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オーディションで“最終5人”から落選。1年後、国民的グループでデビュー→卒業を「前言撤回」して迎える現在

  • 2026.10.14
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2004年9月、舞台「HEART of GOLD」の公開稽古で取材に応じるATSUSHI(C)SANKEI

25年前の2001年9月27日、J Soul Brothersから改名したEXILEが、デビューシングル『Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~』を放った。

竹野内豊・広末涼子主演、フジテレビ系ドラマ『できちゃった結婚』の挿入歌として流れたナンバーだ。週間ランキングで最高4位、通算17週ランクインするロングヒットを記録した。

この鮮烈なデビューを飾ったとき、ボーカルの一人だったATSUSHIは弱冠21歳。そのわずか1年前には、テレビのオーディションで苦杯をなめさせられたばかりの青年だった。

あれから四半世紀。グループの爆発的なブレイク、相棒との別れ、勇退、そして涙の完全復帰。激動のキャリアの中で立ち止まり、傷つき、それでも再び立ち上がるとき、ATSUSHIのそばにはいつも、このデビュー曲と「9月27日」という運命の日付があった。

落選のあとに届いたJ Soul Brothersの誘い

時計の針を2000年に戻そう。テレビ東京系『ASAYAN』で開催された「男子ヴォーカリストオーディション」。のちにCHEMISTRYとしてデビューする堂珍嘉邦と川畑要を輩出した舞台で、ATSUSHI(当時20歳)は最終選考の5人にまで残っていた。

しかし、4人に絞られる局面で無情にも落選を告げられる。夢を掴み取っていくライバルたち。そんな彼に声をかけたのが、HIROがリーダーを務めていたJ Soul Brothersだった。

こうしてATSUSHIは、もうひとりのボーカル・SHUNとともにグループへ迎え入れられる。オーディションの落選から1年も経たないうちに、彼の歌声は全国ネットのドラマを彩り、やがてヒットチャートを駆け上がっていった。

対極のふたりが起こした化学反応

デビュー曲『Your eyes only』の魅力は、ATSUSHIとSHUNという対照的なツインボーカルの妙にあると思う。R&Bのグルーヴにやわらかく溶け込むメロディ。「輪郭」と書いて「かたち」と読ませる繊細な世界観を、ふたつの声が描き出していた。

ふたりは1980年生まれの同い年。しかし、歌に至るバックボーンはまるで対極だった。幼少期からクラシックピアノを習い、長年のボーカルトレーニングでスキルを磨き上げてきたATSUSHI。一方のSHUNは、中学から始めたギターを独学で覚え、地元の山口で、地下道を行き交う人々の前で弾き語りを重ねてきた叩き上げ。

洗練された技巧と、荒削りなライブ感。正反対のルーツを持つふたつの声が重なり合って、EXILEという巨大な物語は動き出した。

2006年3月、SHUNがグループを離脱。やがてTAKAHIROという新たな光を迎えて進化を続けたEXILEは、2022年に20周年を祝う『BE THE ONE』を出す。TAKAHIROが書いたその歌詞にも、『Your eyes only』の曲名が織り込まれている。

東京ドームで外したサングラス

デビュー以来、不動のボーカルとしてEXILEを引っ張ってきたATSUSHI。2020年11月、40歳を迎えた節目の年に、彼はグループからの「卒業」を発表する。「21歳でデビューした時からずっと人生のすべてでした」という言葉を残し、ソロ活動へ専念する道を選んだ。

だが、彼とEXILEを結ぶ見えない糸は切れていなかった。

2022年、7月から期間限定でグループへ戻っていたATSUSHIは、12月21日の東京ドーム公演、そのアンコールで仲間たちとステージに立った。並んだのは、ATSUSHIとMATSU、ÜSA、MAKIDAIという初期のメンバー4人に、TAKAHIRO、AKIRAを加えた6人。

披露されたのは、やはりあの『Your eyes only』だった。

約5万3000人を前に、ATSUSHIは時折声を詰まらせながら「限定復活を前言撤回」と切り出した。そして「僕はEXILE ATSUSHIです」と言い切ると、サングラスを外し、あふれる涙をぬぐった。原点の仲間とともにデビュー曲を歌ったその夜、彼は再びEXILEとして生きる決意を告げたのだ。

「9月27日」から25周年の冬へ

その後も道のりは決して平坦ではなかった。2023年4月には体調を崩し、長期休養を余儀なくされる。活動再開を告げたのは、2024年9月27日だった。デビュー23周年の記念日にあたるその日、Instagramに綴られた復活宣言。節目にはいつも、この日付が彼を呼び戻す。

2025年11月、EXILEにとって約3年ぶりのドームツアー『THE REASON』が始まり、ATSUSHIもボーカルとして加わった。12月28日の名古屋での最終日には、若いメンバーが多くて楽屋が学校みたいだと微笑み、「EXILEって、まだまだ青春してたかったんだな」と打ち明けた。2026年7月に始まったソロツアー『Heart to Heart』Season 3でも、初日に新曲『Heart to Heart Part 2』を初披露するなど精力的だが、彼にとっての本丸はこれからだ。

2026年11月と12月、ベルーナドームと京セラドーム大阪で開催されるデビュー25周年記念公演。そこにはATSUSHIとともに、MATSU、ÜSA、MAKIDAIも出演する予定だ。2001年9月27日に『Your eyes only』を世に放った6人のうち、4人が再び同じステージに揃い踏みすることになる。

『ASAYAN』で落選した20歳の青年は、挫折を越え、幾度もの別れと再会を繰り返しながら、今も歌い続けている。25周年を迎える2026年の冬を前に、あのデビュー曲をもう一度聴き返したくなる。


※記事は執筆時点の情報です

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