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「講師は90人待ちです」担任4人が同時に不在…欠員だらけの学校現場の“ウラ事情”に「限界があります」

  • 2025.10.14
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

ここ数年、ニュースでは「教員不足」という声を頻繁に耳にします。実際、私が教員として働いていた頃も、欠員による混乱を何度も目の当たりにしました。

今回は、“欠員が常態化する学校現場”のリアルをお伝えします。

担任が決まらないまま4月を迎えることも

今の学校は、慢性的な人手不足です。

ときには、4月の新年度を迎えても、担任が決まっていないクラスがあることも。

そんなときは始業式ギリギリまで臨時の担任が来ることを待ち、配置されなければ担任外が担任と管理職の業務を兼任します。まさに苦渋の策といえるでしょう。

このように、新年度当初から担任外で業務を行う人員が減ってしまうことは、現場にかなりの余裕をなくします。

私が以前勤務していた学校でも、ある年に前例のない事態が起きました。

秋ごろから病休、産休、そして突然の退職などが重なり、なんと4人の担任が同時に不在に。学年ごとに欠員が出てしまい、現場は混乱の渦中にありました。

「講師は90人待ち」驚くべき現実

教頭がすぐに教育委員会に講師の派遣を依頼しましたが、返ってきた答えはなんと…「期限付き講師は現在90人待ちです」。

人が足りていないのは自分たちの職場だけではなく、どこも同じ状況だということをまざまざと見せつけられました。結局、担任がいなくても自分たちでなんとかやりくりするしかありません。

そこで取られたのが、学年合同授業管理職が担任を兼任するという対応です。

体育や音楽は2〜3クラス合同で、国語や算数は管理職が入る。

そんなふうに授業を回すしかなかったのです。

現場の頑張りでなんとか回してはいたものの、職員室はいつもがらんとしていました。突発的なケガやトラブルが起きても対応が難しく、危機管理上も綱渡りの状態です。

しかし、担任がいないからと言って子どもたちを放置するわけにはいきません。

16時に昼食、熱さましを飲んで出勤

担任が4人不在の中、残された教員は複数学級を見ながら授業を進めます。

「今日は1組と2組合同で総合」
「明日は2時間合同体育」
「日中は担任業務、深夜まで管理職業務」

お昼を食べる時間もなく、「給食を16時に職員室で食べていた」という先生を目撃することもしばしばありました。この状況では、体調を崩しても「私が休むと現場はさらに回らなくなってしまう」と熱さましを飲んで出勤する先生も。

当時の私も1日をやりきるのがやっとの状況で、「先生たちの“責任感”がかろうじて学校を支えているけれど、すでに学校自体が崩壊しているようなものだ」と感じたのを覚えています。

「余裕のない学校」は、子どもにも余裕を失わせる

欠員が出る理由はさまざまありますが、教員も人間ですから妊娠や出産もするし、病気にもなります。また、過重な業務や、保護者対応に心をすり減らす先生も少なくありません。

“誰かが抜ける”のは特別なことではなく、いつ起きてもおかしくない状況です。

だからこそ、年度初めから余裕をもった人員配置と、現場の業務削減が必要です。

教員一人ひとりが余裕を持てることは、結果的に子どもたちの笑顔や学びの環境が守られていくことにつながります。

教員の「マンパワー」で成り立つ学校に頼らないために

現場の先生たちは今日も全力で子どもたちに向き合っています。

けれど、“マンパワー”だけで学校を支え続けるには、限界があります。

教員自身が健康で、笑顔で仕事ができる環境を整えること。それが、子どもたちが安心して過ごせる学校づくりの第一歩ではないでしょうか。



ライター:みずいろ文具
関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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