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バス運転士「月1,000円の手当か、数万円の修理費か」身に覚えのない傷で上司に“自己責任”を迫られた、15年前の悪夢

  • 2025.10.18
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出典元;photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。送迎バス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

今回は、15年ほど前にあった究極の選択に迫られた出来事をお伝えします。キャリアの少なかった私が、上司の一言で人間不信に陥りそうになったときのお話です。

今でも忘れられないできごとだった一方で、仕事が変わった今でも心に留める経験の1つとなっています。

何が欠けた?いつも通りの1日だったはずが…

送迎バスの運転士は、定められている出勤時間よりも早く出勤していることが多くあります。給与が発生しない時間からバスの準備を始め、なかには顧客のためのサービス出勤なんてこともしばしば…

専属運転士の代わりとして勤務に入った私も、運転士からの申し送りを確認し40分前に出勤して洗車を始めました。事前に聞いていたとおり、バスの右側面側は車庫との幅が狭いため、お客様から見える前面と左側面を入念に洗車を進めます。

守衛の手伝いを済ませてバス運行も滞りなく終了し、慣れない現場の1日が終わりました。乗車された顧客からも、笑顔が良い・丁寧な運転で安心できたなどの言葉もいただき、嬉しい思いで帰宅しました。

そして翌日、朝5時過ぎの電話で耳にしたのは、「バスの右側面に傷がある」という内容でした。

「自己責任」という選択肢

当日の運転業務は午後からだったため、私はすぐに昨日の現場へ向かいました。

バスが出庫する前に傷が見つかったとき、前日の運転士に入庫時の状況を確認することは一般的です。入庫後はバスのボディチェックを行い、傷の有無を確認しなければなりません。

しかし、現場の車庫では乗降口側の幅を確保するため、バスの右側面と壁のスペースが20cmもない状況です。人が通れる幅ではないため、右側面のバスはボディチェックができない状況でした。

一方、専属運転士が傷を見つけられたのは、出勤時のバスボディチェックのため、前進させて右側面を確認しています。

このような一連の流れから、私の上司が判断したのは「退勤前にチェックを怠った私の責任」でした。無事故手当を給与から差し引くか、バスの修理費用を自己責任として負担するかという選択が与えられました。

整備業者と上司で異なる評価

私は、無事故手当の受け取りを拒否し、事故として取り上げてもらうことを選びました。

無事故手当と言っても毎月1,000円です。しかし、バスの修理には何万円もかかります。誰もが安い方を選ぶことでしょう。入庫後のチェックができない状況であったとはいえ、自分のミスだと言われたらその通りだと思ったことも理由の1つです。

その後、私は傷のついたバスを板金の整備会社に入庫させ、愕然とすることになります。明るい場所で傷を確認してもらうと、傷の端々にサビが出ていたからです。

サビが出ているということは、昨日今日の傷ではありません。私が乗務する前から傷があったことになります。

そこで、私はすぐに上司に報告しました。しかし、出庫前の点検で傷に気づいていないことを指摘され、それ以上聞き入れてもらうことはありませんでした。

「業務完遂」と「誠意」を考える経験

バスの運転士だけでなく、どのような仕事でも「報・連・相」は欠かせません。常に意識はしていたものの、キャリアの浅い当時の私は「1日の乗務を安全に終えること」ばかりが、頭の中を支配していました。

しかし、「右側は洗車しなくて良い」という連絡を受け、そのまま受け取ったものの、本来なら洗車すべきでした。

この経験は、「業務は誰に何を言われても、完遂することが大事」ということを私に教えてくれました。上司の判断も、令和時代の今なら疑問を抱く行動だと言えるでしょう。

しかし、このような経験があるからこそ、今でも「業務完遂」の意味や重要さを意識できるようになりました。人の気持ちを考え、誠意ある対応を意識し、仕事に活かせるようになっています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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