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13年前“鎌倉を舞台”にした名作「人生で一番ハマったドラマ」“新月9”としても大注目なシリーズ

  • 2025.4.21

人生は何歳になっても青春なのかもしれない。そんなことを教えてくれるのが、2012年の放送以来多くの視聴者を魅了してきたドラマ『最後から二番目の恋』シリーズだ。鎌倉を舞台に繰り広げられるこの物語は、小泉今日子演じる敏腕ドラマプロデューサーの千明と、中井貴一演じる堅実な公務員の和平が織りなす日常を軽やかに、そして少しだけエモーショナルに描いてきた。

2025年春から新たにはじまった『続・続・最後から二番目の恋』に寄せて、改めてこのドラマが伝える大人の人生の魅力を掘り下げたい。

「歳を取ることは、めでたいこと」年齢を重ねる豊かさ

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(C)SANKEI

『最後から二番目の恋』は、一貫して「歳を重ねることの喜び」を描いてきた。印象的だったのはシーズン1で千明が46歳の誕生日を迎えたシーン。和平が「誕生日には二つの意味がある。一つはこの世に生まれたこと、もう一つは、いま元気で生きていること」と語りかける。年齢を重ねることをポジティブに祝うその姿は、大人たちに勇気を与えた。

歳をとると、これまで理解できなかったことがふと分かる瞬間が訪れる。反対に、分かっていたはずのことが再び分からなくなることもある。その曖昧さこそが人生の深みであり、『最後から二番目の恋』はその醍醐味を軽妙なセリフのやり取りで鮮やかに描いてきた。

新シリーズでは千明が59歳、和平が63歳。還暦を迎える年齢での新たな葛藤や気づきが、さらに深く、愛しく描かれている。

恋でも友情でもない、二人の絶妙な距離感

このシリーズのもう一つの魅力は、和平と千明が見せる独特の関係性だ。

明確に恋人ではないが、単なる友人でもない。ケンカばかりしながらも、いつも互いのそばにいて、気がつけば何でも話し合える存在になっている。その微妙な距離感に視聴者は惹かれ、二人の軽妙なやり取りをただ眺めていたいという欲求が生まれるほどだ。

和平と千明が築いてきた距離感には、互いを尊重し合う大人ならではの優しさがある。とくにシーズン2では、若い世代にバトンを渡さなければいけないという焦燥感や仕事への情熱の葛藤を通じて、互いが互いを支える様子が丁寧に描かれていた。

新シーズンでは、歳を重ねた彼らがどんな距離感で互いを見つめるのか。その成熟した距離感がもたらす、新たな魅力をぜひとも見届けたい。

多様な生き方を認め合う温かさ

このドラマが視聴者の心を掴んできた理由の一つに、個性豊かなキャラクターたちの多様な人生の選択を、温かく肯定する姿勢がある。

万理子の「向上心がない」ことを肯定する千明の言葉は象徴的だった。「世界に大きいも小さいもない。あんたの幸せを理解したい」という言葉に、多くの視聴者が共感を覚えたのではないだろうか。

また、家族のそばにいることを選んだ真平や、自由奔放に生きる典子らが、それぞれの幸せを迷いながらも見つけていく様子も丁寧に描かれていた。そこには、他人の人生を尊重し、それぞれの道を受け入れる寛容さがあった。

新シリーズでも、この多様性への温かな視線が引き続き描かれるはずだ。それぞれが自分らしい幸せを追求する姿は、人生の多様な可能性を見せてくれるだろう。

『最後から二番目の恋』シリーズは、歳を重ねることを肯定し、人間関係の微妙な距離感を楽しみ、多様な生き方を温かく受け止めるという、人生の大切なメッセージを届けてきた。2025年春に始まった新作『続・続・最後から二番目の恋』もまた、大人たちの愛おしい日々を丁寧に描き、私たちの人生にそっと寄り添う物語になることを期待したい。SNS上でも「人生で一番ハマったドラマ」「楽しみすぎて鳥肌」と新シリーズを心待ちにしていたファンの声が多く見られた。

人生はいつだってこれからだ、とドラマを通じて再び教えられる日が待ち遠しい。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_