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“駐車禁止”のコーン前に停めたトラックに住民が激怒。現役配送員が悲鳴「止める場所がない」

  • 2025.12.8
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。引っ越し・家財の集配をしているしーやんです。

引っ越しや家財の集配業務の現場では、思わぬ事態に遭遇することがあります。

家材の集配や引っ越し作業では、荷物の重さや作業内容以上に「トラックをどこに止めるか」が作業員の頭を悩ませます。

今回は駐車場所が確保できなかった際のエピソードをご紹介します。

“駐車禁止”のコーン「だけどここしかない」

その日は、狭い通りに面したマンションへ家具を配達する依頼がありました。

現場のマンションの敷地と道路の境目には住民の方への配慮のためか、「駐車禁止」と書かれたコーンが置かれていました。しかし、そこが唯一トラックを寄せられるスペースでもありました。

トラックを離れた場所に止めて、そこから運搬するには時間がかかり、作業が滞るだけでなく、周囲にも迷惑がかかります。

やむを得ず、マンションの住民の方が余裕をもって通れる幅を残しつつ、そのコーンの前に駐車することにしました。もちろん、通行を妨げないよう最大限配慮したつもりでした。

「通れません」の一点張り…通りに響いた“怒鳴り声”

ドライバーと作業リーダーが搬入と組み立て作業に向かい、私はトラックのそばで車番として待機しました。

10分ほど経った頃、マンションの住民と思われる女性が、お子さんを乗せた自転車から降りて、私たちのトラックの前方で止まりました。

自転車を押して通れるスペースは確保していたため、問題なく通っていただけるはずでした。ところが、その女性は私を見るなり、強い口調で怒鳴りました。

「ここに駐車禁止って書いてあるのわからないの!?通れないじゃない!」

突然の怒声に、その場の空気が一気に張り詰めました。

「すみません、こちらのマンションに家具を搬入中なのですが、どうしてもここしか止める場所がなくて…自転車は通っていただけるかと思うのですが…」

私がそう言っても、女性は動かず、

「通れません!何のために駐車禁止のコーンが置いてあるのかわかんないの!?」

と、怒り心頭の様子でした。

私は慌てて作業リーダーに電話しました。ドライバーが戻ってくるまで怒鳴られ続けた私は、ただひたすら謝るしかありませんでした。

数分のことでしたが、非常に長く感じる瞬間でした。

周回し続けたトラック

ドライバーが急いで戻ってきてくれましたが、やはり、周囲を見渡してもトラックを止められる場所はありません。

ドライバーは「作業が終わるまで大通りで周回して待つよ」と言い、トラックを動かしました。

私はドライバーの代わりに現場へ入り、作業リーダーとともに家具の組み立て作業を行うことになりました。

作業を終えた私たちは大通りを周回してくれていたドライバーと無事合流。無駄な燃料と時間を使わせてしまい、ドライバーには申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、それ以上に「駐車禁止」という四文字の重さを改めて痛感しました。

駐車スペースへの理解と協力の大切さ

今回の件を通して実感したのは、引っ越しや配送現場での「駐車スペース確保」の難しさです。現場ではできる限り住民の方の迷惑にならないよう配慮し、通行を妨げないように細心の注意を払っています。

それでも、どうしても駐車せざるを得ない場面があるのが現実です。

「駐車禁止」と書かれた場所に止めてはいけないことは重々承知しています。それでも、今回のケースのように、どうしても止める場所がなく、周囲に最大限配慮した上で駐車の判断をすることがあります。

「こんな所に止めるの?」と思うこともあるかもしれません。

しかし、そのトラックが私たちの生活を支える“物流の一端”を担っています。

ほんの少しでもトラックの駐車に理解を寄せてもらえると、配達作業員や引っ越し業者としては非常に助かります。


ライター:しーやん

現在は日本語教師をしながら、ライター業、引っ越し・家財の運搬業務をしております。鉄道、受付、テーマパークなど様々な業種で培った経験をもとに「正しい日本語で心に刺さる文章を」をモットーに執筆中。