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生命保険は『掛け捨て』と『積立』どちらがいいの?お金のプロが解説

  • 2025.10.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

生命保険に加入するとき、悩むポイントの一つが「掛け捨て」と「積立」の選択です。どちらが良いのか分からず、迷ってしまう人も多いはず。保障重視で保険料を抑えたいのか、将来のお金も貯めたいのか、それぞれメリット・デメリットがはっきりあります。

今回はお金のプロがわかりやすく、それぞれの特徴や選び方のポイントを解説します。

生命保険の基本を知ろう。掛け捨てと積立、それぞれのメリットと悩みどころ

生命保険は大きく分けて「掛け捨て型」と「積立型」の2種類があります。掛け捨て型は、保険期間中にもしものことがあれば大きな保障が得られますが、契約期間内に何もなければ保険料は返ってきません。逆に積立型は、保険の保障とともに貯蓄や解約返戻金が付帯し、満期や解約時には一定額が戻ってきます。

この違いだけでも、掛け捨ては保険料が割安な半面「損をするのでは?」という不安が伴います。積立は保険料が高く、支払い期間も長め。保険としての保障よりも、貯金代わりで活用する方も少なくありません。

前提として押さえておきたいのは、保険の本質は「掛け捨て」である点です。保険とは、将来に起こってしまうかもしれない「自分だけでは対処できない事故」に備えて、あらかじめみんなでお金を出し合う仕組みだからです。

多くの人にオススメしたいのは「掛け捨て型」

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

 

貯蓄型保険は一見すると保障も貯蓄も両方できて便利ですが、実は保険の本質と外れてしまう場合も。まず保険の本来の目的から考えてみましょう。

保険の本質は、万が一のときに自分では支払えないような大きな経済的損失をカバーすることです。滅多に起こらないけれど、もし起きたら家計が破綻してしまうようなリスクに備えるのが保険の本来の役割なのです。

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

  • 一家の大黒柱が亡くなって残された家族の生活費が払えなくなる
  • 重大な病気で高額な医療費が必要になる
  • 火災で家が全焼して住む場所を失う
  • 自動車事故を起こして数億円の賠償責任を負う

これらの発生確率は低いものの、起きたときの損失が甚大です。このようなリスクこそ、保険でカバーすべきものです。

ところが貯蓄型保険は、終身保険や養老保険のように保障と貯蓄を組み合わせた商品であるがゆえに、この保険の本質から外れてしまうことも。また、貯蓄型保険には貯蓄部分が含まれるため、保険料が割高になる場合も。

さらに、解約返戻金の利率は現代の低金利環境では銀行預金や投資信託と比べて劣ってしまうため、途中解約すると元本割れしてしまいます。そして資金の流動性も低く、急にお金が必要になっても解約すれば損をするため、実質的にお金が拘束されてしまいます。

これらを踏まえると、「良い保険」とは少額の保険料で、備えるべきリスクに十分備えられる商品であることがわかります。具体的には、保険料が月々数百円~数千円程度の掛け捨て型で、万が一のリスクをカバーできる保険が該当します。

ここで大切な考え方は、保険と貯蓄・投資は分けて考えるということです。保険は保険、貯蓄は貯蓄として分けることで、それぞれを最適化できます。保険は掛け捨て型で必要最小限の保障を確保し、貯蓄は銀行預金で緊急資金を確保し、投資はNISAやiDeCoなどで長期的な資産形成を実践しましょう。この方法なら保険料を抑えられた分を貯蓄や投資に回せるため、トータルでの資産形成効率が格段に向上します。

生命保険は金額だけでなく「リスクに備えられるか」を見極めよう

保険の本質を理解できれば、本当に必要な保険がみえてきます。少額の保険料で十分な保障を確保し、浮いたお金は自分で貯蓄・投資に回すことが、合理的かつ効率的な家計管理の方法です。

「掛け捨ては損をしている気がする」という感情に惑わされず、いざというときに必要なお金がきちんと入ってくるかということをメインに考えてみましょう。今回の解説を参考に、コストと保障のバランスを見極めて、あなたとご家族に最適な生命保険を見つけてくださいね。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。