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結婚式本番15分前、ピアニストが来ない…!→絶体絶命のピンチを救った、後輩プランナーの“とっさの行動”とは

  • 2025.10.31
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは、元ウエディングプランナーのyukimaruです。

こんなことを言うと不安になってしまうかもしれませんが、結婚式の現場は、トラブルが付きモノ。

結婚式は、目に見えない空間や時間を提供するものであり、一生に一度、そして高額です。やはり、結婚式を仕事にしている私たちとしては、重大な責任を背負っているという思いです。

今回は、結婚式当日の前代未聞なハプニング…それを私の後輩が、みごとに感動シーンに変えてくれた思い出をご紹介します。

おっちょこちょいだけど、熱い想いを持つ後輩プランナー

私が上司として担当していた駆け出しの後輩Mさんは、おっちょこちょいですが、とても情に厚く、まさにウエディングプランナーに向いているタイプでした。

そのMさんが担当することになったのが、新郎Aさんと新婦Bさんというご夫婦でした。

打ち合わせの時に、おっちょこちょいのMさんは発注ミスを起こしてしまい、一度ご夫婦からクレームをいただいていました。

かなりお怒りではあったものの、担当の変更はなく、Mさんで続行。

Mさんも信頼を取り戻すべく、奮闘していました。

その後の準備は順調に進み、信頼も完璧とは言えないまでも、回復してきていました。

結婚式当日の朝、新郎新婦様はMさんに、

「いろいろあったけど、今日までありがとう。ここまでこれたのはMさんのおかげです」と感謝を述べられました。

Mさんもより一層気合いを入れて、結婚式本番に向かいました。

この日の一つの山場は、新郎が新婦にサプライズで企画している歌でした。

ピアノの生演奏をバックに新郎が新婦との思い出の曲を歌うという演出が、披露宴の最後に計画されていました。

この日まで、新郎は忙しい仕事の合間をぬって、練習を重ねていました。

発注済のピアニストが来ないトラブル発生!サプライズが台無しに?

披露宴も終盤にさしかかり、新郎も心なしかそわそわしてプランナーMさんの顔を何度も見ており、Mさんも笑顔で返していました。

サプライズ演奏の15分前…生演奏を依頼していたピアニストが一向に到着しません。

Mさんはおかしいと感じ、何度も電話しますが、繋がりませんでした。

10分前、いよいよ「来ないのではないか…」と不安になり、私も先輩として本社に電話をかけたり、誰か代わりに依頼できる人がいないか電話をしまくりました。

しかし、対応できるという業者がいても、もう10分で到着することはできませんでした。

新郎にまず現状を伝えなければいけない、そして演奏なしかカラオケで…。

プランナーのイチかバチかの立候補「私が演奏します!」

5分前、プランナーのMさんが突然、

「先輩、私ピアノします!していいですかね?」

「え…?」

「あの曲、私も昔弾いたことがあって、先日もなんとなくピアノに触れていたので、自信はありませんが、新郎の想いを無駄にしたくないんです!」

Mさんは、震える手を自分で抑え、いまにも涙がこぼれそうな想いで私に言ってきました。

支配人に相談すると「これで失敗したら、もっと大ごとになるかもしれない」

と言われましたが、後輩Mさんと新郎新婦のことを思い浮かべると、

「なにかあれば、私が上長として責任を取ります」と言い残し、2人で新郎の元へ向かいました。

「生演奏の方が到着していません。こんなギリギリのご相談になり、申し訳ありません。カラオケという方法もありますが、私に弾かせていただけませんか?」

「は?え?どういうこと?」

怒りたい気持ちは山ほどあったでしょうが、もう演奏まで3分、悩んでいられなかった新郎は、

「わかりました、もうやるしかないですから…」

演奏は大成功!新郎新婦の最高の思い出に…

本番、新郎がスポットライトを浴びて登場、ピアノ席にはなぜかプランナー。

新婦Bさんは心底驚いていましたが、感激のあまり、すでに涙を流していました。

私は、会場の片隅で、手を組み、神様に成功をお願いしていました。

演奏が始まり、途中で少しテンポがズレたものの、歌が終わる頃には、会場中が涙に包まれていました。

そして新郎が、歌いながら、ピアノの隣に。

歌い終わって、会場からは割れんばかりの拍手。

新郎は、プランナーMの手をとって、2人で万歳しました。

プランナーMは、緊張のため、手が震えたままで、最高の笑顔を見せていました。

披露宴がお開きになった後、新郎新婦が休んでいる控室をMさんが訪ねました。

新婦Bさんが、本当に驚き感動したことを、もう一度涙を流してプランナーに言いました。

本当のことをMさんの口から告げようとすると、新郎が、

「Mさん、俺たちのために、やってくれたんだよ」と、謝罪を遮ります。

「ほんとうにありがとう」

2人は、Mさんと抱き合い、お互いに感謝を伝えあっていました。

ただの美談にしてはいけない

このMさんの神対応は、結果的に美談です。

しかし、プロとしては、何かあった時のフォロー体制をもう一度しっかり立て直すことを、会議で話し合いました。

今回は良かったものの、まず大前提として、最初の約束を果たすことが大切です。

「事前に何かあったらという予測はしておいて、準備を怠らないこと!」

再度、私も私自身に言い聞かせた出来事になりました。



ライター:yukimaru

ウエディングプランナー10年、ウエディング上場会社の支配人を5年経験し、年間100組以上の結婚式を担当してきました。私にとっては毎週の結婚式、でも、新郎新婦にとってのウエディングプランナーはひとり。一期一会の出会いを大切に、結婚式が終わった新郎新婦の人生も応援し続けています。


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