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「2026年 京都モダン建築祭」で巡りたい、特別公開の名建築7【岡崎編】

  • 2026.10.9
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「京都モダン建築祭」が、2026年10月31日(土)からスタート。5周年を迎える今年は「めぐりあうモダン建築の京都」をテーマに、過去最多となる約13エリア、約150の建築が参加する。本記事では、パスポートの提示で見学可能な「パスポート公開」の対象となる建築をエリア別に紹介。今回は「岡崎編」だ。「平安神宮」や「南禅寺」といった有名な神社仏閣や「京都市京セラ美術館」をはじめとする文化施設を、琵琶湖疏水沿いの風景と共に堪能できるこのエリアで、街歩きを楽しみながら名建築を巡りたい。見学の際には、お目当ての建築の公開日時を、事前に公式サイトで確認することを忘れずに。

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京都市京セラ美術館

パスポート公開エリア:貴賓室

日本最古の公立美術館建築であり、1933年に竣工した「京都市京セラ美術館」は、鉄筋コンクリート造の洋風建築に和風の瓦屋根をのせた、いわゆる帝冠様式の代表例だ。2020年には、建築家の青木淳と西澤徹夫の設計のもとで行われた大規模リノベーションを経てリニューアルオープン。旧正面玄関を掘り込み、地下へと続くスロープ「ガラス・リボン」を新設した。

今回は、本館正面2階に位置する「貴賓室」を特別公開。格式高い折上格天井(おりあげごうてんじょう)や木製建具、照明器具など、創建当初の姿を今もとどめる。木鼻(柱から突き出た水平材の先端部分や、そこに施される装飾)など和風のディテールにアールデコ風の装飾が調和する「玄関ホール」などとともに、歴史建築×リノベーションの妙を堪能したい。

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京都市京セラ美術館
京都市左京区岡崎円勝寺町124

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関西美術院

パスポート公開エリア:アトリエ

私設の本格的洋画研究所として日本最古で、世界的にも稀有な「関西美術院」は、洋画家の浅井忠が設立した名門画塾。設計は、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)で浅井と同僚だった、「関西近代建築の父」武田五一だ。

トラス構造が(1枚の屋根面が1方向だけに傾斜する)片流れの大屋根を支える木造平屋建てで、開口部は北側に設けた。これにより、影の向きや強さが1日を通して大きく変わらず、強い直射日光が差し込むこともない、石膏や人体のデッサンにふさわしい環境を用意した。

安井曾太郎、梅原龍三郎、須田国太郎ら日本洋画界を代表する画家を輩出した「関西美術院」は、今も変わらず画塾としての歴史を重ねている。

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関西美術院
京都市左京区岡崎南御所町41

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京都教育文化センター

パスポート公開エリア:ロビー、ホール

西山夘三(にしやまうぞう)が設計し、1964年に竣工した、文化と教育のための公共施設。地上5階、塔屋2階建て。西山は、戦後の住宅平面計画におけるDK(ダイニングキッチン)型の基礎となった「食寝分離論」で知られ、住居学の視点から建築を問い続けた建築家であり、建築学者、都市計画家だった。

「京都教育文化センター」の設計に際して、西山は、468名着席のホールや、1階から3階に入る大小の会議室を機能ごとに整然と並べるのではなく、さまざまな人々が集い、出会い、関係を育てる場として全体を構想した。わかりやすい動線や、ロビーをはじめとする共用空間がゆるやかにつながる構成には、日常の延長としての建築を重視した、西山の思想が息づいている。

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京都教育文化センター
京都市左京区聖護院川原町4-13

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京都府立図書館

パスポート公開エリア:外階段、3階家具展示コーナー、3階マルチメディアインテグレーション室

日本で最初の公立図書館「集書院」を源流とする「京都府立図書館」は、武田五一の設計により、1909年、現在の岡崎の地に完成。フランス・ルネサンス風のクラシックな様式を基調にしつつ、あえてあっさりした平面的なデザインを採用した。1995年には阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、2001年に外壁保存の形で改築、新館として開館。今でも、ファサードは明治期の面影を残す。

建築祭では、外壁の一部として現存する往時の階段に特別に立ち入ることができる。また、館内3階では大切に保管されてきた家具や、修復された「集書院」天井画《鳳凰図》の特別展示も実施。修復実行委員会より、記念冊子も配付予定だ(部数に限りがあり、なくなり次第配付は終了)。

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京都府立図書館
京都市左京区岡崎成勝寺町

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京都水道会館

パスポート公開エリア:3階講堂、外階段

京都の水道事業を支える施設として1966年に建てられた会館建築。鉄筋コンクリート造、地上3階建て。京都を拠点とする林建築設計事務所が設計を担当した。直線が反復される端正なファサードと、曲線を描きながら上下階をつなぐ螺旋階段のコントラストが目を引く。

建築祭では、外観を特徴づけるガラス窓から街を望む3階の講堂と、螺旋階段を見学することができる。会館としての機能を担う構造物でありながら、動線そのものに造形性を与えた構造に、機能性や合理性を重視しつつ、デザイン性の高さも求めた戦後モダニズムらしさが現れた「京都水道会館」。そんな時代性にも着目しながら、会館内外を歩いてみよう。

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京都水道会館
京都市左京区岡崎円勝寺町1-11

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泉屋博古館

パスポート公開エリア:1号館(青銅器館)螺旋階段・一部展示室・ロビー・渡り廊下

住友家が収集した東洋美術のコレクションを中心に保存、研究、展示する美術館。特別公開される「青銅器館」は、古代青銅器を扱う。設計は、日建設計工務(現・日建設計)の小角亨。1970年の大阪万博に合わせて建てられ、2025年にリニューアルオープンした。

柱で持ち上げられたピロティ形式を採用し、コンクリートやガラスを多用したモダニズム建築。外から見ると、屋根が青っぽく見えるのは、銅葺きのため。銅の精錬業から発展した住友家らしい意匠だ。内部では、螺旋階段のある中央の尖塔を中心に、4つの展示室が配置されている。「パスポート公開」では、この螺旋階段や、庭師・11代小川治兵衛が作庭した中庭を眺める渡り廊下などを見学することができる。

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泉屋博古館
京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24

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京都丸太町教会

パスポート公開エリア:礼拝堂、小礼拝室

日本の現代教会建築を牽引した建築家、岩井要による設計のもとで建設され、1995年に竣工。十字架を掲げたモダンな尖塔が目を引く。大小2つの礼拝堂と、ホール、会議室、こども図書館などで構成される。

コンクリート造の堅牢な躯体を持ちつつも、例えば大礼拝堂の内部では、扉や長椅子、フランス人オルガンビルダー、マルク・ガルニエが手掛けたパイプオルガンなどがもたらす木の質感が、落ち着きのある温かな空気感をつくり上げている。小礼拝堂は、小ぢんまりとした礼拝空間のなかに、(厚手のガラスを割り、樹脂で接合する)「ロクレール」の技法で知られるガラス造形家の三浦啓子によるステンドグラスを通して自然光が降り注ぐ。

祭壇へ向かう明確な軸線、祭壇と会衆席の距離、ステンドグラス越しに入り込む自然光、そして音響が計算された空間構成などから、現代教会建築の特徴を確認することができる。

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京都丸太町教会
京都市左京区丸太町通川端東入る東丸太町24-2

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