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『相続で揉める家庭』はやっていなかった…生前に決めておくべき“3つの準備”とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.9.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

相続と聞くと、どうしても「揉める」「争い」といったイメージがつきまといます。大切な家族の間でトラブルが起こるのは避けたいけれど、突然の事態に備えて何をどうしておけばいいのかわからない…そんな悩みを抱えている方は少なくありません。実は、多くの揉めごとにはある共通した原因があり、生前に正しく準備を進めることで、争いをぐっと減らすことが可能なのです。この記事では、相続トラブルを未然に防ぐために「生前にやっておくべき3つの準備」についてわかりやすく解説します。これを読めば、家族の絆を守りながら円満な相続へ一歩踏み出せますよ!

相続トラブルが多発する背景とは?揉める家庭に潜む共通点

まずは、なぜ相続の場面でトラブルが発生しやすいのか、その背景を探ってみましょう。相続が揉める主な原因としては、遺産の分け方への不満や認識の違い、そして「誰にどのように引き継ぐか」という意思の不明瞭さが挙げられます。法定相続人の間で不公平感が生まれたり、亡くなった方の遺志が明確でないために誤解が生じたりすることが多いのです。

加えて近年は、家族の形や社会環境の変化も影響しています。たとえば、核家族化が進み親戚同士の交流が希薄になっていることや、子どもが複数の家庭をもつケースが増えていることなどは、相続の際に紛争化しやすい背景として知られています。こうした状況から、多くの家庭で「相続問題は避けて通れない壁」と感じられてしまうわけです。

やっておくべき『3つの生前準備』とは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

そこで問題解決のカギとなるのが、生前にしっかりと「備え」を行うこと。特に次の3つの準備は、相続トラブルを大幅に減らす実効性の高い対策として専門家たちも推奨しています。

  1. 公正証書遺言の作成
    遺言書は自分の意思を明確に伝える唯一の手段です。中でも公正証書遺言は、公証役場で公的に証明されるため、偽造や変造の心配がなく、遺言の内容に法的な問題があれば作成時に指摘してもらえる点で信頼度が高いです。家族間の「どの財産を誰に譲るか」という争いを減らす最善策と言えます。
  2. 資産の整理と情報共有
    自分が所有している財産をしっかり整理し、どこに何があるかを家族に伝えておくことが重要です。預貯金、不動産、保険契約など、見えにくい資産も含めてリストアップし、保管場所や管理方法を明示しておくことで、遺産の把握がスムーズになります。これがないと「この財産は一体どうすればいいのか」という争いの火種になりかねません。
  3. 家族と話し合いの機会を持つ
    相続に関する希望を家族とオープンに話し合っておくことが、トラブル回避に最も効果的です。特に遺言の内容や財産の取り扱い方、介護や葬儀についての考えを共有すれば、誤解や不安を防げます。感情的な対立を避けるためにも、第三者を交えた話し合いも検討すると良いでしょう。

これらの準備は時間や手間がかかるかもしれませんが、もし何もしていない場合に比べれば、将来の家族の心労や法的トラブルを大幅に軽減できることは間違いありません。弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談すれば、より安心して準備を進められます。

相続は“揉める”ではなく事前の話し合いで“円満”に

相続問題は“いつか起きるかもしれない”心配ごとではなく、今から取り組むべき大切な家族の課題です。揉める家庭に共通する問題点や背景を知ることで、どんな準備が必要なのかおのずと見えてきます。そして、公正証書遺言の作成、資産の整理と情報共有、家族間での話し合いという3つの準備を着実に行えば、多くのトラブルは未然に防げるのです。

家族の絆を守り、安心して未来を迎えるために、今日からできることを考えてみませんか?これらの準備は決して難しいことではなく、大切な人たちへの最高の思いやりになるでしょう。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。