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これどうやって計算するか覚えてる?「8÷0.8」→正しく計算できる?

  • 2025.6.25
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一人当たりの個数や値段を求めるときに、便利な割り算。日常でも使う機会がけっこう多いものです。

しかし、「小数で割る」割り算をすることはあまりないのではないでしょうか。

小数で割るにはどう計算すればよかったのか、あいまいになっている人はぜひ今回の問題にチャレンジしてみましょう。

問題

次の計算をしなさい。
8÷0.8

解答

正解は、「10」です。

どうやって計算すればよいか、思い出せたでしょうか。

次の「ポイント」で、小数で割るときの計算方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「割る数を整数にすること」です。

割る数が小数だと計算がしづらいので、まず割る数0.8を10倍して8にしてから割り算をするのです。

しかし、割る数だけを10倍にすると式の意味が変わってしまいます。そこで、割られる数の方も10倍にします

  8÷0.8
=(8×10)÷(0.8×10)

実は、割られる数にも割る数にも同じ数を掛けて計算すると、割り算の答えは元の式と変わらなくなるのです。

割られる数と割る数に10を掛けると、式は整数どうしの単純な割り算になりますので、計算は簡単です。

  (8×10)÷(0.8×10)
=80÷8
=10

これで10という答えが出ましたね。

ところで、小学校では「割られる数と割る数の小数点を右に移動する」という割り算の方法を習ったかもしれません。これは10の倍数を掛けることを、小数点の移動で表した方法といえます。

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どうして割られる数と割る数に同じ数を掛けても答えが同じになるの?

最後に、割られる数と割る数に同じ数を掛けても答えが変わらない理由を解説します。

割り算は、「割られる数/割る数」という分数で表せます。分数は、分子と分母に同じ数を掛けても、数の大きさは変わりませんでしたよね。つまり、割られる数(分子)と割る数(分母)に同じ10の倍数を掛けても、表している数は変化しません

今回の問題では、次のように変換が行われていると考えてください。

  8÷0.8
=8/0.8  ←分数に直す
=(8×10)/(0.8×10)  ←分子と分母に同じ10を掛ける
=(8×10)÷(0.8×10)  ←もう一度割り算に直す
=80÷8
=10

このように考えれば、一見違う式に見える「8÷0.8」と「80÷8」が同じ計算を表していることが分かりやすくなりますね。

まとめ

今回は、割る数が小数の計算問題にチャレンジしました。

割る数が小数のときは、割る数が整数になるまで10の倍数を掛けます。今回は割る数が0.8だったので、10を掛けて整数の8にしました。このとき割られる数の方にも同じ10の倍数を掛けてから割り算をします

もし割る数が、0.01のように百分の一の位までの小数であれば100を、0.001のように千の一の位までの小数であれば1000を掛けて整数にします。ただし、どちらであれ割られる数の方にも同じ数を掛ける必要があることを忘れないでください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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