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【梅シロップ作り】梅酒より簡単!材料はたった2つ!自家製・梅シロップ《仕込みのコツ》を栄養士ライターが解説

  • 2025.6.24

初心者向け「梅仕事」は「梅シロップ」

梅シロップは「梅仕事」初心者にピッタリ!
梅シロップは「梅仕事」初心者にピッタリ!

「梅雨」のシーズンがやってきました。一説には、梅の実が熟す時期に雨季に入ることから「梅雨」と呼ばれるようになったとか。6月になると、野菜売り場などでおいしそうな青梅を見かける機会も増えます。年に一度の「梅仕事」のチャンスです。この記事では、「梅仕事」の中でも難易度が低く、子どもさんからご高齢の方まで楽しめる「梅シロップ」の作り方をお伝えします。

「青梅」「氷砂糖」があればスグ仕込める!

「梅シロップ」作りに必要な材料は、2つだけ。梅の実、氷砂糖です。熟す前の実がしっかりとした青梅、やや熟した黄梅がありますが、初心者の方には青梅がおすすめです。梅の実は傷があると梅エキス以外の不純物が出て濁りやすくなるため、傷がないものを選ぶようにしましょう。また、砂糖は上白糖やきび砂糖でも構いませんが、氷砂糖は溶けるスピードが遅いため、梅のエキスをよく引き出すメリットがあります。

保存容器は耐熱性のガラス容器がベスト

▲青梅と氷砂糖、保存容器があれば、すぐに仕込めます!
▲青梅と氷砂糖、保存容器があれば、すぐに仕込めます!

保存容器は密封性が高いガラス製が長期保存に適しています。梅の重量の約3~4倍の容量(例:梅1kgを仕込むなら3~4L)を準備しましょう。耐熱性のガラス容器であれば煮沸消毒ができて、よりおすすめです。煮沸消毒が難しい大きいサイズの瓶は、消毒用エタノールを使って瓶の中を拭いて消毒しておきましょう。ホワイトリカーや焼酎で消毒する方法もありますがアルコール度数が低いため、エタノールよりも殺菌力は劣ります。消毒後は、よく乾かしてから仕込むようにしてくださいね。

用意する梅と氷砂糖は1:1の重量比

【材料】(出来上がり約2リットル)・青梅…1kg・氷砂糖…800g~1kg (好みで調整を)

【作り方】(1)青梅を流水で優しく洗い、ザルにあげて水気を切ります。さらに、キッチンペーパーで梅の表面に残っている水気を1個ずつよく拭き取ります。

(2)竹串で青梅のヘタ(実が枝についていた部分)を1個ずつ丁寧に取り除きます。できれば仕込みたい前日にここまでやっておき、一晩放置して梅の実の表面の水分を完全に飛ばしましょう。

▲青梅のヘタ取り。竹串を使うとスポッと抜けやすいです。
▲青梅のヘタ取り。竹串を使うとスポッと抜けやすいです。

(3)保存瓶に青梅→氷砂糖の順に入れ、保存瓶のフタをしっかり密封します。温度変化の少ない冷暗所に保存すれば仕込み完了です。

▲仕込み直後(左)、2週間後(中央)、1カ月後(右)。
▲仕込み直後(左)、2週間後(中央)、1カ月後(右)。

(4)氷砂糖が完全に溶けたら(3~4週間程度)、梅の実を取り出し、完成です。梅シロップを清潔な瓶や容器に移し、冷蔵庫で保存します。

▲完成した梅シロップ(左)と梅ジャム(右)。
▲完成した梅シロップ(左)と梅ジャム(右)。

(5)取り出した梅の実は梅ジャムにアレンジすると、ムダなく食べられます。鍋に梅の実、砂糖(梅の重量の10%が目安)、水(梅の重量の20%が目安)を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして梅の実を崩しながら(種から実をはがす感覚)20分程度煮詰めます。種を除き、清潔なジャム瓶に移しましょう。

小さなお子さまがいるご家庭での梅仕事の注意点

なお、1つだけ注意点があります。未成熟な青梅には有害物質(青酸配糖体のアミグダリン)が含まれ、生のままで食べると中毒を起こす可能性があります。梅シロップに限らず、梅仕事をする際には小さい子どもさんが誤って青梅を口にしないように注意してください。この有害物質は梅の実が熟すにつれ、また、砂糖やお酒、塩などで漬けて加工をすると無毒化されてゆくので安心してください。

まとめ

▲お風呂上がりや運動後の梅シロップサイダーは、生き返るようなおいしさです。
▲お風呂上がりや運動後の梅シロップサイダーは、生き返るようなおいしさです。

梅シロップの飲み頃は、仕込んでから1カ月後。そろそろ梅雨が明け、夏本番を迎える頃と重なります。梅に含まれるクエン酸には、体内の疲労物質(乳酸)を分解して筋肉にたまるのを防ぎ、疲労回復を促す働きがあります。夏バテ予防に、ご家族で楽しんでいただけたら嬉しいです。完成した梅シロップは、氷を入れたグラスに注いで炭酸水で割ると、とてもおいしいですよ。また、かき氷のシロップにもおすすめです。

※参考文献:谷口亜樹子編著『食品加工学と実習・実験』光生館,2020、三輪正幸監修「からだにおいしいブルーツの便利帳」高橋書店,2015、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019

(野村ゆき)

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