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「持ち込みNG」には理由がある。元プランナーが明かす、新婦が持ち込んだキャンドルで起きた“地獄の結婚式”

  • 2025.12.7
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは、元ウエディングプランナーのyukimaruです。

私がプランナーをしていた時代、多かったクレームの中に「持ち込み問題」がありました。
新郎新婦様の持ち込みの理由は、いくつかあります。
費用、お付き合い、お気に入りなど様々な理由がある中で、式場としては基本的には持ち込みをお断りしているのです。

「どうしても、それでも持ち込みしたい...」堂々巡りになるやりとりに、関係者全員が疲弊してしまう、そんな「持ち込み問題」の実態を紹介していきましょう。

裏側実録!結婚式で多いクレームの1つは『持ち込み問題』

結婚式のクレームの中で多いものの1つに『持ち込み問題』があります。

  • 持ち込みをしたいけどNG
  • 持ち込みをすると、最初の見積もりで付いた特典サービスが全部なくなる
  • 持ち込みをすると持ち込み料が高い

これに対してのクレームですね。

そして、持ち込みをしたい理由はだいたい以下の通りです。

  • 式場に気に入ったものがない
  • 親戚や友人の付き合いで用意してくれる人がいる
  • 式場にあるものより自分で用意したものの方が安くなるから

確かに、お客様の言っていることは間違っていませんし、理不尽ではありません。

しかし、まず式場側としては、好みが合う合わないは別として、過不足なく式を挙げられる分のグッズ、必要物などはすべて整っています。

それでも持ち込みというのは、極端に言えば、例えば、飲食店に他の飲食店の食べ物を持って行って食べることなのです。

それは常識的にしませんよね?

しかし、結婚式は一生に一度だから、それくらいいいじゃない?と言われてしまうのです。

なぜ、持ち込みは基本的にNGなのか?

現状は、持ち込みがOKの式場も増えていたり、柔軟になり融通が効くところも増えています。

私自身も式場の裏側も知っているプランナーとして、ある程度は緩和してほしいと常々考えていました。

とはいえ(ある程度)で良くて、やはり基本は式場で用意したもので結婚式を行いたいというスタンスではいます。

なぜか、それは、持ち込みで売り上げが下がることもありますが、なにより、持ち込みの商品は、使い勝手がわからず新郎新婦の要望に応えられない可能性もあるからです。

私自身、痛感した出来事がありました。

持ち込みキャンドルであわや大惨事に…

キャンドルサービスのキャンドルを持ち込みされることがあり、式場で持っているものは安全性も考慮され、形や色、においなども結婚式用にこだわって作成されています。

新婦様は、自分の好きなデザインのキャンドルを持ち込み、会場の皆様で火を繋いでいくという演出をしたいということでした。

もちろん、式場のものであれば、なんら問題なくできます。

しかし、持ち込みとの依頼だったので、まず以下のようなリスクのお話をしました。

  • ゲスト同士が火を渡すため、渡すときにロウが漏れて怪我ややけどに繋がる恐れがある
  • ゲストが全員火を回すため、長時間耐えうるキャンドルが必要であること
  • キャンドルは独特の香りがするため、お料理などに匂いうつりがあるかもしれないこと
  • 火の大きさのコントロールをしないと危険

それでも持ち込みたいとおっしゃるため、その時は持ち込み料もいただき、リスク了承のサインもいただきました。

迎えた当日、やはり懸念したことほとんどすべてが起こりました。

キャンドルを傾けてロウが垂れて、軽傷やけどが数人、香りにむせている人が多数、参列している子供がキャンドルを倒して、クロスに火が燃え移り、すぐに消しましたが、あわや大惨事です。

新婦様もすべての事柄を目にしていたため、途中から居た堪れない表情をしていました。

プロとしての提案とお客様にも理解してほしい!気持ち

結婚式当日、今回のキャンドルのような悲しい想いはさせたくない、だからこそ、もっと強くリスクを話すべきだったと後悔しました。

新婦様にも「式場のを使えばよかった」と後悔させてしまったのは、私のプロとしての提案が弱かったからだと痛感しています。

それに、デザインにこだわりがあるなら、もっと工夫や代替え案を提案すべきだったと、自分の未熟さも感じました。

キャンドルの例、一つを挙げましたが、例えばドレスの持ち込みも、他社のドレスは触れないため、当日にサイズが合わないなどあっても、手直しをすることができないというリスクもあります。

一生に一度の大切な日だからこそ、万全に整えたいのは、新郎新婦様ももちろんですが、私たちも心底願っていることです。

持ち込みは、ただお断りしているだけではなく、様々なリスクや当日の不具合に繋がることをお客様たちには知っていただきたい!それと同時に、プランナーは、持ち込まなくてもいいやと思えるほどの、商品の提案、代替え案をプランニングする力量も必要です!

また、式場としても常にトレンドを捉え、新しい商品やサービスを取り入れておくことも大切ですね。


ライター:yukimaru
大学卒業後、フリーターを経てウェディング上場大手の会社に入社。ウエディングプランナーを10年経験し、その後、支配人を5年、エリアマネージャーとして全国の店舗の管理する活動。現在は、Webライターとして活動。ウエディングプランナーから培った「人を想う気持ち」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。