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春に食べたい「菜の花」の栄養は?ビタミンC含有量は野菜の中でトップクラス!抗酸化作用の成分も豊富!栄養士が解説

  • 2025.4.4

菜の花に含まれるトップクラスの栄養とは?

春の風物詩「菜の花」
春の風物詩「菜の花」

春の風物詩でもある「菜の花」。スーパーなどの野菜売り場では「ナバナ(菜花)」とも呼ばれ、つぼみと花茎、やわらかい若葉を食用としていただきます。独特のほろ苦さが、春の訪れを感じさせてくれます。実は春野菜の中でもビタミンとミネラルが群を抜いて豊富に含まれ、栄養面でもおすすめ。春ならではの味覚を、ぜひ楽しんでください。

実は「菜の花」という特定の植物は存在しない!?

本来、「菜の花」は白菜やキャベツ、からし菜、ブロッコリーといったアブラナ科アブラナ属の花の総称。つまり、菜の花という特定の植物は存在しないそうです。

日本の市場で一般的に出回っているのは、食用に開発された「ナバナ(菜花)」。在来種である和種と西洋種の2種類あり、西洋種の代表的な品種『菜々みどり』、採油用に栽培していた菜種の若菜を食用にした『三重なばな』、江戸東京野菜の一つに数えられている『のらぼう菜』などさまざまな品種があります。

ストレスや体調不良から体を守るビタミンCが豊富

栄養面の特徴は、ビタミンCの多さ。1束(目安量200g)に260mgも含まれ、野菜の中でもトップクラスを誇ります。男女15歳以上の1日の推奨量が100mgなので、1/2束で十分に補うことができる計算です(※)。

ビタミンCは風邪やストレスに対する免疫力を高め、貧血予防に欠かせない鉄の吸収を促進し、美肌のためのコラーゲン生成にも関与しています。寒暖差や環境の変化によって体調を崩しやすい春こそ、積極的に摂りたい野菜なのです。

菜の花は「ゆですぎ」に注意!

菜の花の定番料理といえば、からし和えやお浸しが思い浮かびますが、ビタミンCは水溶性なので、ゆですぎには注意。

少しかたい茎と葉先を切り分けて、ゆで時間を調整しましょう(沸騰したお湯に塩少々を入れ、茎を先に投入して約1分弱、続けて葉先を加えて約20~30秒を目安に茎の太さなどで調整してください)。ゆでた後に水にさらしすぎるとビタミンCが溶け出してしまうため、冷水にくぐらせる程度がおすすめです。

※)ビタミンCは和種なばなの含有量(「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」参照)、推奨量は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」参照

脂溶性ビタミンやミネラルが豊富、機能性が注目される辛味成分も

菜の花は体内でビタミンAに変わるβ(ベータ)-カロテンが100gあたり2200μg含まれる緑黄色野菜でもあり、歯や骨を丈夫にするビタミンK、細胞の老化を防ぐビタミンEも豊富です。

いずれも脂溶性の栄養成分なので、炒めものや天ぷらなど、油を使った調理をすると吸収されやすくなります。ほかにも、菜の花には食物繊維、カルシウムや鉄などのミネラルも多く含まれています。

なお、菜の花の持ち味でもある、ほろ苦さ。これは主に辛味成分の「イソチオシアネート」によるもので、がん細胞の発生を抑制する働きや強い抗酸化作用などが注目されています。この成分は刻むことで多く発現します。

まとめ

菜の花を選ぶ際は、つぼみがかたく締まっているもの、茎の切り口がみずみずしく空洞がないものを選ぶのがポイント。保存するときは茎を束ねているテープなどを外し、湿らせたキッチンペーパーなどで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存するようにしましょう。花が咲くと味が落ちてしまうので、購入したら早めに調理して食べ切ってくださいね。

※参考文献)杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009

(野村ゆき)

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