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平成ライダー史上“最高視聴率”のイケメン俳優が、25年ぶりに再び変身「何十年後でもやる気持ちはある」

  • 2026.10.16
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賀集利樹-2003年1月撮影(C)SANKEI

25年前の2001年9月、劇場版『仮面ライダーアギト PROJECT G4』の完成披露試写会。主演を務めた当時22歳の賀集利樹は、見所はまだ観ていないので分からないと正直に切り出した。

主役でありながら、まだ完成品を観ていないという初々しすぎる告白。だが彼はそのあとで、「観て感じてもらいたいもの」として、たった一つの場面を挙げた。それは、初代仮面ライダー・本郷猛を演じた藤岡弘と、自身が言葉を交わすワンシーンだった。

俳優デビューの年に巡り合った大役。その新人が主演作からただ一つ選んだのは、偉大なる“初代”と向き合う場面だった。それから25年、賀集は再び津上翔一としてファンの前に立っている。

雨の丸の内東映で初代が新世代に託した「夢」

2001年9月13日、東京・丸の内東映。あいにくの空模様のなか、開場を待つ観客の列は雨を避けて東映本社ビルの中に延び、最上階に達するほどだった。客席には劇中の怪人“アンノウン”たちが観やすい席にどっかと腰掛け、泣き出す子どもたちの声がそこここから上がる。東映の創立50周年を記念して映画化された『アギト』が、同じ日曜の朝に放送中だった『百獣戦隊ガオレンジャー』の劇場版との2本立てでお披露目されたこの日、場内は微笑ましい空気に満たされていた。

田﨑竜太監督とともにステージへ上がった賀集。まだ観ていないと素直に白状した彼は、藤岡との共演シーンについて、役柄上のものに加えて「初代仮面ライダーから16代へのもの」など様々なメッセージが込められていて、自分には色々と印象に残るものだったと語った。

劇中で藤岡が演じたのは警視総監。ヒロイン・風谷真魚の救出に行き詰まった小沢澄子を励まし、その場に居合わせた翔一の背中を熱い言葉で押すキーパーソンだ。

『レッツゴー!!ライダーキック』の調べが流れる客席をゆっくりと歩いて藤岡が舞台に上がると、若い父親世代を中心にどよめきと歓声が巻き起こった。1号を演じてから30年。満面の笑みをたたえた藤岡は、今も続いている仮面ライダーに胸が熱くなると語った。若い人たちから新しい仮面ライダーが育っていくと述べ、夢を託していくと続けた。舞台挨拶の最後には、藤岡が最初に戦った蜘蛛男と、当時の仮面ライダーまで顔を見せた。

新しい世代に夢を託すと語った初代と、その初代との場面をただ一つ挙げた新人俳優が、この日、同じ舞台挨拶に立った。

何色にでも変われる白を選んだ新人

賀集にとって、テレビシリーズ『仮面ライダーアギト』の主人公・津上翔一役はまさに役者人生の原点、俳優デビューそのものだった。番組は平成以降の仮面ライダー作品で今なお破られていない最高平均視聴率を記録し、この『PROJECT G4』は平成仮面ライダー初の劇場版となった。『ガオレンジャー』との2本立て興行は、最終的に興行収入12.5億円を記録している。

公開前夜の9月21日に新宿東映で開かれた前夜祭は、チケットが完売していた。仮面ライダー役になったと実感したのはいつかと尋ねられた賀集は、初めてベルトを出して変身したときだと答えている。

そんなデビューの年、東映の公式サイトのプロフィールで、賀集は好きな色に白を挙げていた。洋服の色の好みではなく、何色にでも変われるところが理由だった。役者としてやっていくうえでは車のギアならニュートラル、数字ならゼロで、どういう役にでもなれるようにしたいと、当時の彼は瑞々しい抱負を語っていた。

25年後の帰還は完成作を観たうえで

そして2026年1月、仮面ライダー生誕55周年を記念した新作『アギト-超能力戦争-』の制作が発表された。メガホンをとったのは、25年前と同じ田﨑竜太監督。要潤演じる氷川誠を主軸に据えつつ、当時のオリジナルキャストが再び集まり、賀集もまた津上翔一として帰還を果たした。井上敏樹の脚本を読み、撮影現場で当時の仲間たちと再会したとたんに、一気に津上翔一が目覚めたと、賀集はコメントを寄せている。

2026年4月の完成披露試写会。かつてまだ観ていないから分からないと語っていた男は、今度は完成した作品を観たうえでステージに立った。泣けてきた、お世辞抜きで純粋に面白いと話し、田﨑監督の回想を受けて「ここからが始まり。何十年後でもやる気持ちはある」と宣言している。

4月29日の公開初日には、『アギト』の入り組んだ名前の設定を生かして、「沢木哲也、もとい、津上翔一として帰ってまいりました!」と挨拶した。25年間、ファンがアギトを好きでいて、その居場所をずっと守ってくれたから作品を作ることができたと感謝を述べ、仮面ライダー生誕55年記念という、ちょっと重いくらいのものも背負ったと口にした。初日の興行収入は1億円を突破した。劇中では、アギトの力を失っていたはずの翔一が、再び腰にベルトを巻いて変身した。

受け継がれる魂と変わらぬ「原点」

『アギト』25周年のメモリアルを飾る展覧会「真アギト展」の特報映像では、現在の賀集の声で津上翔一としての新たなナレーションが吹き込まれた。寄せたコメントの中で、彼は25年たっても『アギト』は「僕の原点であり誇り」だと記している。2026年10月3日から25日までの大阪会場(なんばパークスミュージアム)では、音声ガイド「Type:Agito」のナビゲーターとしてファンの耳元に語りかける。

かつて何色にでも変われる白が好きだと語った無垢な新人は、25年後のいま、始まりの役を原点と呼び、何十年後でもやる気持ちはあると言っている。

あの日、丸の内東映の舞台で、初代の藤岡は次の世代へ夢を託すと語った。22歳の賀集利樹がまだ映画を観ないまま挙げたあの対話の場面を、25年が経った今、もう一度見返したくてたまらない。


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