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修学旅行の班決め後、保護者「班を変えて、うちの子が可哀想」→断ると…思わぬ結末に「いまでも後味が悪い」

  • 2025.10.10
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出典元;photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

学校行事の中でも、特に気を遣うもののひとつが「修学旅行」。中でも“班決め”は、子ども同士の人間関係が濃く表れる場面です。

今回は、同僚の先生のクラスで起きた、印象的な出来事を紹介します。

“みんなが笑顔で行けるように”を目指した班決め

5年ほど前、私は6年生を担任しており、子どもたちは春から修学旅行を心待ちにしていました。

その中で一大イベントとなるのは“班決め”。

トラブルや不公平感を避けるため、班決めの方法については事前に学年の担任団でしっかりと話し合い、子どもたちに話し合いで決めさせる方針を取りました。

話し合いの前に、4クラス合同で学年集会を開き、担任陣で子どもたちにこう伝えました。

「私たちは、みんなが『こうなってよかった』と思える形になってほしい。けど正直言って、クラスの40人全員が心から納得するのは難しいんだ。だからこそ、お互いが少しずつ譲り合って、できるだけみんなが笑顔で修学旅行に向かえる形を目指そう

もし行動班で好きな友達と一緒になれなくても、ホテルの部屋割りで一緒になることもできることも伝えました。

子どもたちは班決めに真剣に向き合い、最終的なメンバーを決定。

決定後はまた学年で集合し、担任から一言ずつ想いを伝えました。

2組担任のB先生は、「真剣に話し合ってくれてありがとう。この結果に、嬉しい人も、少しモヤモヤする人もいるかもしれないけれど、この形で最高の修学旅行にしていこう」と笑顔で声をかけ、多くの子どもたちは頷き、拍手をしていました。

放課後の電話から、まさかの展開に

ところがその日の放課後、B先生の学級のAさんの保護者から電話がありました。

「今日班決めがあったそうで。仲の良い友達がいなくて納得できない。修学旅行に行かないと言っている。班を変えてほしい」という訴えでした。

希望が叶わず悲しむ気持ちは、痛いほど理解できます。

しかし、学年で丁寧に話合い、子どもたちにも「ここから変わることはないよ」と伝え、拍手で終わった班決めです。いじめや重大なトラブルがあるなら話は変わりますが、一人の思いだけで全体の決定を変えることはできません。

B先生は、子どもたちが時間をかけて話し合い、自分たちで決めた経緯を丁寧に説明しました。しかし保護者は、

「修学旅行って、学校生活いちばんの思い出じゃないですか。うちの子がかわいそう。帰って来てからずっと泣いているんですよ?先生にはがっかりしました

と納得してもらえず。そして、なんと翌日からAさんは学校に来なくなってしまいました。

その後も職員室でAさんのお宅に電話をしたり、家庭訪問をしたりしてAさんと保護者を説得しているB先生を見かけていました。しかし最終的には、「やはり納得できないので、転校する」と学校に連絡が。

B先生は深く落ち込み、その後もしばらく、「もっとできることはなかったのか」と自問していました。

納得できないことも、人生の一部

この出来事は、いまでも後味の悪いものとして私の胸に残っています。

集団の中で何かを話し合い、決めていくときに、“誰もが納得する答え”は存在しません
でも、話し合いを通して他人の意見を受け入れたり、自分の気持ちに折り合いを付けたりする経験が、子どもたちの成長につながっていきます。

修学旅行含め、学校生活のすべてはただの“思い出づくり”ではなく、子どもたちが成長する場です。

もし班決めで自分が思う結果にならなかったとしても、

「好きな友達とは一緒の班に慣れなかったけど、部屋割りで一緒になろう」
「もしかしたら、良く知らない友達とも仲良くなれるかもしれない」
「施設の見学やお土産タイムなど、他の楽しいことを探してみよう」

そんな風に、子どもが前向きに気持ちを切り替えられるよう、担任や保護者が関わっていく…それこそが、子どもたちと関わる大人の役割だと感じています。



ライター:みずいろ文具
関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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