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食べてシェイプアップ! エネルギー代謝を高める10の食材

  • 2025.7.23

「代謝がいいという状態は、日々の食事の栄養バランスが整っていて、食事や睡眠といった生活のリズムが安定していることにより実現されます。ごくシンプルなことではありますが、基本的にはカロリーの消費量より摂取量が多いと脂肪がつきやすくなり、体型維持が難しくなります。大前提として、日々の総カロリーの収支を体重計測などで把握することは基本の習慣にすると良いでしょう」。食事と代謝の基本的な関係についてこう説明するのは、管理栄養士であり、公認スポーツ栄養士の資格も持つ柴田麗先生。

全体の栄養バランスが重要であるが、特に効率的に脂肪を燃焼させたり、引き締まった体型のために役立つ食品というのはあるのだろうか?「大きく分けて動物性・植物性のタンパク質発酵食品ビタミンB群食物繊維が豊富な食材などがあります」

ここからは効率的な代謝を助ける10食品をラインナップ。目安となる摂取量は、性別や活動量によって異なるため、一律で定めることは難しいそう。目安量の記載があるものは、参考までに厚生労働省が定める18歳~69歳の一般的な活動量の女性の食事摂取基準から算出した。

鳥むね肉

「筋肉を維持しつつ、活動量を高めるためには、タンパク質が豊富な鳥のむね肉はおすすめ。もも肉でも構いませんが、皮のところに脂肪が多く含まれるので、取り除くと高タンパク・低脂肪になります」。タンパク質は一日あたり50g程度摂ることが望ましいとされているため、鳥むね肉の場合、一食あたり70g少々摂ればよいということになる。

「直接的に体脂肪を燃焼させるといった作用はありませんが、EPAやDHAという脂肪酸が豊富に含まれており、血中の脂質を下げる働きが期待できますので、結果的に脂質代謝を亢進させます。特に鮭は低脂質でビタミンDも豊富なためおすすめです」。鮭の場合、80g程度を目安に。

「卵は必須アミノ酸に加え、脂質代謝に必要なビタミンB群が豊富に含まれています。一般的にタンパク質を摂取すると体温が上がり、代謝を助けることにつながりますので、朝食に取り入れるのもよいでしょう」。卵一個あたりのタンパク質は約6~8g程度。

豆類

「納豆に代表される大豆製品に含まれるソイプロテインは、DPAやEHAと同様に血中の脂質を下げると言われています。動物性タンパク質と植物性タンパク質は、どちらを摂取してもOK。タンパク質を構成するアミノ酸の組成が食品によって異なり、動物性にはカラダに必要なアミノ酸がバランスよく含まれているので、栄養価が高いとされていることが多いです。ただし、動物性脂肪を摂取し過ぎると動脈硬化などのリスクが高まるため、両者をバランスよく摂るのがおすすめです」。納豆の場合、1パックで約8.4gのタンパク質が含まれている。

キムチ

「代謝を上げるという観点で、キムチは代謝に働きかける成分であるカプサイシンが入っているうえ、発酵食品で整腸作用もあるため、取り入れたい食品です」。塩分が多いため摂りすぎには気をつけたいが、箸休めとして導入するのはよさそうだ。

豚肉

「ビタミンB群が豊富。ビタミンB群は、糖質やたんぱく質、脂質の代謝に使われます。体脂肪の蓄積を避け、脂肪をエネルギーに変えるために、不足しないように心がけましょう」。部位によってタンパク質の量に差はあるが、脂質が少ないもも肉の場合、一食あたり90g弱程度が目安。

玄米

「玄米は白米よりもビタミン B群が豊富で、食物繊維も摂れます。ただ、匂いが苦手だったり、噛む回数が増えて疲れるといった点が気になる方は、毎日無理なく続けるために、普段の白米にブレンドするのがよいでしょう。他のおかずからもビタミンB群は摂れますので、必要以上に神経質に摂取する必要はありません。日々、できる範囲で取り入れてみて」

オートミール

「玄米と同様に、食物繊維が豊富。現代人は穀物からの食物繊維の摂取が減っていると指摘されています。繊維質が多いオートミールは、摂取量を増やすためにぜひ」。厚生労働省によると、1950年頃よりも穀類やいも類、豆類の摂取量が減り、結果的に平均食物繊維摂取量は減少しているとされる。一日に18g以上を目安に摂りたい。一般的なオートミールの場合、一食分30gあたり2.8g程度の食物繊維が含まれている。

雑穀類

「こちらも食物繊維の摂取量を増やすためにおすすめです」。アワ、ヒエ、キビに加え、大豆や小豆、アマランサスやキヌアといった穀物が該当。さまざまな雑穀がブレンドされ、適量が小分けパッケージになっている製品なども市販されているため、普段の白米に加えてみよう。

カフェイン

「コーヒーやチョコレートなどに含まれている成分のカフェインには、脂質、脂肪分解の作用があるといわれています。ただし、カフェインを摂って夜眠れなくなる人と、寝る直前に飲んでも熟睡できる人がいるように、その効果は人によって異なるようです。体脂肪の燃焼を目的とするなら、運動前に摂取してみるといいかもしれません」

代謝効率を下げる食材はある?

積極的に摂りたい食材に対して、反対に脂肪燃焼の効率を下げる食品や食材はあるのだろうか。「基本的に、特定の食材が代謝を下げるということはないのですが」と前置きしつつ、「砂糖の過剰摂取には注意しましょう」と柴田先生はアドバイス。

「砂糖は代謝を下げる食品なのか?と質問されることがあります。YESと断定できる科学的根拠はないもの、過剰に摂取することで血糖値の急激な上昇を引き起こしインスリンの分泌が促されることにより、脂肪の分解が抑えられるということは考えられます。また長期的には、インスリン抵抗性を引き起こす可能性も指摘されているのも事実。そういった点から、代謝や脂肪の燃焼効率に対して、間接的にマイナスの影響があるという見方はできるでしょう」

砂糖に限らず何事も過ぎないように……がポイントだが、そのうえでボディメイク健康のため、避けるべき生活・食習慣については以下の通り。

  • 極端な食事制限
  • たくさん運動しているのに食事を抜く
  • 食べる時間がバラバラ
  • 血糖値を上げる食品のドカ食い

「極端に食事量を制限して筋肉量が落ちてしまったり、たくさん運動をしてカロリー消費をしているにも関わらず朝食を抜いてしまったりすると、代謝を落とす要因になり得ます。また、食事そのものも重要ですが、生活リズムの影響はかなり大きいと考えられます。ライフスタイルによって食事のタイミングや分量に差はあってよいので、なるべく毎日同じくらいの時間に食べることを心がけましょう」

また、砂糖については前述のとおりだが、「脂肪蓄積予防のためには血糖値のアップダウンが激しい状態も避けたいので、急激に血糖値が上がらないような食べ方の工夫は大事ですね。甘いものをドカ食いしないことはもちろん、血糖値を上げにくい低GI値の食品を味方につけるなどして、なるべく一日を通じて血糖値を安定させると良いでしょう」

Profile

柴田麗

管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士。筑波大学大学院修士課程修了後、食品会社にて数々のトップアスリートの栄養サポートに携わる。独立後は栄養とスポーツを専門に、監修や講演、著述を行いつつ、専修大学スポーツ研究所客員研究員としても活動中。近著に『ジュニアのためのスポーツ栄養』(Gakken)。

Text: Kiriko Sano Editor: Rieko Kosai

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