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「デカい方が効果ありますよ」新築一戸建てを4,400万円で購入も…入居前に発覚した“まさかの大誤算”

  • 2025.9.11
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

「ようやく手に入れた、夢のマイホーム」

30代後半、転勤を機に大阪で4,400万円の新築一戸建てを購入したYouTuber「孤独なおじさんの家」さん。家族との新しい生活に胸を膨らませていた彼を待ち受けていたのは、理想とはかけ離れた現実だった。

「すごい綺麗に出来上がっていざ住むぞ、となった時に、ようやく『あれ?なんかこれちょっとおかしくない?』みたいな感じだったんですよ」

完成した我が家で彼が目の当たりにしたのは、信じがたい施工ミスの数々。そして、それを指摘した際に返ってきた、工務店担当者の驚くべき一言だった。これは、一人の男性が体験した、マイホーム購入の理想と現実の記録である。

次々と見つかる施工ミス

「あれ、これおかしくない?」内覧会で気づいた最初の異変

違和感に気づいたのは、入居を目前に控えた「住み手の検査」、いわゆる内覧会の時だった。プロではない。それでも、どこかおかしいと感じる箇所が次々と見つかった。

「憧れやったんですよ、夜、家に帰ってきたら玄関の電気が勝手についてくれるの。でも、一度も(センサーが反応して)ついたことはないですね。ずっと、つけっぱなしです」

なぜ、夢の機能は作動しないのか。彼が語ったその理由は、信じがたいものだった。なんと、人を感知して点灯するはずのセンサーライトの真横に、常に光を放つ通常の照明が取り付けられていたのだ。

夢見ていた便利な機能は、初めからその役目を果たしていなかった。しかし、これはほんの序章に過ぎなかった。

図面と違う!素人目にも明らかな施工ミスの数々

家の細部を確認していくと、図面との明らかな相違点がいくつも露呈する。

  • 寝室のエコカラット

湿度調整や脱臭効果を期待して寝室に設置を依頼した「エコカラット」。しかし、完成した壁を見て彼は唖然とした。「お願いしてた寝室のエコカラット、めっちゃでかいのついとったんですよ」。想定していたサイズとは明らかに違う、威圧感のあるそれが鎮座していた。

  • 飾り棚

リビングの壁には、本来であれば小物や写真を飾るための飾り棚が5段設置される予定だった。ところが、完成当時には1段も取り付けられていなかったという。後に図面を確認すると、確かに「飾り棚」との記載があり、施工業者も非を認めて取り付け直しに応じた。

  • トイレの収納

最も使用頻度の高い1階のトイレには、本来トイレットペーパーなどをしまうための収納が設置される予定だった。ところが、実際にはその収納はなぜか2階のトイレに集中していた。1階の収納不足を指摘すると、担当者は「もう本当に疲れたから勘弁してほしい」と言いたげな表情で渋る様子を見せたという。

背景にあった「建築条件付き土地」という落とし穴

なぜ、これほどまでに施工ミスが多発したのか。背景には、彼が選んだ「建築条件付き土地」という特殊な契約形態があった。

「大阪市内の『いいな』と思う土地とかって、やっぱりどうしてもそういう土地が多くてですね。この土地がいいから、他の有名なハウスメーカーで建てたいって言っても、もう建てる工務店が決まってるんで」

土地の立地を最優先した結果、建築業者を自由に選ぶことができなかったのだ。さらに、建売と注文住宅の中間のような形態のため、「細かい打ち合わせをして作っていくみたいな機会が全然なかった」ことも、後のトラブルの温床となった。

工務店との不毛な交渉

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「そうでしたっけ?」謝罪なき担当者の第一声。

施工ミスを指摘した際の工務店の対応は、彼の不信感をさらに増幅させた。

「飾り棚がない時も、『えっ、図面そんなこと書いてなくなかったですか?』みたいな。やっぱまずそっから入るんですよ」

非を認めて謝罪するのではなく、まずはこちらの勘違いや記憶違いを疑う姿勢。孤独なおじさんの家様は、その体質をこう語る。

「できればこう、うまくやらずにぬるっと逃げたいな感は無きにしもあらずですね」

救世主は「鬼軍曹」。妻の一喝で事態が動く

そんな不毛なやり取りに終止符を打ったのは、彼の妻、通称「鬼軍曹」だった。

巨大すぎるエコカラットについて、夫である彼が指摘した際の担当者の返答は、まさに“開き直り”だった。

「『でかい方がめっちゃ効果ありますよ』って言われたんですよ。『良かったっすね』ぐらいの感じで」

この返答を聞いた妻が一喝。「いやいや、ちゃうやろ!」。The大阪の女性らしい、強く、的確な指摘。すると、あれほど渋っていた担当者の態度が一変し、ようやく修正に応じたという。

「僕が(工務店に)言うと板挟みになるんですけど、鬼軍曹が言うとすぐ治る。すごいですよ」

言うべきことを、然るべき人間が、毅然とした態度で伝える。交渉の現場において、その重要性を痛感させられるエピソードだ。

これから家を建てる人へ。孤独なおじさんが伝えたい教訓

数々のトラブルを乗り越えてきた孤独なおじさんの家様は、自身の経験を通して一つの境地に達したという。

「家づくりで学んだのは、多少のミスがあっても安全性に影響がなければ『まあ、いっか』みたいな気持ちで受け流すのも結構大事なんじゃないかなって。

今回の施行ミスも、味として受け入れたら逆に面白い生活が待ってるかもしれない、そんな考え方で受け入れてみました。あと完璧を求めすぎると、気力も体力も使う交渉で、夫婦の感情も擦り減ってしまいますからね」

もちろん、泣き寝入りを推奨するわけではない。明らかな契約違反や、生活に支障をきたす欠陥に対しては、彼の妻「鬼軍曹」のように、断固として戦うべきだ。

しかし、すべてを完璧に進めようとすると、家づくりの楽しささえ失いかねない。

どこまでを「味」として受け入れ、どこからを「欠陥」として正すのか。その線引きを自分たちの中で持つことが、夢のマイホームで後悔しないための、最も重要なことなのかもしれない。


取材協力:孤独なおじさんの家さん

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています