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料理に欠かせないオイルの選び方と使い方の正解とは? 管理栄養士が徹底解説

  • 2025.5.25

キッチンに立つのが好きな人も、SNSで話題の“秒レシピ”が中心という人も、料理の腕前にかかわらず、誰もが意識して選ぶべき食材がある。それが「オイル」だ。なんとなく家にあるものを使っているという人も多いかもしれないが、実はオイルの種類によって加熱できる温度も、料理の風味も、仕上がりも大きく変わってくる。

どんなオイルを選ぶべきかは、目的や使い方によって異なる。そこで今回は、マウントサイナイ・ヘルスシステムの臨床栄養コーディネーター、ペリ・ハルペリン氏と、セントル所属の登録栄養士、アンジー・アッシュ氏の二人に、正しいオイル選びについて詳しく話を聞いた。

料理におすすめのオイルとは? 専門家が選ぶ「ゴールドスタンダード」な3本

「調理に適したオイルを選ぶ際の鍵は、“不飽和脂肪酸”を含み、かつ高温調理にも耐えられる“スモークポイント”の高いものを選ぶことです」と話すのは、管理栄養士のペリ・ハルペリン氏。不飽和脂肪酸とは、いわゆる“体に良い脂”のこと。一方でスモークポイントとは、オイルが安定性を失い、煙を出し始める温度のことを指す。

オイルがこの温度を超えると、酸化が進み、体に悪影響を及ぼす可能性のあるフリーラジカルが発生するほか、アクロレインという肺に有害な物質が発生することもあるそう。「アクロレインは、料理の風味も損ねます」とハルペリン氏は語る。

では、どんなオイルを選ぶべきなのか? ハルペリン氏とアッシュ氏の両名が太鼓判を押すのは、オリーブオイル、アボカドオイル、そしてごま油の3つ。アッシュ氏が特に勧めるのが、香り高く、料理に深みを与えるごま油だ。

Olive oil in vintage bottles with black and green olives and leaves copyspace on rustic background
Olive oil in vintage bottlesOlive oil in vintage bottles with black and green olives and leaves copyspace on rustic background

以下は、この3種のオイルが「料理のゴールドスタンダード」と称される理由だ。

  1. オリーブオイル 万能で安心感のあるヘルシーオイル

    オリーブオイルが調理に適している最大の理由は、「スモークポイントの高さにあります」とハルペリン氏は語る。そのスモークポイントはおよそ175度で、家庭でよく使われる加熱温度帯にしっかり対応できるため、炒め物から焼き菓子まで幅広い料理に安心して使える。さらにオリーブオイルは、栄養価の高さでも注目されている。「ポリフェノールやビタミンEといった抗酸化成分が豊富に含まれていて、全身の健康をサポートしてくれます」とアッシュ氏。ハルペリン氏も、がんや炎症から体を守る効果があるとされる“オレイン酸”が含まれていることを評価する。加えて、代謝異常症候群や2型糖尿病といった生活習慣病のリスク軽減にも役立つ成分が含まれていることから、美容と健康の両面で頼れる存在といえる。
  2. アボカドオイル 高温調理もOKな栄養満点オイル

    「高温調理に強く、かつ健康にも良いオイルを探しているなら、アボカドオイルが最適です」とハルペリン氏。そのスモークポイントは約270度と非常に高く、焼き物や炒め物など強火での調理にも安心して使える。さらに、オリーブオイルと同じくオレイン酸を含んでおり、代謝異常症候群の予防やコレステロール値の改善、ひいては心疾患リスクの低減にもつながるとされている。「ビタミンEや抗酸化物質、一価不飽和脂肪酸も豊富です」とアッシュ氏も補足する。
  3. ごま油 香りと機能性を兼ね備えたアジアンオイル

    ごま油は、中〜高温の調理に対応できる約210度のスモークポイントを持ち、香り高い風味に加えて、健康面での恩恵も大きい。「セサモールやセサミノールといった抗酸化成分が含まれていて、血糖値の安定化や脳神経の保護に役立つ可能性があります」とハルペリン氏は説明する。どれも料理の風味を引き立てながら、美容と健康をサポートしてくれる頼れる味方。目的や調理法に応じて、賢く選びたい。

