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残暑も厳しい8月、がんばりたいときは「向日葵(ヒマワリ)」【新連載ー今日花(こんにちばな)通信ー】

  • 2025.8.16

写真/須賀浩二

こんにちは。

吉原友美と申します
縁があって、植物にまつわる仕事についています。
暮らしのなかにひと休みする時間があれば、という思いもあって、「PAUSE(パウズ)」という屋号で活動でしています。出張花屋を運営したり、逗子や葉山でイベントに参加させていただいたり、ワークショップを開催しているのですが、日々花に触れるなかで、「花」を通して、暮らしや心に寄り添う時間を届けたいと思うようになりました。

自分と向き合い、今の気持ちを感じ取りながら、花を選ぶ。
大切な誰かと挨拶を交わすように、自分自身とも「こんにちは」とコミュニケーションを取ってみる。
そんな時間を経て選ぶ花からは、小さな喜びや気づきがあって、明日へのエネルギーをくれるような気がします。

私なりの花の在り方「今日花(こんにちばな)」について、季節折々綴らせてください。

さて、8月も半分折り返し、もう立秋です。
秋の始まりといわれていますが、私はまだまだ終わらない夏を楽しみたくて、向日葵をよく手に取ります。

向日葵に触れていると、ふと小学生だった自分を思い出します。

私の両親は大きなケンカをすることがあって、そんなときに家にいると、当然、居心地は悪い。
あるとき、妹を連れて近所の商店へ出かけたことがありました。

姉妹で暗い顔をしていたのか、ご近所のなじみでだったのか、商店のおば様が軒先のバケツに無造作に入れてあった向日葵を、私たちに「はいっ」とくれました。

お花をもらったことが、そして気にかけてもらえたことが嬉しくて、妹とふたりでウキウキしながら家に帰って、キッチンにあったなんてことはない普通のガラスのコップに、子どもながらに3輪、生けました。

さぁ生け終わった、そのときに、ポロポロとあふれてしまった涙。

両親がケンカしていること、そして自分ではその二人をどうしようもできなかったこと、でも長女で、「お姉ちゃん」だから、泣いてはいけない、甘えてはいけない。
そんな気持ちを小学生ながらに精一杯抱えていたけれど、結局抱えきれずにあふれ出てしまったのかもしれません。

不器用に、それでもぴんと気を張っていようとする私を励ますように、コップのなかで真っ直ぐに伸びる太陽のような向日葵。暑さでしおれても、太陽を目指し、頭をあげるようにして凜と咲く、秘めた強さを感じる花。
向日葵が側にいてくれたから、私は、ようやく自分の弱さを出せるようになったのかもしれません。

大人になった今、がんばりたいとき、「お姉ちゃん」らしさを生かして前進したいとき、私は向日葵を生けます。

種類が豊富な向日葵とハーブを一緒に

編集・文/柳澤智子(柳に風)

この記事を監修した人

「PAUSE」主催 吉原友美

吉原友美

「日々の暮らしの中に、ひと休みできる時間を」 との思いから、小休止を意味する「PAUSE(パウズ)」を屋号に、花の配送、出張生花店、空間装花、ワークショップを開催。神奈川県三浦郡葉山町にアトリエをかまえ、日常と心に寄り添う花を提案する。 撮影/安彦幸枝

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