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尿路結石で『腎不全』になった80代女性→「腎臓に管を入れるなんて…」不安に感じていたところ?医師から受けた“意外な返答”

  • 2026.11.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「腎臓に管を入れるなんて、ずっと入院しないといけないの?」——体の外に管が出ていると聞くと、多くの方がそう不安に感じます。お風呂や着替えなど、毎日の生活がどうなるのか想像がつかない方も少なくありません。でも、管を入れたまま自宅で過ごしている方は、実はたくさんいらっしゃいます。

今回は、尿管結石で腎臓の働きが落ち、「腎瘻(じんろう)」を入れることになった女性のエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

ひとつしかない腎臓に、結石が詰まって

Gさん(83歳・女性)は、若いころに病気で右の腎臓を摘出していました。残った左の腎臓だけで、これまで元気に暮らしてこられたそうです。

ある日、Gさんは「なんだか体がだるくて、おしっこがあまり出ない」と、同居する娘さんに話しました。

「年のせいかもと言っていたんですけど、顔もむくんでいて。様子がおかしいと思って、すぐ病院へ連れて行きました」と娘さん。

尿管結石といえば「のたうち回るような激痛」をイメージされる方が多いですが、高齢の方や結石で尿管が完全に塞がれてしまった場合、強い痛みを伴わず、だるさや尿が出ないこと(乏尿・無尿)だけで発症するケースも珍しくありません。

検査の結果、左の尿管に結石が詰まり、腎臓から尿が流れなくなっていることがわかりました。腎臓がひとつしかないGさんにとって、これは尿の出口がすべてふさがれた状態です。放置すれば数日で命に関わる重篤な尿毒症に陥る危険があり、体に老廃物がたまる急性腎不全としてそのまま緊急入院になりました。

ステントが入らず、「腎瘻」を選択

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

尿の流れが止まると、腎臓に尿がたまって腫れる水腎症(すいじんしょう)になります。このような場合、まずは尿の通り道を確保することが何より大切です。

一般的には、膀胱から尿管に細い管を通す「尿管ステント」を入れる方法がとられます。しかしGさんの場合は、結石が尿管にぴったりはまり込んでいて、管を通す隙間がありませんでした。

医師はこう説明しました。

「尿管からの管が入らないので、背中から腎臓に直接管を入れて、尿を体の外に出しましょう。『腎瘻』という方法です」

腎瘻は、背中側の皮膚から腎臓の中にある腎盂(じんう:尿が集まる袋状の部分)まで、細い管を入れる処置です。局所麻酔をして、超音波やX線で位置を確かめながら針を刺し、管を入れます。尿は管を通って、体の外につけた袋にたまる仕組みです。ステントが入らないときや、入れても尿の流れが十分でないときに選ばれる方法のひとつです。

管を入れて尿が出るようになると、Gさんの腎臓の働きは少しずつ回復していきました。せき止められていた尿の逃げ道ができた——それだけで、腎臓は本来の力を取り戻していくことがあるのです。

管を入れたまま、家に帰れる

結石を取る手術は、2か月ほど先に予定されました。急性腎不全に陥った腎臓の機能が十分に回復するのを待ち、結石の周囲の炎症やむくみをしっかり落ち着かせてから安全に内視鏡手術を行うためです。

「それまでずっと入院なのかと思ったら、管を入れたまま家に帰れると言われて驚きました。でも、お風呂はどうするのか、管が抜けたらどうしようと、不安でいっぱいでした」とGさん。

腎瘻が入っていても、多くの方は自宅で普段に近い生活を送ることができます。シャワーは浴びられることが多いです。湯船については、管の入り口を防水フィルムで保護するなど、病院によって方法が異なるため、主治医の指示に従います。

日常生活では、次のようなことに気をつけます。

  • 蓄尿バッグの位置:尿の逆流や感染を防ぐため、尿をためるバッグは常に腎臓(管の入り口)より低い位置に保つ
  • 管の屈曲・引っ張りの予防:就寝時や着替えの際に管が引っ張られたり、体が乗って折れ曲がったりしないよう、テープやベルトでしっかり固定する
  • こまめな水分補給:脱水を防ぎ、尿の結晶やカスで管が詰まってしまうのを防ぐため、医師の指示の範囲でしっかり水分を摂る
  • 皮膚の観察:管が刺さっている背中の皮膚に、赤みや腫れ、強い痛み、膿のような液漏れがないか毎日確認する

Gさんは、家族だけでの処置が不安だったため、訪問看護(看護師が自宅を訪問してケアをするサービス)も利用しながら、手術までの2か月を自宅で過ごされました。

「最初は怖かったけど、慣れてしまえば大丈夫でした。娘が毎日一緒に管を見てくれたのも心強かったです」と話してくださいました。

管が入っているときは、こんな変化に注意を

腎瘻やステントなどの管は、あくまで尿の通り道を確保するための一時的な方法です。原因となる結石などを治療したあと、多くの場合は抜くことができます。

ただし、管が入っている間に、「38℃以上の発熱がある」「尿の量が急に減った、または出なくなった」「管が抜けかけた、抜けてしまった」「尿がワインのように赤くなった」「背中や腰が痛む」——そんなときは、感染や管の閉塞などの恐れがあるため、我慢せず早急に病院へ連絡してください。

「管が入っている」ことよりも、「管とどう付き合っていくか」を知ること。それが、不安を安心に変えるいちばんの近道です。

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