活動センターの田中嘉寛学芸員は「かっこいいですね。サッポロクジラの頭は2メートル20センチある。頬から頬の長さが化石として残っているので全長12.7メートルという推測ができた」と話します。

どうして川にクジラが眠っていた?

そもそも、なぜ豊平川の河原に、クジラの化石が眠っていたのでしょう?
札幌市に海はありませんが…

田中学芸員は「今は、です。900万年前、南北に海が入り込んでいた時代があります。当時の札幌は海の中だったんです」と教えてくれました。

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サッポロクジラはただの化石ではなく進化の過程を解き明かす世界的に貴重な発見だといいます。

田中嘉寛学芸員によると、2000万年のセミクジラの仲間の歴史の中で、1600万年前から600万年前までの化石がこれまで世界で見つかっていなかったということです。

「札幌から見つかったセミクジラの化石は900万年前のものなので、ちょうどその空白の900万年間に1つの点を追加することができた」

自分の最大の生きた業績

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散歩の途中に化石を発見した森さん。

「見つけることができたのは『自分の最大の生きた業績』だと思う」と話します。

「サッポロクジラ」の化石の一部は2026年1月25日まで、北海道大学の総合博物館で展示されます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年9月5日)の情報に基づきます。

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