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「この2席は俺が使ってるんだよ」混み合う特急で段ボールをどかさない男性。立ったままの女性を見た車掌が声をかけると

  • 2026.9.20
「この2席は俺が使ってるんだよ」混み合う特急で段ボールをどかさない男性。立ったままの女性を見た車掌が声をかけると

隣の席に置かれた大きな段ボール

3年前のお盆、私は帰省のために特急の自由席に乗った。混雑すると思い早めにホームへ並んだおかげで、窓側の席に座ることができた。

いくつか駅を過ぎたころ、50代くらいの男性が大きな段ボールを抱えて乗ってきた。

男性は私の隣の席に段ボールを置き、自分はその横の通路側に腰を下ろした。

そのころには車内もかなり混み、通路には立っている人もいた。

しばらくして、高齢の女性が私たちの席の前で足を止めた。

「すみません。こちら、空いていますか?」

女性が段ボールの置かれた席を指すと、男性は箱に手を添えたまま答えた。

「いや、この2席は俺が使ってるんだよ」

「そうなんですか…。できれば座らせてもらえませんか?」

男性は少し困ったように段ボールを見た。

「これ大きいし、足元には置けないんだよ。悪いけど、ほか探してくれる?」

女性はそれ以上言えず、「分かりました」と小さく答えた。

私はすぐ隣にいたものの、男性の強い口調に気圧され、何も言えなかった。

車掌さんが段ボールを見て声をかけた

次の駅を出てしばらくすると、車掌さんが車内を回ってきた。

私たちのところまで来ると、通路に立つ女性と座席の段ボールを見て、男性に声をかけた。

「お客様、恐れ入ります。こちらのお荷物、座席から移していただけますか」

男性は少し不満そうに答えた。

「でも、これ大きいんだよ。置くところがないから、ここに置いてるんだけど」

「そうでしたか。でしたら、置ける場所をご案内します。こちらのお席は空けていただけますか」

車掌さんが落ち着いて言うと、男性は段ボールを見てから小さく息を吐いた。

「…分かったよ。じゃあ、どこに置けばいい?」

「ご案内します。お手伝いしますね」

車掌さんが段ボールの片側を持ち、男性も反対側を持って荷物を移動させた。

空いた席を見て、女性は「ありがとうございます」と車掌さんに頭を下げたあと、私の隣に腰を下ろした。

「よかったですね」

思わずそう声をかけると、女性はほっとした顔で「本当に」と笑った。

戻ってきた男性も、それ以上何か言うことはなく、通路側の席に座った。

実家に着いてから、私は母に車内での出来事を話した。

「私、すぐ隣にいたのに何も言えなかったんだよね」

すると母は少し考えてから言った。

「怖いと思ったなら、無理に注意しなくてもいいよ。でも困ってる人に声をかけることはできるかもね」

その言葉に、私はうなずいた。

相手に直接注意するのは難しくても、困っている人を気遣ったり、必要なら車掌さんに知らせたりすることはできる。次に似た場面に出会ったら、何か一つでも行動できればと思った出来事だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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