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『熟年離婚で失敗しない』ために…知っておきたい3つの“資産分割のコツ”とは?【FPが解説】

  • 2025.8.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

熟年離婚では、長年積み重ねてきた財産の分け方がトラブルのもとになりやすいのです。お互いの生活設計や今後の暮らしに大きな影響を与える資産分割ですが、失敗を避けるためにはどんな点に気をつければいいのでしょうか?この記事では、熟年離婚だからこそ知っておきたい“3つの資産分割のコツ”をわかりやすく解説します。円満な解決のために役立つポイントを押さえて、安心して次の人生を歩みましょう!

熟年離婚で資産分割が難しい理由と押さえるべきポイント

熟年離婚とは、一般的に50代以上での離婚を指し、人生の後半に向けた大きな決断です。この年代の離婚では、住宅ローンや年金、貯蓄、不動産など、様々な資産が絡んでくるため、単純に均等に分ければいいというわけにはいきません。

まず押さえておきたいのが“共有財産の範囲と価値の把握”です。結婚期間中に得た貯金や不動産は共有財産にあたり、その評価額を正しく把握しなければなりません。加えて、夫婦それぞれの年金権も資産分割の対象となり、年金分割を申請しないまま離婚すると将来の生活に影響が出ることもあります。

また、熟年層は新たな収入源を得る機会が限られるため、資産分割後の生活設計を具体的にイメージしながら話し合うことが求められます。感情的になりがちな離婚でも、冷静に経済面の将来像を描くことが失敗しないコツのひとつです。

熟年離婚の準備で特に知っておきたい3つのこと

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

熟年離婚の資産分割で失敗しないために、特に知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. 資産の“見える化”を徹底する
    まずは夫婦が所有する全ての資産をリストアップし、金額や負債などを明確にしましょう。資産には貯蓄等だけではなくローンや保険の支払いなども含まれるので慎重に。

  2. 年金分割を活用する
    熟年層の生活に占める年金の割合は大きいため、年金分割を確実に申請することが欠かせません。夫もしくは夫婦ともに厚生年金に加入していたり、その他の条件があえば離婚後も受給権は配偶者のものとして取り扱われるため、将来的な収入の安定につながります。

  3. 住宅や不動産の取り扱いを慎重に決める
    長年の生活の基盤となる住まいがある場合、売却かどちらかが住み続けるかの選択は非常に重要です。売却して現金化する方法もあれば、片方が住み続けるかわりに相手に財産分与金を支払う方法など、双方が納得できる形を目指しましょう。不動産の評価は専門家の鑑定を利用することが、納得のいく合意につながるでしょう。
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出典元:石坂貴史

これらのポイントは専門家の意見を取り入れつつ、夫婦間でできるだけオープンに話し合うことが大切です。弁護士やファイナンシャルプランナー(FP)のサポートを受けると、法律的にも経済的にも安心です。

円満な熟年離婚を目指すために大切な心構えとまとめ

熟年離婚は人生の大きなターニングポイント。資産分割の失敗は後々の生活に深刻な影響を及ぼしかねません。だからこそ、資産の正確な把握、年金分割の活用、そして住宅などの不動産の扱いについて、時間をかけて納得できる形をつくりましょう。

さらに、感情だけでなく将来設計を冷静に考える必要があります。専門家の助言を取り入れながら話し合う姿勢が、失敗を避ける大きなポイントになります。これらの“3つの資産分割のコツ”をしっかり押さえて、熟年離婚を新たなスタートのための賢い選択にしてください。


監修者:石坂貴史

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証券会社IFA、2級FP技能士、AFP、マネーシップス運営代表者。1,000件以上の金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。金融、経済、不動産、保険、相続分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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