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5秒で計算してみて!「81×89」→暗算できる?

  • 2025.9.6
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一桁どうしの掛け算は、九九を覚えていればすぐに答えが出せます。一方、二桁どうしの掛け算は、「筆算でないと計算できない」と考えてしまうかもしれませんね。

しかし、「ある特徴」を持った掛け算であれば、わずか数秒で計算することができるのです。

今回はこのような二桁どうしの掛け算を素早く計算する方法を解説します。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
81×89

※制限時間は5秒です。

解答

正解は、「7209」です。

「制限時間が短すぎる」と感じた人は、ぜひ、次の「ポイント」をご覧ください。

この問題をあっという間に計算する方法を紹介していますよ。

ポイント

ポイントは、「十の位が同じで、一の位を足すと1+9になる二桁の掛け算」という掛け算の特徴に注目することです。

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このような形の掛け算は、次のステップで簡単に計算できます。

ステップ0:掛け算を80×80と1×9に分解する
ステップ1:80の一つに10を足して90にして掛ける →90×80=7200
ステップ2:一の位どうしを掛ける →1×9=9
ステップ3:ステップ1とステップ2の答えを足す →7200+9=7209

ステップ1では80に10を足した90と80の計算を行います。ステップ2では、掛けられる数と掛ける数の一の位をそのまま掛けます。後はこの二つを足せば答えが出ます。この暗算方法は、インド式計算法の一種として知られています。

インド式計算方法がどうして成り立つのか、考えてみよう

まるで魔法のようなインド式計算法ですが、この方法が成り立つ理由は、日本の学校で習う計算ルールを使って説明できますよ。

まずは、「81×89」を「80+1」と「80+9」の掛け算に分解します。

81×89
=(80+1)×(80+9)

ここで「分配法則」を使います。

<分配法則1>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■

分配法則とは、「二つの数を足してからある数を掛けること」と「二つの数にある数を掛けてから足すこと」は同じであるという法則です。

(80+1)を〇、80を▲、9を■としてみると、次のように式を変形できます。

(80+1)×(80+9)
=(80+1)×80+(80+1)×9  ←(80+9)の中の数字に(80+1)をバラバラに掛けて足す

また分配法則は、次の形でも成り立ちます。

<分配法則2>
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇

今度はこの分配法則を使って、式の( )を消しましょう。

(80+1)×80+(80+1)×9  ←(80+1)×80と(80+1)×9に分配法則を使う
=80×80+1×80+80×9+1×9

分配法則のイメージは、次の通りです。

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ここで、「1×80」を「80×1」にします(掛け算では順番を変えても答えは変わりません)。

80×80+1×80+80×9+1×9
=80×80+80×1+80×9+1×9

「80×1」と「80×9」は掛ける数が共通なので、1と9をまとめて( )でくくることができます。分配法則を逆方向に見ると、この変形ができることが分かりますよ。

<分配法則の逆>
〇×▲+〇×■=〇×(▲+■)

80×80+80×1+80×9+1×9
=80×80+80×(1+9)+1×9
=80×80+80×10+1×9

最後にもう一度、分配法則の逆を使って、同じ80が掛けられている「80×80+80×10」をまとめます。

80×80+80×10+1×9
=80×(80+10)+1×9
=80×90+1×9

「80×90」を計算し、「1×9」と足す式ができました。これは、インド式計算法で登場した式の形そのものですね。

このように分配法則を駆使することで、インド式計算法の背景が見えてきます。

まとめ

「十の位が同じで、一の位を足すと1+9になる二桁の掛け算」は、次の手順で暗算できます。

(a×10+b)×(a×10+c)の掛け算(b+c=10の場合)
※aは十の位、bとcは一の位の数字を表す

ステップ1:a×10×(a+1)×10を計算する
ステップ2:一の位どうしを掛ける→b×c
ステップ3:ステップ1とステップ2の答えを足す

この暗算方法を覚えておけば、一見筆算なしでは計算できそうもない二桁の掛け算でも、すぐに答えを出せます。

インド式計算法に興味のある人は、他にどんなパターンの暗算方法があるのかを調べてみましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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