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工夫して10秒で計算してみて!「−2÷(−2)×(−2)÷(−2)」→正しく計算できる?

  • 2025.9.4
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今回は、同じ負の数が繰り返し登場する計算問題にチャレンジです。

「負の数」という部分にとらわれすぎないのが、簡単に答えを出すコツです。

どのような工夫をするとよいのか、考えてみましょう。

問題

次の計算をしなさい。
−2÷(−2)×(−2)÷(−2)
※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「1」です。

久しぶりに見た負の数に、戸惑ってしまった人もいるかもしれませんね。

実はこの問題、負の数の計算ルールを知らなくてもスピーディーに答えを出せるのです。

次の「ポイント」で、計算方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題を素早く計算するポイントは、「式を分数形式で表すこと」です。

具体的に言えば、次のように式を変形します。

−2÷(−2)×(−2)÷(−2)
=−2/1÷(−2/1)×(−2/1)÷(−2/1)
=−2/1×(1/−2)×(−2/1)×(1/−2)  ←割る数の逆数を掛けて式を掛け算のみにする
=(−2)×(−2)/(−2)×(−2)  ←分子どうし、分母どうしを掛ける

分数の掛け算は、分子どうし・分母どうしを掛ける、分数の割り算は割る数の逆数(分子と分母を逆にした数)を掛けるというルールだったので、×(−2)は分子に、÷(−2)は分母に掛ける形にします。

この掛ける数は分子に、割る数は分母に掛けるという流れに慣れておくと、一発で次のような変換ができるようになります(下の画像を参考にしてください)。

−2÷(−2)×(−2)÷(−2)
=(−2)×(−2)/(−2)×(−2)

 

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さて、こうしてみると、分子に(−2)×(−2)、分母に(−2)×(−2)と同じ数があるのが分かります。

分数は、分子と分母を同じ数で割る「約分」をしても大きさは変わりませんので、分子と分母を(−2)×(−2)で割ると、答えの1がすぐ出てきます。

(−2)×(−2)/(−2)×(−2)  ←分子と分母を同じ(−2)×(−2)で割る
=1/1
=1

この方法なら、負の数の計算ルールを知らなくても、「分数は分子と分母を同じ数で割っても大きさが変わらない」という知識一つで答えが出せます。

【別解】負の数の掛け算・割り算ルールを使って計算する

一般的な負の数の掛け算と割り算を行った場合の計算方法も確認しておきましょう。

負の数の掛け算・割り算では、答えの符号を次のルールで決めます。

<答えの符号の決め方(掛け算・割り算編)>
・同符号どうしの掛け算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1、−1÷(−1)=1
・異符号どうしの掛け算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1、−1÷1=−1

このルールに従い、問題を左から順番に(※)計算してきましょう。

−2÷(−2)×(−2)÷(−2)  ←同符号どうしの計算
=1×(−2)÷(−2) ←異符号どうしの計算
=−2÷(−2)  ←同符号どうしの計算
=1

これで答えが出せました。

※掛け算と割り算の場合は、計算の優先度に差がないので左から順に計算します。

まとめ

今回は「繰り返し同じ数が登場する」式の特徴に注目することで、計算を簡単にできました。

式を分数に直し(掛ける数は分子、割る数は分母に掛ける)約分をすれば、負の数の計算ルールを知らなくても、今回の問題の答えを出せます。

この分数の計算ルールは、いろいろな場面に応用できます。他の計算にも使えないか、考えてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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