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意外に間違える人が多いかも…?「√12と4」→どっちが大きい?

  • 2025.7.21
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分数・小数・整数などなど、数にはいくつもの種類があります。そして種類の違う数を比べる問題は、算数でも数学でも出題されます。

今回は、√のついた数と自然数を比べてみましょう。

問題

次の二つの数、どちらが大きいですか。
√12と4

そもそも√とは何だったのかを考えると、答えの出し方が見えてくるかもしれませんよ。

解答

正解は、「4」です。

見た目だけだと4よりも12の方がずっと大きいと感じるかもしれませんが、12には√が付いているため、少し事情が変わります。

では、√付きの数と自然数(正の整数)の大きさはどうやって比べたらよいのでしょうか。

次の「ポイント」で、確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「二つの数の形をそろえること」です。

この問題には二つの解法が存在しますが、どちらの場合でも重要になるのが√12という数の意味です。

√12とは、「二乗(同じ数を二個掛け合わせること)すると12になる正の数」を表しています。

つまり(√12)^2=√12×√12=12が成り立ちます。
※a^2はa×aのことです。

このように√a(a>0)は、二乗するとaになる数を表しています。

このことを念頭において、二つの解法をそれぞれ確認してみてください。

解法1:√付きにそろえる

最初に紹介するのは、二つの数を√付きの形にそろえる解法です。

a>0、b>0のとき、√aと√bの大きさを比較したいなら、√の中の数aとbの大小を考えればOKです。

a>0、b>0のとき
a>b→√a>√b

4を√付きの形に直せば、√12と比較ができます。

ここで√aは二乗するとaになる正の数だったことを思い出してください。

「4^2=4×4=16」ですから、4は二乗すると16になる数です。つまり4=√16が成り立ちます。

16>12なので、√16>√12、つまり4>√12だと分かります。

解法2:√を取り除く

もう一つの方法は、√12から√を取り除く方法です。

以下のように、0以上の数を二乗して比較した結果は、二乗する前の数を比較した結果と一致します。

a≧0、b≧0のとき、a^2≧b^2→a≧b

√12も4も0より大きな数なので、この性質が利用できますよ。

まず、√12を二乗しましょう。先に説明した通り√12×√12は12になります。

次に、4の方も二乗をします。4^2=4×4は16ですね。

4^2=16
(√12)^2=12
16>12
→4>√12

よって4の方が大きいことが分かります。

まとめ

今回の問題では、自然数と√の付いた数の比較をしました。

√の付いた数の多くは、自然数では表せない「無理数」と呼ばれる数です。無理数を自然数と比較する方法は二つあります。

まず、自然数を√付きで表す方法です。自然数nを二乗して√付きの形に直してから(√n^2)、無理数と比較します。√の中の数の大小は、元の数の大小と一致します。

もう一つは無理数を二乗する方法です。このとき、自然数の側も二乗してから数を比較します。二乗した数の大小は、元の数の大小と一致します。

どちらの場合でも、一方の数を他方の数の形に合わせています。問題によってどちらがやりやすいかは変わってきます。二つの解法を臨機応変に選択できるようになりましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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