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「介護施設に入ったら安心」ではなかった…老後に起こりやすい“施設での金銭トラブル”とその対策法

  • 2025.9.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「介護施設に入れば安心」というイメージは、多くの人にとって自然なもの。しかし、実際には施設での生活に伴う金銭トラブルが意外と多く、老後の大切なお金が思わぬ形で減ってしまうケースも少なくありません。

たとえば、追加サービスの料金や預かり金の管理ミス、家族と施設間の金銭トラブルなど多角的に考えると「安心」とは程遠い問題もあります。そこで今回は、介護施設で起こりやすい金銭トラブルの実態と、その対策法をわかりやすく解説。これからの老後の資金管理にぜひ役立ててください。

介護施設で多発する金銭トラブルの背景と具体例

介護施設の金銭トラブルにはどんなものがあり、なぜ起きてしまうのでしょうか?まず注目すべきは、利用者本人やその家族の“情報不足”と“コミュニケーション不足”です。高齢者の認知症や判断能力の低下により、細かい契約内容や請求明細を理解しきれない場合も多いのです。

例えば、介護施設によっては基本料金以外に“サービス料”や“◯◯をするのは追加料金”などと請求する場合もあり、後から家族に通知されるケースがあります。サービス内容が明確でなかったり、説明が不十分だったりすると、突然の高額請求に驚くことにもなりかねません。

また、施設にお金を預けて管理してもらうケースもありますが、不適切な管理や情報開示不足によって預かり金が行方不明になるトラブルも報告されています。さらに家族間での金銭トラブルも見逃せません。施設費用の負担割合を巡る争いや、相続の問題が絡むことで揉め事に発展することもあります。

トラブルを防ぐために!知っておきたい対策とポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、介護施設での金銭トラブルを未然に防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。まず大切なのは、契約の前にしっかりと施設の料金体系やサービス内容を確認・理解すること。基本料金だけでなく、追加サービス料や預かり金の管理制度についても詳しく説明を受けましょう。

また、契約書は必ず書面で交わし、不明点はその場で質問してください。可能なら家族や第三者が同席し、内容を共有することでトラブルを減らせます。契約後も、定期的に請求明細や預かり金の利用状況をチェックすることが重要です。

さらに、予防の一環として「成年後見制度」を利用するのも有効です。これは、判断能力が低下した本人の財産管理や契約行為を法的にサポートする制度で、不正請求や契約トラブルを防ぐことができます。介護施設選びの際には、施設の評判や口コミを調べるとともに、第三者機関のチェックも活用しましょう。

金銭トラブルのない安心した老後を

介護施設に入れば安心という考えだけで判断すると、知らぬ間に金銭トラブルに巻き込まれるリスクがあります。施設での生活が快適でも、費用管理や契約内容の把握が甘いと大きな問題に発展しかねません。高齢者本人だけでなく、家族もしっかり情報を共有し、対策を講じることが何より大切です。

お金の管理は老後生活の安心を支える土台です。施設選びや契約の際にはしっかりと確認し、疑問や不安は専門家に相談する習慣をつけましょう。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。