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「家族のため」激務でうつ病に…妻の急逝に悔やむ65歳夫のすれ違いに「胸が痛い」

  • 2026.10.26
「いつかはわかってくれるだろう」との思いから、妻と本音で話し合うことを避けていた池尾。
「いつかはわかってくれるだろう」との思いから、妻と本音で話し合うことを避けていた池尾。

メンズエステを舞台に、“訳アリ”な客たちの心を癒やす人間ドラマ「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。肌に触れることで相手の感情や傷を感じ取るメンエス嬢・加恋が、悩みを抱えた客たちと向き合っていく作品だ。描くのは、蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)さん。今回は、亡き妻への後悔を抱えて生きる男性・池尾仁志のエピソードを紹介する。

哀愁漂う65歳老紳士の来店と深い傷

今回登場するのは、65歳の男性・池尾仁志。「僕みたいなおじさんが、こんな所に来てマッサージを頼むなんて変だろう?」と遠慮がちに語る彼には、簡単にはほぐせない深い悲しみがあった。

作者の蒼乃さんは、「年配の男性客も描いてみたかった」と振り返る。単なる「メンズエステに通う中年男性」ではなく、「哀愁漂う老紳士」という人物像を設定したことで、物語が一気に広がったという。

「家族のため」だった単身赴任とうつ病、そして届いた報せ

池尾は、家族のために出世することが幸せだと信じ、仕事へ人生を捧げてきた。本社への栄転が決まった際、妻から「あなた一人で行って来てください」と言われるも、「昇進すれば理解してもらえる」と信じて単身赴任を選ぶ。

しかし、激務の末にうつ病を発症。家族に余計な心配をかけたくない一心で本当のことを打ち明けられずにいたところ、息子からの電話で妻の訃報を知らされることとなった。お互いを思いやる気持ちがありながらもすれ違ってしまった夫婦の切なさが、静かに胸へ刺さる。

蒼乃さん自身も、「親しい仲なら、モヤモヤした時点で話し合うのが理想」としつつも、「実際は難しく、ケンカを避けて『いつかわかってくれるはず』とごまかしてしまうことが多い」と語る。

亡き妻の思いを代弁する言葉と自分らしさへの一歩

妻を幸せにできなかったという後悔から自らの幸せを遠ざけていた池尾。そんな彼に対し、加恋は「女はそんなにか弱くない。あなたに幸せにしてもらわなくても、私は自分の力で幸せになります」と、亡き妻の気持ちを代弁するように語りかける。

蒼乃さんは、「病気で亡くなったからといって、幸せではなかったと決めつけることはできない。長生きだけが幸せとは限らない」と指摘する。さらに、「“男らしさ”“女らしさ”ではなく、“自分らしさ”を大切にすることが幸せへの近道だと思う」と明かした。加恋の言葉によって、ようやく自分自身の人生へ目を向け始めた池尾。優しくも切ない余韻が残るストーリーだ。

取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)

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