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仕事でくたくたの女性の前に現れたのは、丸くて白い謎の生き物。ご飯やお風呂の用意もしてくれる「はぐちさん」との、不思議で癒やされる同居物語【書評】

  • 2026.10.9
 ©くらっぺ/祥伝社 FEEL COMICS
©くらっぺ/祥伝社 FEEL COMICS

【漫画】本編を読む

疲れて家に帰ったとき、「おかえりなさい」と笑顔で出迎えてくれる人がいるのはとても幸せなことだ。『はぐちさん』(くらっぺ/祥伝社)は、毎日仕事に追われて疲れきった女性と、正体不明の白い生き物との不思議な生活を描いた、キュートでシュールな日常漫画。

会社員として、毎日くたくたになりながら働く女性・八千代の部屋に、ある日突然、謎の生き物「はぐちさん」が出現する。丸くて白い体に手と足が生えており、言葉も話す。驚いた八千代をよそに、その生き物は「住みたいのだが」と堂々と居候を希望。さらに世界中を旅してきたらしく、名前を尋ねると、これまで行く先々で呼ばれてきた名前が次々と飛び出す。そんな不思議な生き物が、なぜ「はぐちさん」と呼ばれるようになったのか。その由来を描いたエピソードは思わず笑ってしまうので注目してほしい。

そんなはぐちさんは、疲れて帰ってきた八千代のために料理を作り、お風呂まで沸かしてくれるという理想的な同居人である。しかも「無理したら何にでもなれんねん」と謎の能力まで持っている。八千代を労ったかと思えば、ときには突拍子もない行動で笑わせる。そもそも何者なのかがさっぱりわからないのに、いつの間にか自然と八千代の日常に馴染んでいるから不思議だ。

そんなふたりのやりとりは、クスッと笑えるものから、くたびれた心に染みるもの、妙に頭に残るものまでさまざまだ。1週間の仕事を終えた八千代に、はぐちさんが「ご褒美は? どれくらい褒めてもらえた?」と尋ねるエピソードでは、彼女が褒められることは滅多にないと知ると、「毎日時間通りに起きてるのに!?」と驚く。この何気ない言葉や疑問などが、忙しない現代社会に生きる私たちの胸に刺さってくる。

ひとつひとつの話は基本的に短いので、癒やされたいときにページをめくれるのも本作の魅力だ。八千代とはぐちさんの暮らしを眺めていると、「こんな同居人が家にいてくれたらな」と思わずにはいられなくなるはずだ。2026年10月8日に第13巻が発売されたので、ぜひ第1巻からじっくりと堪能してほしい。

文=坪谷佳保

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