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環境が変わる春、頑張り過ぎてない?「メンタル不調」を医師が解説

  • 2025.4.17

メンタル不調

働く女性が気になる症状や疾患について解説。今回は、環境が変わる春に気をつけたい「メンタル不調」をひも解きます。

出典:シティリビングWeb

教えてくれたのは…清水聖童先生

精神科専門医。医療法人社団燈心会ライトメンタルクリニック理事長。精神予防医学を専門とし、病前から介入する精神医療を模索。記事監修や講演などで、専門的な知見を広く発信

Q.メンタル不調とは?

シティリビング世代の女性が抱えやすいメンタル不調は主に3つあります。1つ目はうつ症状・抑うつ状態。仕事・家庭・将来への不安が重なることで、気分の落ち込みや意識低下が生じやすくなります。特に更年期に差し掛かる40代前後では、ホルモンバランスの変化がそれを助長することがあります。2つ目は不安・緊張・焦燥感。将来の不確実性、人間関係、仕事での責任感などから慢性的な不安感や緊張が続くケースも。年齢的に求められる成果や頑張らなければという思いがプレッシャーになりやすいです。3つ目は疲労・頭痛・腹部症状、立ちくらみ、めまいなどの体の症状です。自律神経の調整障害として現れることも多いです。

Q.不調を抱えやすい人の特徴は

失敗を極端に恐れる傾向がある「真面目・完璧主義」、自分なんてと思いがちな「自己評価の低さ」、周囲に迷惑をかけたくない気持ちから「感情を我慢しやすい」、また、「過剰な責任感の強さ」や「白黒思考」。これらの傾向がある人は、出来事をストレスフルに解釈しやすく、無意識に心の負荷をためやすいとされています。

Q.受診の目安は?

「これくらいで病院に行っていいの?」と迷う方は少なくありません。次のような状態が2週間以上続く場合は、治療が必要な状態の可能性があります。「毎日の生活がしんどく、起きるのもおっくう」「理由もなく涙が出たり、怒りっぽくなる」「食欲・睡眠に明らかな変化がある」「人との関わりを避けたくなる」「頭痛や腹痛など、身体症状が続くが検査では異常がない」「気分が全体的に落ちており、仕事や家庭、趣味などの幅広い活動に対して意欲がない」です。心のSOSは身体にも現れます。早期に気づいて対処することで回復がスムーズになります。

Q.仕事で板挟みになったときは

30代~ 40代は職場でも「中間管理職」的な立場が多く、上司と部下の板挟みになりやすい年代です。「全部は抱え込まない」と決め、業務の優先順位を明確にし、必要なときは周囲にヘルプを出すこと。「完璧でなくていい」と受け入れること。「無理しすぎていないか?」と振り返り、休息を意識しましょう。

また、職場で周囲の人の異変に気づいた場合は、さりげなく声をかけて気分転換の機会を作ったり、アドバイスよりも聞くスタンスになったりすることが大切。必要に応じて上司や産業医に相談し、専門的なサポートにつなぎましょう。

Q.日ごろからできる対策は?

異動や転職など春は変化が多い時期です。セルフケアでストレス耐性を高めてみましょう。

大切なのは「十分な睡眠・栄養」と「運動・趣味など自分の時間を持つ」こと。特に週1回程度の軽い運動はうつや不安の予防に効果的です。また、「話す相手を確保する」こと。職場でのネガティブな内容を話せるコミュニティを作ることはもちろん、信頼できる友人や家族との会話はストレス解消にもなります。そして極端な考えは手放しましょう。「~しなくてはいけない」「~であるべき」と強い表現ではなく、「~であればいいね」といった柔らかい表現を意識し、行動するだけでも効果があるとされています。

30代~ 40代の女性は、家庭や仕事の両立、将来の不安、体の変化など、心に負担がかかりやすい時期です。「ちょっと疲れただけ」と見過ごさず、小さなサインが出たうちに気づくこと、そして「相談する勇気」を持つことが、心の健康を守る第一歩です。

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