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危険で割に合わないのに、なぜ働く? 実録マンガ『夜逃げ屋日記』のスタッフたちが背負う「辛い過去」【書評】

  • 2026.10.3

【漫画】本編を読む

親からの虐待、配偶者からのDV、家を特定しているストーカー。それらから逃げようとするための引っ越し、いわゆる“夜逃げ”を手伝う会社がある。実際にその会社で働き、自身の体験をマンガにしたのが『夜逃げ屋日記』(宮野シンイチ/KADOKAWA)だ。特殊な職業である“夜逃げ屋”で働くスタッフは、なぜこの仕事を選んだのか? 本作には、スタッフたちの背景に迫るエピソードも登場する。

年末、お金がなくもやしで乗り切ろうとしている宮野さんのところに、夜逃げ屋のスタッフ・デンゾウさんが現れる。ラーメンだけでなく餃子までごちそうしてくれるデンゾウさんに感激し、「夜逃げ屋にデンゾウさんみたいな優しい人がいてよかった〜」と伝える宮野さん。

しかし、デンゾウさんはこの仕事を始めてまだ3年、わからないこともたくさんあるという。それを聞いて、宮野さんは「どうして夜逃げ屋になったんですか?」とふと思った疑問を口にする。しかし、デンゾウさんはそれには答えず、「ラーメン冷めてまうで」とラーメンを指さすのだった。

本作を読んでいると気になってくるのが、夜逃げ屋で働いている人は何者なのかということ。どのようにしてこの会社を知ったのか? そして拘束時間も長く、危険も伴う夜逃げ屋の仕事は、割がいいとは言えそうにない。それでもここで働こうと思う理由はなんなのか?

以前インタビューの中で、「スタッフさんの中には自身も辛い経験をされている方が多い」と語ってくれた宮野さん。そんな過去を持つスタッフ一人ひとりの依頼者へのアツい思いもまた、本作の魅力である。

文=原智香

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