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「ビビビッときた」19年前、55歳で“19歳年下”の画家と結婚した【伝説バンドのリーダー】牧師は“盟友のベーシスト”

  • 2026.10.23
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2007年10月、都内の教会で挙式したミッキー吉野(C)SANKEI

19年前の2007年10月、都内の教会で開かれたゴダイゴのリーダー、ミッキー吉野の結婚式は、どこまでも“音楽的”だった。当時55歳の吉野が伴侶として迎えたのは、19歳年下の画家・大内祥江(さちえ)さん。

牧師を務めたのは、他でもないゴダイゴのベーシスト、スティーヴ・フォックスだった。式にはボーカルのタケカワユキヒデら約80人が出席した。19歳の年の差について、吉野は「彼女が僕の音楽を理解してくれているので年齢差は感じない」と笑顔で語った。

人生の最もプライベートな節目にも、吉野の口から出てきたのは「僕の音楽」という言葉だった。式を取り仕切るのもバンドの仲間なら、年の差を感じない理由もまた音楽。私生活とバンドがひとつに重なり合っている。ミッキー吉野という音楽家の生き様がにじみ出るようなワンシーンだった。

牧師になったベーシストと運命の出会い

牧師を務めたスティーヴ・フォックスと吉野の縁は、1969年にまで遡る。のちに同じ米バークリー音楽大学で学んだ、いわば青春時代からの盟友だ。1980年にバンドを離れ、米国で伝道師の道を歩んだスティーヴだが、1999年の再結成で復帰した。現在も牧師を務めながら、ゴダイゴのベースを担い続けている。

記念写真には、新郎新婦を挟むようにタケカワユキヒデ、ギターの浅野孝已、スティーヴ、そして吉澤洋治が並び、笑顔を見せていた。

そんな吉野と祥江さんが出会ったのは2001年。ザ・ゴールデン・カップス時代の仲間、デイヴ平尾が営んでいた飲食店の閉店パーティーでのことだった。「初めて会った時にビビビッときた」と吉野は振り返った。その後、大内さんが韓国の大学院へ進むと決めた際に、吉野は「日本に帰っておいでよ」とプロポーズした。

再始動の熱気の中で響いた「家族愛」の歌

この結婚式が挙げられた2007年秋、ゴダイゴは本格的な再始動から2年目を迎えていた。

1999年から2000年にかけての期間限定再結成を経て、メンバーは一度それぞれの活動へと戻っていた。だが吉野の胸には、ライフワークであるゴダイゴを、ずっと続くバンドとして復活させたいという思いがあった。

その思いが形になったのが、結成30周年の節目となった2006年の本格再始動だ。奈良・東大寺での特別コンサートやシングル『Monkey Magic 2006』の発表で狼煙を上げた。2007年には、吉野が東京芸術劇場に招かれ、ロック公演の音楽監督を務めた。和太鼓や琴、尺八、合唱まで加えた大編成で、ロック組曲『2007 TOKYO 新創世紀』を成功させる。「新創世紀」は、1976年のデビューアルバム『ゴダイゴ(組曲・新創世紀)』にもあった言葉だ。

そして、結婚式のわずか16日後には、家族愛をテーマにしたシングル『BIG MAMA』をリリース。タケカワが曲を書き、奈良橋陽子が詞を紡ぎ、吉野がアレンジを手がけたこの楽曲は、新たな家庭を築いたばかりのリーダー自身の歩みとも重なって見える。

ジャケットに描かれた夫の右手

結婚から年月を経た2021年6月、吉野はセルフカバー曲『DEAD END~LOVE FLOWERS PROPHECY feat. STUTS & Campanella』を配信リリースした。そのジャケットのアートワークを手がけたのが、妻で芸術家の吉野祥江さん。あの日の花嫁だった。

苦しい現実のなか、下から伸びて光を求めるひとつの手。ジャケットの手のモチーフとなったのは、半世紀にわたり鍵盤を叩いてきた夫・ミッキー吉野の右手だった。

祥江さんはその後も、コンサートに作品を提供し、アルバムジャケットも描いている。あの日、吉野が「彼女が僕の音楽を理解してくれている」と語った言葉の通り、祥江さんはいまや吉野の音楽の“顔”を描き出す表現者となった。

悲しみを越えて50周年のステージへ

もちろん、半世紀という歳月は平坦な道のりばかりではなかった。2020年5月には、あの結婚式の写真で笑顔を見せていたギタリストの浅野孝已が、68歳で急逝。突然の別れに、吉野はその夜、悲しすぎる、涙しか出ないと投稿し、悲痛な思いをつづった。

それでもバンドは歩みを止めなかった。2026年4月1日、ゴダイゴはデビュー50周年を迎えた。現在のメンバーは吉野、タケカワ、スティーヴ、トミー・スナイダー、吉澤の5人。19年前の記念写真に並んだ仲間のうち3人が、いまなお同じステージに立っている。

50周年の全国ツアーは、12月24日のNHK大阪ホールまで続く。10月10日のフェス「Godiego FEST 2026」には、Charや岡村靖幸、斉藤和義らがゲストに名を連ねた。

かつて都内の教会で牧師を務めたベーシストも、式に出席したボーカルも、いまは50周年のステージで吉野の隣に立っている。


※記事は執筆時点の情報です

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