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【上野】相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史@東京藝術大学大学美術館 2025年5月25日(日)まで

  • 2025.4.22

東京藝術大学大学美術館では「相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」が2025年5月25日(日)まで開催されています。

出典:リビング東京Web

相国寺:重要文化財 40点以上を含む相国寺派の名品を中心に紹介

相国寺は、足利義満の発願で1382年に創建され、夢窓疎石を開山として迎えた禅宗の寺院です。京都の御所北に位置し、金閣寺や銀閣寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山です。創建から640年以上の歴史を持ち、室町幕府の御用絵師とされる相国寺の画僧・如拙と周文。室町水墨画の巨匠と称される雪舟。江戸時代の相国寺文化に深く関わった狩野探幽。そして、奇想の画家・伊藤若冲、原在中といった数々の芸術家を育て、名作を生み出してきました。相国寺の美術品は承天閣美術館で公開され、本展覧会は開館40周年を記念して、名品40点以上を紹介しています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景※特別に許可を得て撮影しています。

相国寺6世絶海中津が持ち帰ったと伝えられる中国画。

狩野探幽や若伊藤冲も手本とした重要作品です。巨匠画家のお手本となった重要な作品です。

出典:リビング東京Web

重要文化財 《鳴鶴図》 文正筆 中国・元~明時代 14~15世紀 相国寺蔵【前期展示】

中世相国寺文化圏―雪舟がみた風景禅とは? 悟りとは?人と牛との関係がその答えを解き明かす。

《十牛図巻》は、禅の修行過程を10段階の牛を使って表現した絵巻です。室町時代の画僧・周文が描き、相国寺に伝わる重要な作品です。

出典:リビング東京Web

《十牛図巻》(部分) 伝 周文筆 室町時代 15世紀 相国寺蔵

江戸時代の奇想の画家 伊藤若冲が生きた時代

京都錦市場の青物問屋の主人だった伊藤若冲(1716–1800)は、幼少期から絵を描くことが大好きで、相国寺の僧、梅荘顕常と長く交流がありました。相国寺などの寺院にある中国絵画を見て学んだり、身近な動植物を観察したりして独自の絵画表現を作り上げ、本格的に絵に専念したのは40歳の時でした。

出典:リビング東京Web

重要文化財『鹿苑寺大書院障壁画 四之間 双鶏図』伊藤若冲筆 江戸時代 宝暦9年(1759年) 鹿苑寺蔵

本展覧会のメインビジュアルにもなっている《竹虎図》(右側)。力強く躍動感ある筆致で虎が描かれており、目の部分が特徴的な描写です。

出典:リビング東京Web

《竹虎図》伊藤若冲筆 梅荘顕常賛 江戸時代 18世紀 鹿苑寺蔵

出典:リビング東京Web

『玉熨斗図』伊藤若冲筆 江戸時代 18世紀 鹿苑寺蔵

伊藤若冲は、44歳の時、梅荘顕常の推薦で鹿苑寺(金閣寺)の方丈という建物の中の大書院の襖絵を描く絵師に大抜擢されました。 50面におよぶ鹿苑寺(金閣寺)大書院の障壁画。一之間に描かれた葡萄小禽図と、裏面の松鶴図が同時に鑑賞できる好機です!

出典:リビング東京Web

重要文化財 《鹿苑寺大書院障壁画 一之間 葡萄小禽図》 伊藤若冲筆 江戸時代 宝暦9年(1759) 鹿苑寺蔵

円山 応挙~若冲と同時代に京都で活躍

円山応挙(1733–1795)は若冲と同時代に京都で活躍していました。『七難七福図巻 天災巻』は、円山応挙が筆を執った作品で、天災による人々の苦しみと、それを乗り越える福の象徴を描いています。

出典:リビング東京Web

重要文化財『七難七福図巻 天災巻』円山応挙筆 江戸時代 明和5年(1768) 相国寺蔵

写実的な技法と自然の細部に至るまでの人物や動植物がリアルに精密に描かれています。優れた表現力で躍動感が感じられ、印象に残る作品の一つです。植物、鳥や動物などを観察して描く「写生画」を行った円山応挙の精密な画風はとても人気が高く、多くの弟子が集まって円山派という流派になりました。

出典:リビング東京Web

重要文化財『七難七福図巻 天災巻』円山応挙筆 江戸時代 明和5年(1768) 相国寺蔵

「令和の詩画軸」制作プロジェクト

「令和の詩画軸制作プロジェクト」は、東京藝術大学と臨済宗相国寺派による共同制作プロジェクトです。相国寺派管長・有馬賴底師による賛と、東京藝術大学学長・日比野克彦氏による画の、詩と画が一体となった合作が3階展示室に展示されており、本展覧会のハイライトのひとつとなっています。

詩画軸※絵画の余白に漢詩や歌、文章などを書き込んだ掛け軸

出典:リビング東京Web

日比野克彦筆 有馬賴底師賛《令和の詩画軸》

相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史展では、禅の美意識を映す貴重な美術品や、相国寺ゆかりの名僧・文化人にまつわる名品が一堂に会する点が見どころです。

室町時代の水墨画の名匠とされる雪舟や、江戸時代の相国寺文化に深く関わった狩野探幽、伊藤若冲、原在中、円山応挙といった数々の芸術家を育て、名作を生み出してきた相国寺の美術品が、東京で鑑賞できる貴重な機会です。是非会場でご覧になってみてはいかがでしょうか。

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