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医師「かえって危険を高めてしまう」→実は『脳梗塞』を引き起こす原因に…知らずにやりがちな「就寝前のNG習慣」とは?

  • 2026.11.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

冬の寒い時期、就寝中や夜間のトイレ立ちの際に脳梗塞を発症するリスクが高まることをご存じでしょうか。

「喉が渇いていないから」「夜中にトイレへ起きたくないから」といった理由で、寝る前の水分補給を控えてしまう方も多いかもしれません。しかし、そうした些細な行動や寒さへの油断が、血管を詰まらせる引き金になっている可能性があります。

なぜ冬の就寝時に脳梗塞が起きやすくなるのでしょうか。また、私たちが知らず知らずのうちにやってしまいがちなNG行動とは何なのでしょうか。

今回は、冬の夜間に潜む脳梗塞のメカニズムや注意すべき行動、今日から実践できる予防策について、医師にお話を伺いました。

なぜ冬の就寝時に?脳梗塞が起きるメカニズム

---冬の就寝時に脳梗塞が起きやすいのはなぜでしょうか?身体の中でどのようなことが起きているのか教えてください。

Dr.Yさん:

「就寝中の水分不足による『血液の粘度上昇』と、寒冷刺激による『急激な血圧上昇』が重なるためです。

睡眠中は不感蒸泄(呼吸や皮膚からの蒸発)や発汗により、コップ1〜2杯分(約300〜500ml)の水分が失われます。冬場は乾燥しているにもかかわらず喉の渇きを自覚しにくいため、知らず知らずのうちに脱水状態へ傾きがちです。血液中の水分が減ると血液の粘度が高まり、ドロドロとして血流が滞りやすくなります。

そこへ冷え切った寝室などの寒冷刺激が加わると、自律神経の交感神経が強く刺激され、血管を収縮させるホルモン(カテコールアミンなど)が分泌されて血圧が急上昇します。

【冬の就寝時に脳梗塞が起きるメカニズム】

  • 血液の粘度上昇: 就寝中の発汗や水分摂取不足により血液中の水分が減少し、血流が滞りやすくなる。
  • 急激な血圧上昇: 寝室や寝具の寒冷刺激で交感神経が過剰に緊張し、末梢血管が収縮して血圧が跳ね上がる。
  • 血流の途絶(血管の閉塞): 血管が狭くなっている部位に血栓が詰まる、あるいは血圧の急変によって動脈硬化巣(プラーク)が傷ついて急速に血栓が形成され、血流が途絶えて脳組織が壊死に至る。

日本脳卒中学会のガイドライン等でも、脱水や急激な血圧変動は脳虚血を引き起こす重要な危険因子と位置づけられています。

また、就寝中の激しいいびきや呼吸停止を伴う『睡眠時無呼吸症候群(SAS)』がある方は、夜間の低酸素状態と頻繁な覚醒により血圧の乱高下がさらに助長され、脳卒中リスクが高まります。これらの悪条件が重なる冬の夜間は、特に血管トラブルが起きやすい時間帯と言えます」

良かれと思って…?やってしまいがちな2つのNG行動

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---夜間のトラブルを避けようとして、かえって危険を高めてしまうような行動にはどんなものがありますか?

Dr.Yさん:

「水分の極端な制限と、温度差による血圧の急変動を招く行動です。

【やってしまいがちな2つのNG行動】

  • トイレを避けるための就寝前節水:夜間のトイレ立ちを嫌って水分を極力摂らない行動は、就寝中の脱水を助長し、アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の発症リスクを高めます。また、就寝前の寝酒(アルコール)やカフェインを含む緑茶・コーヒーは利尿作用が強いため、かえって体内の水分を奪ってしまいます。
  • 入浴後や夜間移動時の急激な寒冷露出:入浴後の湯冷めや、暖房の効いていない冷えた寝室・廊下への移動は、ヒートショック(急激な血圧の乱高下)を引き起こします。血圧が激しく上下すると、動脈硬化が進行した血管に強い負荷がかかり、プラークの破綻や血栓形成の引き金になります。

夜間頻尿は加齢や膀胱機能の変化、ホルモンの日内リズムなどによる自然な身体反応であることも多く、水分を過剰に制限したからといって必ずしも止まるわけではありません。尿トラブルが気になる場合は自己判断で水を断つのではなく、泌尿器科や内科に相談することが先決です。」

今夜から試せる!脳梗塞を防ぐための3大習慣

---冬の就寝時の脳梗塞を防ぐために、私たちが日常で取り入れられる予防策を教えてください。

Dr.Yさん:

「基本となるのは、『適切な水分補給』と『室内の温度管理』です。無理のない範囲で以下の3つの習慣を取り入れてみてください。

【今夜から始める脳梗塞予防の3大習慣】

1.就寝30分前に『コップ半分〜1杯(100〜150ml程度)の常温水や白湯』を飲む

冷水は胃腸や血管への刺激となるため、15〜25℃前後の常温水や白湯、カフェインを含まない麦茶などを選びましょう。がぶ飲みすると夜間の尿意を刺激するため、喉を潤す程度にゆっくり飲むのがポイントです。

※心不全や腎不全などで、主治医から厳格な水分制限を指示されている方は、必ず担当医の指示に従ってください。

2.寝室・廊下・脱衣所を『18℃以上』に保ち、起床前のタイマー暖房を活用する

世界保健機関(WHO)の住環境ガイドラインでも、冬期の室内温度は18℃以上が推奨されています。小型ヒーターやエアコンを活用し、部屋ごとの温度差をできる限り小さく抑えましょう。就寝中にエアコンを切る場合でも、起床の30分〜1時間前にオンタイマーを設定しておくことで、布団から出た瞬間の冷え込みと血圧急上昇を防げます。

3.夜間トイレ時は枕元に『羽織りものとスリッパ』を用意しておく

暖かい布団から抜け出して冷気にさらされる瞬間が最も危険です。夜中に目が覚めてトイレへ行く際は、枕元に置いておいたカーディガンやガウンを羽織り、靴下やスリッパを履いて足元からの冷え込みを防ぎましょう。

家庭での早朝血圧が高い方や、起床時の強い頭痛、ご家族から激しいいびきや呼吸停止を指摘されている方は、自己判断で放置せず、かかりつけ医に相談して生活習慣や降圧治療の見直しを行うことが、重大な発症リスクを遠ざける確実な対策となります。」

正しい知識と環境づくりで冬の夜間を安全に

就寝中の脱水と、冷えによる血圧急上昇が重なる冬の夜間は、脳血管障害のリスクが高まる時期です。

「トイレに行きたくないから」と極端に水分を控えたり、寒さに身をさらす生活習慣は見直す必要があります。就寝前の適度な水分補給、室温18℃以上の維持、夜間移動時の防寒といった日常のちょっとした工夫を積み重ねることで、リスクを大幅に軽減できます。

気になる症状や血圧の乱れがある場合は早めに医師に相談し、安全で温かい冬の夜を過ごしましょう。


監修者:Dr.Y
現役医師。大学病院、小児専門医療機関を含む総合病院での勤務を通じ、幅広い臨床業務に従事する。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。

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