どうやって計算するか覚えてる？「5^6÷5^4×2」→10秒でチャレンジ

今回は、累乗が混じった計算問題にチャレンジしてみましょう。

一見ややこしそうに見えるかもしれませんが、累乗の意味を思い出せば、スピーディーに計算ができるかもしれませんよ。

できるだけ簡単に答えを出すにはどうすればよいか、考えてみてください。

問題

次の計算をしなさい。
5^6÷5^4×2

※制限時間は10秒です。
※当メディアでは、「5の6乗」のような累乗は「5^6」と表記しています。

正解は、「50」です。

「累乗」の計算方法を思い出せても、制限時間が短すぎて計算しづらいと感じたかもしれません。

次の「ポイント」で、この問題の計算過程を「できるだけ簡単に計算する方法」と合わせて解説していきますね。

この式を簡単に計算するポイントは、「5^6÷5^4の指数どうしを引き算すること」です。

まず、累乗と「^」の記号の意味について確認しておきましょう。

累乗とは、「同じ数を何個か掛け合わせる計算のこと」です。何個掛け合わせるかは「指数」という数で表します。指数は通常掛け合わせる数の右上に小さく書きます。ただし、上付き文字が使えないテキストでは「^」を使って指数を表します。このテキストでも指数は「^」で表現します。

一見難しそうに見える累乗ですが、その正体は同じ数を掛け合わせているだけなので、実際に計算するときは掛け算に直せばよいのです。

例：
2^3
=2×2×2
=8

ただし、指数が大きくなってくると、掛け算をするのもなかなか大変になります。

今回の問題に登場する累乗は「5^6」と「5^4」ですが、5を6個掛け合わせるのも、4個掛け合わせるのも時間がかかりそうですね。

5^6÷5^4×2

実は、掛け合わせる数が同じ累乗どうしの割り算は、指数どうしを引き算すればよいのです。

a≠0で、mとnが整数のとき
a^m÷a^n=a^(m−n)

今回でいえば、指数6から指数4を引いた数を5の累乗の指数とすれば、割り算が完了します。

具体的には、次のように計算をします。

5^6÷5^4×2
=5^(6−4)×2
=5^2×2
=5×5×2
=50

これで答えが出ましたね。

累乗の割り算が指数どうしの引き算になる仕組みは、割り算を分数で表すと分かりやすくなります。

まず、累乗をいったん掛け算に直してみましょう。

5^6=5×5×5×5×5×5
5^4=5×5×5×5

割り算は「割られる数/割る数」という分数で表せます。「5^6÷5^4」なら「5^6/5^4」です。

5^6÷5^4
=5^6/5^4
=(5×5×5×5×5×5)/(5×5×5×5)

さて、分数では分子と分母を同じ数で割っても大きさは変わらないのでした。

そこで分子と分母を共に5で割って約分していきます。分子と分母、どちらも5では4回割れますね。分母は5で4回割ると1になり、分子には5×5が残ります。

(5×5×5×5×5×5)/(5×5×5×5)
=(5×5)/1
=5×5
=5^2

このように分子と分母を「5^4」で割る過程で、分母の中の「5^4」は消え、「5^2」だけが残ります。また分母は1になるので、指数だけを見ると「6−4」の引き算が行われているように見えますね。

これが累乗の割り算が指数の引き算になる仕組みです。

今回の問題はいかがだったでしょうか。

同じ数の累乗の割り算では、割られる数の指数から割る数の指数を引いて計算することができます。

a≠0で、mとnが整数のとき
a^m÷a^n=a^(m−n)

指数が大きくて累乗の計算をしづらいときでも、このルールを覚えておけば計算が楽になるでしょう。

なお、今回取り上げたこのルールは「指数法則」と呼ばれる法則の一部です。気になる人は、他の指数法則についても調べてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

もう一問挑戦！

どうやって計算するか覚えてる？「(−10)^3÷(−10)」→正しく計算できる？