1. トップ
  2. 国際線の飛行機に“秘密の部屋”があるって本当!?その中でCAがしている「意外なあること」とは…?

国際線の飛行機に“秘密の部屋”があるって本当!?その中でCAがしている「意外なあること」とは…?

  • 2025.9.11
undefined
出典:Photo AC ※画像はイメージです

こんにちは、元国際線客室乗務員のかくまるめぐみです。

「フライト中にCAは休憩しているの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

結論からお話しすると、国際線の長距離路線に乗務する客室乗務員は、フライト中に交代で休憩時間に仮眠をとっています。

実際、長距離路線ともなれば乗務時間は10時間を超えてしまうため、休憩をとることが労働基準法などの規定でも定められているのです。フライト中の休憩は、お客様の安全と行き届いたサービス提供を維持するためにも、必要不可欠ともいえるでしょう。

そこで今日は、客室乗務員の仮眠事情について「どこで寝ているの?」「パイロットも同じ部屋で寝ているの?」といった疑問にお答えしながら、元国際線CAがここだけの裏話をご紹介します。

CAが仮眠をとっている“秘密の部屋”「クルーバンク」とは?

実は、飛行機の中にはお客様の目には触れないところに、パイロットや客室乗務員が仮眠をとるための“秘密の部屋”があるのです。

この秘密の部屋は、航空会社によっても異なりますが「クルーバンク(Crew Bunk)」「クルーレスト(Crew Rest)」と呼ばれています。

ただし、国内線など短距離路線用の飛行機には秘密の部屋はなく、国際線の長距離路線で使用される飛行機のみに設備されているのが特徴です。

クルーバンクの入り口は一見するとトイレや収納棚の扉と変わらない様式になっており、保安上の関係からお客様の目には見分けがつかないように設計されています。

そして、クルーバンクの扉を開けるためには暗証番号などが必要なため、仮に「ここが秘密の部屋の入り口だ!」と気づかれたとしても、残念ながらお客様が入ることはできません。

クルーバンクの中はどうなっているの?

では、クルーバンクの中がどうなっているのか気になりますよね。

正確に言葉で表現するのは難しいのですが、小さな部屋に二段ベッドがいくつか設置されていることから、カプセルホテルを想像していただくと一番分かりやすいかもしれません。

ベッドはカーテンなどで仕切られているので、仮眠中の寝顔を他のCAに見られてしまう心配はなく、最小限のプライベート空間は確保されています。

そのため、カーテンの中で制服から簡単なルームウェアに着替えてから寝る人や、アップスタイルにした髪の毛をほどいてから寝る人などさまざまです。

ただ、横になると髪型やメークが崩れてしまうこともあるので、休憩時間が終わる少し前にはクルーバンクから出て、必ずトイレなどで身だしなみを整えてから客室に戻ります。

また、クルーバンクのベッドにもシートベルトが装着されているので、仮眠中も突然の揺れに備えて必ずシートベルトを締めなければなりません。

男性パイロットとCAは同じ部屋で一緒に仮眠をとるの?

「男性のパイロットと一緒の部屋で仮眠するのに抵抗はないの?」と心配される方も多いことでしょう。

しかし、男性のパイロットと客室乗務員のクルーバンクは機内でも異なる場所にあるため、一緒の部屋で仮眠をとることはないのです。

ただし、女性パイロットが乗務する際は客室乗務員用のクルーバンクを使用したり、逆に男性客室乗務員の場合はパイロット用のクルーバンクで仮眠したりすることもあります。

私は客室乗務員用のクルーバンクしか使用したことがないので、パイロット用のクルーバンクに入室したことも目にしたこともありません。

ですから「パイロット用の仮眠ベッドは、客室乗務員のものよりも広い作りになっていたのかな?」と退職した今でも興味はあるものの、謎のままです。

CAはクルーバンクで熟睡できるものなの?

「まとめ髪でかつ制服を着たままで寝られるものなの?」と、友人からよく質問されたものです。

しかしそんな心配をよそに、私はクルーバンクのベッドに横になると疲れや時差の影響もあってか、毎回気を失うように寝てしまいました。

とはいえ「どんなに疲れていても、クルーバンクではいつも一睡もできない......」と嘆く客室乗務員が一定数いるのも事実です。

ですから、体力勝負ともいわれる客室乗務員の仕事をする上で、休憩時間に一瞬で眠りにつけて体力温存できたことは、私が自慢できる特技だったといえるかもしれません。

今日は、国際線CAの休憩に関する裏話をご紹介しました。

次回、飛行機をご利用になる際には「どこに秘密の部屋があるのかな?」と機内を見回してみると面白いかもしれませんね。

それでは、快適な空の旅を!


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?(2分で完了・匿名OK)