料理には不向き? 避けたいオイルとは

では逆に、調理にあまり適していない“ワーストオイル”とはどのようなものなのか? そのひとつが、スモークポイントが極端に低いオイルだ。「加熱調理にほとんど向かないため、用途が限られます」とハルペリン氏。たとえば亜麻仁油やクルミ油などのナッツ系オイルは、スモークポイントが約103度とかなり低め。これらは加熱せず、サラダのドレッシングや冷製料理に使うのが正解だ。

また、魚油や藻類オイルといった一部のオイルは、そもそも加熱を前提としていない。ハルペリン氏によれば、「これらはオメガ3脂肪酸を摂取するためのサプリメントとして使われるもので、加熱調理に使うべきではありません」とのこと。オイルとしての使用は“冷たいまま”が鉄則だ。

さらにアッシュ氏が避けるべきと指摘するのが、大豆油とコーン油。どちらも加工度が高く、栄養価に乏しいうえに、オメガ6脂肪酸を多く含んでいる点に注意が必要。「オメガ6を過剰に摂取すると、体内で炎症を引き起こし、慢性疾患のリスクが高まるおそれがあります」とアッシュ氏は警鐘を鳴らす。

健康にも、美容にも影響を与えるオイル選び。目的や調理法に合わせて、味方につけたい。

料理に合わせて選びたい、オイルの使い分けルール

どんなオイルを使うかは、作る料理によって決まる。「オイルは料理の風味を左右するだけでなく、加熱方法や調理温度も左右します」とアッシュ氏は説明する。たとえばアジア風の炒め物なら、香ばしい風味と高めのスモークポイントを兼ね備えたごま油がぴったり。「にんにくや玉ねぎといった香味野菜と合わせると、風味がぐっと引き立ちます」とアッシュ氏も太鼓判を押す。

さらに知っておきたいのが、「精製オイル」と「未精製オイル」の違いについて。ハルペリン氏によれば、精製オイルは加熱に強く、見た目も均一でクセが少なく、価格も比較的手頃。一方の未精製オイルは、加工を最小限に抑えている分、栄養価が高いものの、熱にはやや弱く、沈殿物があったり見た目が濁っていたりする場合もある。

また、「部分水素添加油やトランス脂肪酸が含まれていないものを選ぶことも大切です」とハルペリン氏は補足する。体の内側からきれいを育むためにも、オイルのラベルはしっかりチェックして。

「どれを使うか」だけでなく、「どれだけ使うか」も美と健康の鍵に

オイル選びに加えて、使用量も見直すことで、体重管理の助けになる。「オイルはカロリー密度が非常に高く、大さじ1杯で100キロカロリー以上にもなります」とアッシュ氏は指摘する。体重をキープしたい人や減量中の人は、料理に使うオイルの量を意識的にコントロールするとよい。一方、体重を増やしたい場合は、温野菜にひとさじプラスするなどして、手軽にカロリーアップができる。

カロリーを抑えたい人には、オイルスプレーの活用もひとつの手。「使うオイルだけが成分で、余計な添加物が入っていないものを選ぶのがポイントです」とアッシュ氏はアドバイスする。

ただし、オイルスプレーを選ぶときには注意も必要。ハルペリン氏によると、「スプレー缶の中には、オイルを噴射するためにブタン、イソブタン、プロパンといった噴射剤が使われていることがあります」。米国食品医薬品局(FDA)は通常の使用では問題ないとしているが、「大量に摂取すれば有害になる可能性もある」とのこと。

より安全な選択肢としては、エアゾール式でない“ポンプ式”のスプレータイプを選ぶと、オイルの出しすぎを防ぎながら、まんべんなく薄く塗布できるのでおすすめだという。美と健康を支える“賢いオイル使い”は、選び方と使い方のバランスにある。

FROM VOGUE.US

Text: Audrey Noble Translation: Makiko Yoshida

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