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ミラノで叶えた理想のキッチン――ヴェルヌ華子の心地よい食空間

  • 2026.10.14
TOMOYUKI TSURUTA

プラントベースの食を通じて、ポジティブでサステナブルなライフスタイルを提唱するヴェルヌ華子。彼女の自宅キッチンは、日々の食卓から愛情と健康を育むコクーンだ。『エル・デコ』2026年10月号より。

TOMOYUKI TSURUTA

ニュアンスカラーを重ねたオープンスペース

ヴェルヌ華子の住まいは、ミラノ市内東部の閑静な雰囲気が漂う住宅街にあるアパートメント。フランス人の夫と2人の子どもと暮らしている。「市内は、ほぼ自転車で移動する」というアクティブな彼女なら、ドゥオモ広場まで10分かからないほどの至便な立地だ。「周辺には食材店やメルカート(青空市場)があり、適度なローカル感があるところが気に入っています。最近は新しいレストランも増えてきて、暮らすのに楽しく、便利です」

<写真>開放的なリビングルーム。元からあった木の床を残し、家のヘリテージを尊重。曲線のソファやフラワーアーティストのサトシ・カワモト監修の植物で、くつろぎの空間を演出。

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アパートメントは1900年代初頭に建てられたエレガントな建物で、改修には6カ月を要した。「元々は小部屋に仕切られた間取りでしたが、購入後に壁を取り払う大工事を伴うリノベーションをして、光の入る開放的な家にしました」。エントランスを入るとすぐにリビングとキッチンがつながるオープンスペースが広がる。このスペースは、家全体の半分以上を占める、家の中心的存在。家族4人で立っても余裕のある、ゆったりとしたキッチンスペース、人を招いた時に調理しながら一緒におしゃべりができる、調理台とダイニングテーブルがつながった設えだ。

<写真>調理台とテーブルが一体となっているため、料理中も家族や友人と会話が弾む。グレージュとニュアンスピンクが、温かな雰囲気を醸し出す。

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「キッチンを家の中心にしたかったんです。私が食を扱う仕事をしていることもありますが、何よりも、家族全員食べるのが大好きで。キッチンが自然と家族が集まるスペースになっています。主人はもちろんのこと、子どもたちも野菜の皮むきなどの調理や、テーブルセッティングの手伝いをするんですよ」。子どもとは、2歳ごろから一緒に食材を選び、調理し、食を楽しんできた。「家族が共に食の営みをすることは、とても大切です」

<写真>調理台のベースにもピンクのアクセントを。ワークトップ部分は赤色斑岩製。「細かく自然な凹凸があるため滑りにくく、耐久性も抜群。作業に最適なんです」

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キッチン家具はグレージュを基本に、さりげないマットゴールドの縁取りが施されている。調理台の基台部とダイニングテーブルの脚、キッチンのセンターを縦に走る暖房用パイプは、ニュアンスあるピンクだ。イタリアでは無機質な白のシステムキッチンが多いが、ここには温もりがある。「実は、真っ白な家が好きではなくて、グレージュを選び、どこかに遊び心を入れたくピンクをアクセントに取り入れました。床は元からのフローリングをあえて残しましたが、温かみがあって気に入っています」

<写真>リビングから見たキッチン。家族全員で料理する、大切なひととき。左の玄関とキッチンを緩やかに仕切るオープンシェルフにはレシピ本が並ぶ。家の改修はミラノのSTUDIO UAOが担当した。

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<写真>トマトやいちご、ハーブを育てているバルコニーに設置したコンポストは、フランスのCeercle社製。「陶製で、フラワーベースにもなるところが気に入っています」。中ではミミズが大活躍中だそう。

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<写真>プラントベースの料理に欠かせない豆と穀類は透明のガラス容器に入れて収納

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<写真>コーヒーマシン、電気ポット、ミキサーなどをまとめたキッチン家電コーナー。「バイタミックスは、これ無しでは料理できないほど、特に愛用中。スムージー、みじん切り、ポタージュ、ケーキ、ジェラートにと、大活躍しています」

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<写真>たくさんのスパイスを収納した、キッチンの引き出し。「最初は色別に並べていたのですが、息子がアルファベット順に並べ替えてくれて、より使いやすくなりました」

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彼女が“プラントベース・ウェルネスコーチ”として広めるプラントベースとは、自分の心と身体に向き合う時間を大切にし、季節の野菜のおいしさや美しさを楽しみながら、ヘルシーで地球環境にも配慮できるポジティブなライフスタイルだ。彼女のキッチンには、人生を慈しむ柔らかなエネルギーが満ちあふれている。

<写真>リビングに置いたヴィンテージライクなキャビネットは、パリ時代に購入したフランス製。主に和食器の収納として活用している。「ブラックのメタルと、表面の線状レリーフが気に入っています」

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偏愛オブジェ&ツールを拝見!

建築的フォルムが美しい「ザ・コンランショップ」の汁椀

「漆塗りとは一味異なるマットな質感と、建築的なフォルムに惹かれた」という、「ザ・コンランショップ」で購入した木製の汁椀。「ひっくり返りやすいのがちょっとした悩み(笑)ですが、汎用性があるので、毎日のように活躍しています」

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日本の職人技に感銘「バーミキュラ」の鍋

愛用している「バーミキュラ」の“オーブンポット2”。「同種の鍋と比較してみた結果、密閉性が圧倒的に高く、無水ミネストローネもお手の物。ふたを自立して置けるのが便利」と大のお気に入り。工場見学をして、緻密な職人技に感銘を受けた。

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古材をレスキューリサイクルガラスの小鉢

長野県諏訪市の古材と古道具のショップ、リビルディングセンタージャパンで購入した、スタジオプレパ製作のリサイクルガラス製小鉢セット。センターの「解体家屋などから古材をレスキューし、暮らしに再導入する」という考えにも共鳴した。

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フランス家庭の定番オピネルのネーム入りナイフ

フランスの老舗ナイフブランド、「オピネル」のナイフを愛用。「フランスでは一家に必ず1セットある定番のナイフで、それぞれに名前が入っています」。左の2本は子どもたちのファーストナイフで、赤い柄のものはブレックファーストナイフ。

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「ファームリビング」のオブジェのようなペッパーミル

デンマークのインテリアブランド、「ファームリビング」のペッパーミルは、人のようなユニークなフォルムに惹かれて購入した。ちなみにペッパーミルだけなのは「塩は手でつまんで、量を確かめながら使うので、ソルトミルは不要だから」だそう。

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曲線を描き手になじむ木製のツール

使いやすさを追求したなめらかな曲線を描くしゃもじ(右)は、広島県の宮島工芸製作所のもの。桜材のヘラ(左)は、諏訪のリビルディングセンタージャパンで見つけた大久保ハウス木工舎のアイテム。右利き用と左利き用をそろえている。

Hanako Vernhes(ヴェルヌ 華子)
プラントベース・ウェルネスコーチ。パリのシャネル本社勤務を経て、2022年、ミラノに移住。米国ヘルスコーチ資格取得、コルドン・ブルー・パリのプラントベース学科卒業。ミラノでPlantfulJourneyを主宰する。

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『エル・デコ』2026年10月号

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