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80代男性資産家「もう解約だ!」銀行窓口で大激怒。火に油を注いだ支店長が、部下に放った“信じられない一言”

  • 2025.12.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

銀行のATMは少しずつ機能を拡張し、定期預金や投資信託の追加購入もできるようになりました。振込みもATMやネットバンキングを使っていただきたいところですが、画面操作が苦手な高齢者など、窓口にこだわっているお客さまも少なくありません。

今回は振込みで来店されたお客さまの不満が爆発し、窓口が騒然となったエピソードを紹介します。

窓口の振込みはお客さまも銀行員も大変

その日、窓口に来られたのは近くに住むAさま。

Aさまは80代の男性で、収益物件を多く持つ資産家です。

Aさまは子どもや孫への振込みで来店されますが、目的は相続税対策です。

自分の預金を子どもや孫の口座へ振込み、相続財産を減らしておこうという考えですが、AさまはATMを使ってくれません。

また、子どもや孫が8人おられるため、振込依頼書の記入だけで毎回30分以上かかっています。

銀行員も振込依頼書の内容をすべて確認する必要があるので、混み合う時間帯だと、他のお客様をお待たせしてしまうことへの焦りを、正直なところ感じてしまいました。

さらに、ご記入いただいた文字の判読が難しい部分もあり、間違いがあってはならないため、ご本人に何度も確認する必要がありました。

振込依頼書を何枚も書く作業は大変だと思いますが、銀行員も大変です。

支店長方針で振込みはATMを使ってもらうことに

Aさまの来店は年に2~3回程度ですが、事務処理に時間がかかり過ぎるため、支店長から「今後はATMを使ってもらうように」との方針が出ました。

今まで何度もお願いしてもATMを使ってもらえなかったので、さすがに無理だろうと思いましたが、上司の命令には逆らえません。

その日から数カ月後にAさまが来店されたため、私がATMの使い方を案内することになりました。

 

私「今日は窓口が混み合っていますので、ATMをご案内させていただきます」

Aさま「混んでても今まではやってくれたじゃない。それにワシはATMが嫌いだ」

私「操作もご案内しますし、1回やると振込先を登録できますよ」

Aさま「もし操作を間違えたら、あんたが責任取るのか?」

私「責任は取れませんが、間違わないようにご案内いたします」

 

このようなやりとりを何度か繰り返しましたが、やはりATMは使ってもらえません。

そして、困っていたところに支店長が登場。

支店長対応だったら何とかなるかな?と思っていたところ、ここからが修羅場の始まりでした。

Aさまの不満爆発!口座解約の大ピンチ

支店長「支店長の○○でございます。ATMをご利用いただくと手数料も安く・・・」

Aさま「うるさい!」

支店長「は?」

Aさま「もう窓口には来るなってことだな」

支店長「いえ、決してそのようなことは・・・」

Aさま「今までどおり窓口でやってくれたらいいじゃないか!」

支店長「そうですが、ATMを使っていただくとメリットが大きいので・・・」

Aさま「しつこい!もうそちらとの付き合いはやめるから通帳は解約だ!」

 

普段は温厚なAさまが、支店長に代わった途端、突然大声を出されたのです。私の説明の仕方に、何かご不満な点があったのかもしれません。

収益物件用のアパートローンも借り換える勢いだったので、ひたすら謝り、いつもどおり窓口の振込みをご利用いただきました。

上司の失敗は部下の責任!まさに半沢直樹の銀行業界

時間が経つとAさまの怒りも収まったようで、その後も当支店をご利用いただいています。

しかし、今回の一件はすべて私の責任となりました。

支店長いわく「お前の対応が悪いからAさんが怒ったんだろ?俺のせいじゃないからな」とのことです。

支店長の対応にも突っ込みどころはありましたが、当時の私の職場では、残念ながら上司の判断が招いた結果であっても、担当者である部下の責任とされる理不尽な側面もありました。

窓口の振込みは何かとトラブルになりやすいので、可能な限りATMをご利用いただけたら嬉しいですね。



ライター:マイルドバンカー

銀行の本部・本店・支店を経験し、早期リタイアで個人事業主となりました。各銀行には独自の文化や風土があるので、「なぜこんなことをやっているの?」など、違和感を覚えやすい業務が少なくありません。今後は元銀行員の立場として、「だからそうなっているのか!」とご納得いただける情報を発信します。