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工夫して10秒で計算してみて!「100,80,60,40,20,0の数列」→合計は?

  • 2025.11.5
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規則性のある数の列を扱う「数列」の問題は、慣れていない人にとっては難しく見えるかもしれません。

しかし「規則性を見抜いて、それを活用する」という過程は、他の算数や数学の分野とは少し違うミステリアスな魅力があります。

興味を持った人は、ぜひ今回の問題にチャレンジしてみてください。

問題

次の数列の合計を求めなさい。
100,80,60,40,20,0

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「300」です。

数を一つずつ足していって答えを求めてもよいのですが、もっと簡単かつスピーディーに答えを求める方法があります。

次の「ポイント」にてその方法を紹介しますので、ぜひご覧ください。

ポイント

ポイントは、これが「等差数列の合計を求める問題」であると気が付くことです。

等差数列とは、同じ数だけ減ったり増えたりする規則性を持った数の列のことです。後ろの数から前の数を引いた答え(差)がどこでも同じになれば、その数列は等差数列です。

今回登場した数列は、20ずつ減っていますね(例:80−100=−20)。よってこの数列は等差数列だと考えられます。

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等差数列で後ろの数から前の数を引いた答え(差)を公差といいます。また数列の中に含まれている数の個数を項数と呼びます。よって、この数列は、公差−20、項数6の等差数列です。

さて、等差数列には「最初の数と一番後ろの数を足して、数列の項数を掛けてから2で割る」だけで合計が求められるという特徴があります。

つまり、次のように計算できるというわけです。

最初の数は100、一番後ろの数は0で項数は6なので

(100+0)×6÷2
=300

とても簡単ですね!

どうしてこうなるのか不思議だと感じる人は、元の数列と、数の並びを逆にした数列を足すことを考えてみてください。

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二つの数列の和はすべて100になりました。これは、上の数列が20ずつ減っているのに対して、下の数列は20ずつ増えているからです。

例えば100+0=100の次は80+20ですが、これは100−20と0+20を足した式なので、−20と+20が打ち消しあって、結局は100+0と同じ式になるのですね。

一番目の式:100+0=100
二番目の式:80+20=(100−20)+(0+20)=100+0
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よって、二つの数列を足していくと100が6個分(項数と同じ数分)できることになります。あわせて100×6=600ですが、これは数列二つ分の合計になります。よって最後に2で割ると、元の数列の合計が求められます。

(100+0)×6÷2という式を立てる理由が、これで分かりましたね。

まとめ

今回は、等差数列の合計を出す問題にチャレンジしました。

等差数列の合計は、「最初の数と一番後ろの数を足して、項数を掛けてから2で割る」ことで求められます。このやり方を覚えておけば、項数の多い等差数列の合計でもスピーディーに答えを出せますよ。

なお、この計算方法は等差数列以外の数列には使えません。まずは最初に数列が等差数列であるかどうかを確認するのが重要であることも、あわせて覚えておきましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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