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石上純也が初代受賞者に!──「ボッテガ・ヴェネタ」が創設した国際建築賞

  • 2026.10.13

「ボッテガ・ヴェネタ」が、ラ・クアドラとのパートナーシップによる新たな国際建築賞「The Barragán Prize(バラガン賞)」を創設した。建築の既成概念に挑み、その可能性を押し広げながら、人々の暮らしを形づくる卓越した人物を毎年称えるものだ。

Fabian Martinez

この賞の着想源となったのは、メキシコを代表する建築家、ルイス・バラガン。鮮やかな色彩や光、水、緑を取り入れた詩的な空間で知られ、1980年にはプリツカー賞を受賞している。本賞は、こうしたバラガンの精神を受け継ぐ、自由で革新的な建築のあり方に着目し、既存の枠組みを超えた発想によって、建築と暮らしの新たな関係を切り拓く人物に光を当てるものだ。「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブ・ディレクターのルイーズ・トロッターのもと、建築、アート、デザインの交流を広げていく。

建築家の石上純也とクリエイティブ・ディレクターのルイーズ・トロッター。 Bottega Veneta

その初代受賞者に選ばれたのが、日本を代表する建築家の石上純也だ。細い柱が林のように立ち並ぶ「神奈川工科大学KAIT工房」、石を用いて風景と呼応する空間をつくり出した「サーペンタイン・パビリオン2019」、洞窟のような空間が広がる山口県宇部市のレストラン「メゾン・アウル」などが代表作。自然と建築の境界を問い直し、従来のスケールや構造にとらわれない空間を生み出してきた。その仕事は、建築の領域を広げようとする本賞の理念とも響き合う。

「建築のなかに『新しい外部』をつくりたい」

Bottega Veneta

10月9日に行われた授賞式のスピーチで石上は、敬愛するバラガンの建築と風景との深い結びつきに共感を示し、自身の建築哲学について以下のように語った。「私が探究しているのは、建築と自然の新しい関係です。その延長として、建築のなかに『新しい外部』をつくりたいと考えています。ここでいう外部とは、単に屋外を意味するのではありません。光や風、気候、地形、その土地の暮らしや文化が交わる、多様で豊かな風景や環境のことです」

さらに、「私の目標は、建築をただ自然になじませることではありません。建築がある場所に生まれることで、人と自然の間に新しい関係が育まれます。もともとの風景と新たにつくられた場所が重なり、その場所ならではの環境が生まれる。建築は風景の一部になると同時に、それ自体が新しい風景にもなるのです」と続け、まだ経験したことのない風景や環境を生み出す意欲を示した。

Bottega Veneta

授賞式の会場に選ばれたのは、ラ・クアドラ。バラガンが1960年代後半に手がけた、メキシコシティにあるかつての個人住宅と厩舎で、20世紀のメキシコ建築を代表する作品のひとつとされている。現在はロメロ財団のもと、建築やランドスケープ、アート、馬術文化にわたる彼の功績を伝える文化施設として運営されている。

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